風の如く 水の如く (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 216
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451337

作品紹介・あらすじ

「如水に謀反の疑いあり」。徳川家康は本多正純に真偽を確かめよと命ずるが…。黒田官兵衛・長政父子の情を絡め、日本史最大の謎、関ヶ原合戦に新解釈で挑み、官兵衛最後の采配を描く、戦国小説の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • 黒田如水の密書をめぐり、本多正純が各大名へ訊問する形で話が進んでゆく。
    しかし、関ヶ原の前あるいは後と場面が錯綜し、読者もまま惑わされてしまう。
    関ヶ原は、家康と三成との戦いというのが歴史の定説であるが、著者はその裏に如水と家康との権謀と策謀の戦いがあったとみる。
    これがフィクションなのか、はたまた小説家の想像力によって描き出された歴史の裏面史なのか。
    確かに、関ヶ原の戦いの最中、如水は九州の各地を次々と制圧していった。これは史実であるが、その裏にこれ程の策謀があったのだろうか。
    如水の密書にいう「三方」とは、誰と誰のことだろうか。後半明かされるその人物の名前には、読者は皆”エッ”との声を上げてしまうかも。
    歴史ミステリーファンにとっては、たまらない瞬間といってもいいか。
    さらに、秀忠が関ヶ原に遅参したのは信州真田の抵抗によるものではなく、家康からの指示でその場にとどまり、ある勢力の進発に備えたためだとか。
    歴史には何が隠されているかわからない、面白いな~。
    家康と如水との虚々実々の戦い、「家康は風、如水は水」この例えもなんとなく納得できるなあ。

  • 官兵衛を関ヶ原に深く関与させ、父と子というテーマで話を捉えることもできる。場面がよく変わるので時系列の把握に手間取ったが、推理小説風の歴史小説は斬新で楽しめた。まるっとするっとお見通しの家康様恐るべし

  • 2020年、33冊目です。

  • 関ヶ原の前後に繰り広げられる陰謀の数々を解き明かす物語。
    もし少しでも誰かの思惑が違っていれば歴史が変わったかもしれない微妙な駆引きというところまでは面白いが、頻繁に時間が変わるので読んでいて混乱する。もう少し章立てを工夫するともっと読み易かったのにと思う。

  • 何が言いたいのか、よくわかりませんでした。

  • 刑事物のような展開だった?

  • 新しい関ヶ原の戦い。

  • ナツイチ本。
    いまいち…途中で飽きてしまいました…

  • 関ヶ原後に家康の近習である本多正忠が、黒田官兵衛の謀反の疑いを調査する話。家康が天下を取ったらキリシタンを認めないであろうと思い、ならば西軍と東軍が争い疲弊した勝者を滅ぼし天下を取ろうとしたキリシタン大名黒田官兵衛の最後の野心は、わずか一日で東軍圧勝に終わり不発に終わる。そこまでの水面下の謀略策略は凄まじい。なぜ軍師はそこまで先見の明を持っているのか凡人には理解できないな。

  • 映画化したら玄人好みの話になりそう。本多正純を主人公として、関が原を巡る如水と家康の伏線の張り合いを、戦後の論功行賞のための尋問を通して解く。如水ならさもありなん...と後世まで思わせるのがすごい。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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