おれたちの青空 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 185
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451474

作品紹介・あらすじ

札幌の養護施設で暮らす陽介や卓也たちは高校受験を前にそれぞれの岐路に立っていた。人生に真っ向から立ち向かう少年たちを描いた『おれのおばさん』の続編!(解説/木皿泉)

感想・レビュー・書評

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  • 中学生はそれぞれの思いを抱えて高校生になっていく

    大人はそれぞれの事情を抱えながら生きていく

  • 『おれのおばさん』シリーズ第2弾。養護施設で暮らす卓也、児童養護施設の運営者おばさん後藤恵子、父が逮捕された陽介のストーリーとなっている。第1弾の比べ勢いはないが心情がよくわかる。これからどうなるのか次回にも期待。

  • 良かった!

  • これが、続編だとは知らずに読んでしまった

  • R3.12.19 読了。

     『おれのおばさん』の続編。『舞台になる児童養護施設「魴鮄舎」の住人で、前作では脇役ながら魅力的なキャラクターで登場していた卓也の短い家出を描いた話、恵子おばさんが若い頃に家を出て「魴鮄舎」を立ち上げて今にいたるまでの話、そして前作で少し大人になった陽介のその後を描く三つの話からなる。思えば、いずれも登場人物たちが住み慣れた場所から旅立つ話である。』…(解説より)。

     中学生から高校生になる思春期の先の見えない自分の将来のことを悩み、友人や周りの大人たちに影響を受けながら、1歩1歩前に進もうとしている姿が印象的だった。自分のことを振り返ると、ここまでちゃんと将来について考えていたかな・・・

  • 男子中学生の陽介、卓也がそれぞれ家族と暮らせない事情を抱えつつも、自分なりの目標をみつけて前に進んでいく感じが爽やか。前作『おれのおばさん』では、色んな背景を明らかにする必要があって、個々の心情には今一歩踏み込めていない感じがあったが、今作では丁寧に描かれている。中学生なら一人になって考えたいと、突発的に家出をしたり、凍死寸前の寒さに無謀にも突っ込んでいったり、いろんな思いが頭の中をかけめぐって眠れなくなったり、そういうことがあるだろうなあと共感。そして彼らが卒業したあとに入ってくる予定だった二人の女子小学生の登場も興味深い。教育のあり方、児童養護施設で育つ子ども、子どもの成長、強さ、といったものを考えさせられる。恵子おばさんの存在に救われる。

  • 物語だけど、どこかノンフィクションぽく、人と人との関わりが濃くて面白い。
    おれのおばさん、の続編。
    同級生の卓也の今まで、おばさんの大学〜おばさんになるまで、タイトルの陽介の高校受験にまつわる今後への話は20ページほどの3編。卓也の境遇、思い、人への優しさなど深くわかる。

    おばさんは大学時代からの友達、次期教授、玉木さんも出てきて今でも好きな元旦那との出会い、演劇、浮気〜離婚と壮絶な半生を辛気臭くなく、テンポ良く語る。

    ついつい読んでしまう面白さがある。
    登場人物の素直さ、頑張り、努力、その陰には児童養護施設という環境で育つという道で、強烈なおばさんとの生活で曲がることなく生きていく様がまた清々しい。

  • ビブリオバトルで知り、手に取った本です。
    とても面白く、また読み直したい

  • 『おれのおばさん』のシリーズ。主人公だった陽介が暮らすおばさんの養護施設の同級生・卓也とおばさんが主人公の2編が中心。どこか小説のようなつくり話に思えた『おれのおばさん』の陽介の境遇に対し、卓也の生い立ちのほうが壮絶なんだけどありそうな感じに思えて、そんなことがありがちな話に受け取れてしまう現代ってどうなんだろう。
     おばさんのエピソードは豪放磊落なようで意外と繊細な彼女の様子が知れた。こちらのエピソードでも親と一緒に暮らせない子どものことが。

  • sg

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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