- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087451474
作品紹介・あらすじ
札幌の養護施設で暮らす陽介や卓也たちは高校受験を前にそれぞれの岐路に立っていた。人生に真っ向から立ち向かう少年たちを描いた『おれのおばさん』の続編!(解説/木皿泉)
感想・レビュー・書評
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これが、続編だとは知らずに読んでしまった
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「おれのおばさん」シリーズ第2弾
陽介と同室の柴田卓也が語り手となった「小石のように」
恵子おばさんが語り手となった「あたしのいい人」
そして、陽介はじめ魴鮄舎の中3の4人の高校進学を中心に描かれた「おれたちの青空」3編
まるで連続テレビ小説を見ているよう
紆余曲折を経ながらもうまく収まっていくのだが、決して綺麗事ではない心の内部の葛藤が描き出されている
このシリーズでは、文字通り『規格外』のおばさんの存在が子供達の救いや光となっている
10代前半の少年少女たちが、自分たちの責任ではないところの重い事情に押しつぶされそうになりながらも、なんとか自分の運命を切り開いていこうとするたくましい生命力に感動し、希望の光が見えるのだが、現実はどうなのだろう?
そんな事情を抱えた子供達への社会の目は?
受け入れ態勢は?
こんなおばさんの存在は?
果たして自分は?
日々ニュースを賑わせている児童虐待、育児放棄等の問題とも考え合わせ、大人として胸が痛くなる -
中学生はそれぞれの思いを抱えて高校生になっていく
大人はそれぞれの事情を抱えながら生きていく
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前作に続き面白いのだが、ページ数が短すぎてあっという間に読み終わってしまった。どんな人生でも幸せはあると思わせてくれる一冊。
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物語だけど、どこかノンフィクションぽく、人と人との関わりが濃くて面白い。
おれのおばさん、の続編。
同級生の卓也の今まで、おばさんの大学〜おばさんになるまで、タイトルの陽介の高校受験にまつわる今後への話は20ページほどの3編。卓也の境遇、思い、人への優しさなど深くわかる。
おばさんは大学時代からの友達、次期教授、玉木さんも出てきて今でも好きな元旦那との出会い、演劇、浮気〜離婚と壮絶な半生を辛気臭くなく、テンポ良く語る。
ついつい読んでしまう面白さがある。
登場人物の素直さ、頑張り、努力、その陰には児童養護施設という環境で育つという道で、強烈なおばさんとの生活で曲がることなく生きていく様がまた清々しい。
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ビブリオバトルで知り、手に取った本です。
とても面白く、また読み直したい -
男子中学生の陽介、卓也がそれぞれ家族と暮らせない事情を抱えつつも、自分なりの目標をみつけて前に進んでいく感じが爽やか。前作『おれのおばさん』では、色んな背景を明らかにする必要があって、個々の心情には今一歩踏み込めていない感じがあったが、今作では丁寧に描かれている。中学生なら一人になって考えたいと、突発的に家出をしたり、凍死寸前の寒さに無謀にも突っ込んでいったり、いろんな思いが頭の中をかけめぐって眠れなくなったり、そういうことがあるだろうなあと共感。そして彼らが卒業したあとに入ってくる予定だった二人の女子小学生の登場も興味深い。教育のあり方、児童養護施設で育つ子ども、子どもの成長、強さ、といったものを考えさせられる。恵子おばさんの存在に救われる。
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『おれのおばさん』のシリーズ。主人公だった陽介が暮らすおばさんの養護施設の同級生・卓也とおばさんが主人公の2編が中心。どこか小説のようなつくり話に思えた『おれのおばさん』の陽介の境遇に対し、卓也の生い立ちのほうが壮絶なんだけどありそうな感じに思えて、そんなことがありがちな話に受け取れてしまう現代ってどうなんだろう。
おばさんのエピソードは豪放磊落なようで意外と繊細な彼女の様子が知れた。こちらのエピソードでも親と一緒に暮らせない子どものことが。 -
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