抱擁、あるいはライスには塩を 上 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2014年1月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784087451504

作品紹介・あらすじ

東京・神谷町の洋館に三世代で暮らす柳島家。子供たちを学校にやらないという教育方針だが、四人の子供のうち、二人が父か母が違うなど、様々な事情を抱えていた。風変わりな一族の愛と秘密を描く傑作長編。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

三世代にわたる柳島家の独特な生活と愛の物語が描かれています。家庭での厳しい教育方針のもと、学校に通わない兄弟姉妹たちが織り成す波乱万丈な人生は、まるで外国のおとぎ話のような魅力を持っています。広大な庭...

感想・レビュー・書評

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  • 三世代、百年にわたる、大きなお邸に住む柳島家の歴史。
    4人の兄弟姉妹たちは学校に通わず、家庭で厳しく教育を受けてきたが、ある日突然父の提案で学校へ行くことに。
    何とも変わった家族である。外国のおとぎ話のようにも思える。
    物語に身をまかせる心地よさがたまらなくいい。
    なめらかな文章、読み応えのすごさに圧倒される。
    下巻が楽しみ。

  • 自宅に図書室があるお屋敷、探検のできる広大な庭、学校に通わず自宅で家庭教師から教育を受ける子供たち、素晴らしいです。小学校や中学校って行かなくとも良いのですね。個性的な面々の波瀾万丈な人生に引き込まれています。お願いだからハッピーエンドで終わって欲しい。

  • 失恋後8作目
    江國香織の日本語の使い方の上手さが際立つ。どの登場人物も魅力的で、どの章を読んでも肩入れしてしまう。誰が1番気になるのかなんて考えられない。ただ、日本語の文間にひっそりと優しさや信念や愛がある感じがする。

  • 高貴なお家や、高貴さというものについて考えた。
    (ちょうど漫画の「はいからさんが通る」を同時期に読んでいて、お屋敷とか名家とかが描かれていた)

    家族はすごく個人的なもので、興味深い。柳島家はすごく変で、かわいらしい。

  • 章が変わるごとに語り手が替わり、柳島家の輪郭が明らかになっていくのが面白い。

    中でも、百合の話が1番印象的で辛かった。
    心底気持ち悪い嫁ぎ先だと感じた。

    この物語を読み、幼少期に家族以外と触れ合うことの必要性や学校の大事さを再認識させられた。柳島家は、いくら勉強しても世間を知ることが出来ないといういい例。みんな優しい心の持ち主なだけに、世間に馴染めないのが見ていて辛かった。

    辛い話もあったが全体的に温かい雰囲気の作品。
    菊ちゃん一筋な豊さんと麻美さんの関係が気になる。下巻も楽しみ。

  • 神谷町に三世代で棲む柳島家には変わった教育方針があり、それは大学入学までは学校に通わせないというもの。子どもたちは家庭教師の元で勉強をし、それ以外の時間は思い思いに家で過ごす。そんな浮世離れした一族だが、世代を経るにつれて少しずつ変化が訪れる──。

    柳島家を何世代にも渡って自分の目で見てきたかのような江國さんの筆致力。章ごとにひとりひとりにスポットライトが当たり、現在と過去を行き来しながら物語は進んでいく。世間に馴染めず元の住まいに戻ってくる柳島家の人たちは、人間らしいというよりはどこか動物的な、帰巣本能に従っているように感じた。まるでここでしか生きられないよう育てられているかのように。百合の元義家族のほうがおかしいことは誰の目にも明らかであるのに、世間との交わりを絶ってきた百合自身にはそれが分からないことにはなんだかやるせない気持ちになった。閉じられた世界で生きることの幸福と絶望が上巻では描かれてる。

    本を閉じても、図書室の空気、食堂室の鳩のステンドグラスをすぐそばで感じている。これから彼らはどうなるのだろう。下巻も楽しみ。

  • 神谷町に住むお金持ち一族の話し。

    その家族で決められている独特なルールと
    世間一般との常識的ルールの差に戸惑ったり、憧れたりする親と子と兄弟姉妹の話。

    読みやすかったし、お金持ちの気分にならる。

    下巻も楽しみです。

  • 三世代にわたる物語。最初は「はぁ?」て感じで失敗したかと思ったけど、読み進めるうちに引き込まれました。 一般的な価値観から言えば変わった家族なんだろうけど、お互いを思いあって結びついていて、こんな家族いいな、と思う。

  • 長編だけど各々の章が短編のようで読みやすい。
    章ごとに年代と一人称の人物が切り替わるので、飽きない。

    さらに年齢によって文体も変わるので、『アルジャーノンに花束を』彷彿とさせる。

    「別れるとき淋しくて、一緒にいて愉しく、信頼できて、単純に好きだと思える人、言葉にしなくても、互いにそれがわかっている人。
    それをもし親友と呼ぶのなら、私のそれは、野村さんかもしれない。」

  • 「なんでも好きなことをすればいい、ただし僕の手のひらの上で」


    駅まで送ってしまうと、帰り道が危ないという理由で、岸部さんは決まって私をアパートまで送ると言いだす。抗議しても無駄で、事実私たちは――おそろしく馬鹿馬鹿しいことだが――夜道を何往復もしたことがある。話し足りなくて、あるいは、別れがたくて。最近では、駅から一度ひき返し、半分まで来たところで互いに手を打つことになっている。きょうはそれを省いた。時間をかければかけるだけ、淋しくなるからだ。

  • まいど、一瞬主人公がわからなくなるところから始まる。
    語り部が一人じゃないのは読みづらさはあるけど、とても楽しく感じる。

  • 自分の中で感情とか状況の把握とか迷いない判断とかを整理整頓できない人ほど芸術が必要なのだ。そうやって外の世界を吸収したり発信したりするやり方で世の中との接点を作る。
    んじゃないかなあと思いました。

    ある一族の世代を超えた物語。といえばガルシアマルケスで桜庭一樹で。全然興味なかったけど読んでみようかなあ。
    江國香織さんの書いた本の中でも私は好きなものと嫌いなものがはっきり分かれるけどこの本は好き。
    基本的にエッセイが一番好きで小説、短編集は苦手だったけど(きらきらひかる、は特別で大好きでものすごく泣いてしまう)、好きな本リストに一冊加えられました。

    異質なものを排除しようとする動き、そうされることに対する過剰反応はもうほとんど暴力で読んでいて辛かったけど、その分幸せな家族の風景の描写が際立って心が暖かくなりました。冬に読む本だな。

  • 東京・神谷町の広壮な洋館に三世代十人で暮す柳島家。子供たちは学校に通わず、家で家庭教師に勉強を習うという生活を送っていたのに、急に4人兄妹(女、男、女、男)のうち3人が親の命令で学校に通うことになるのが第一章です。

    ちょっと風変わりな大家族の物語。語り手は主にこの家族の誰か、ですが時々その家族にかかわっている他人の目で語られることもあります。一人称の上、語り手は名乗らないし、時系列で話が並んでいるわけじゃないので、最初は戸惑いました。誰の話か、わからないんだもの。
    でも、巻頭にある家族の紹介を読んで、何話か読んでいると自然にわかるようになりました。
    確かに変わった家庭の話ですが、派手な話はあまりないので好みが分かれると思います。

  • 時代遅れの教養ある家族のお話。
    その教育指針や人生への態度は、世間一般に許容されるものでは決してないが、こちらの方が実は正しいのではないかと思わせられる。

  • わたしたちの回り道をきいてくれますか。

    時間軸もばらばらで、語りも一章ごとに交代する。最初の「一九八二年 秋」小学二年生の陸子の章で、この家族が普通じゃないことはわかる。読み進めていくうちに、浮世離れしたこの家族の、世間とのずれた「幸せ」がみえてくる。

    閉ざされた世界で、関わってしまった人を巻き込みつつ、変わらないで生きていく一家が不思議。

  • 家族の歴史と愛

  • 昭和くさい懐かしさがある。
    子供時代をふと端々に思い出してしまった。
    子供の残酷さや日本人のいい意味でも悪い意味でも日本人らしさを書かせるとこの人がすごいのは、きっと子供でも子供らしからぬ視点を持っていて、日本人でも外国人的な視点を持っているから客観的に浮き彫りにできるのだと思う。

  • 章の一つ一つが独立して登場人物が変わるのに慣れるまでしばしかかった。小学校へ行くことになった陸子たちの描写に慣れた頃にはもう違う主人公。年代別・季節の別。自分の年齢に照らし合わせても入ってこない。江圀さんの描く小説の魅力を持ってしても入ってこない。つまらないのではない。

  • 江國香織さんの本の中で一番なくらい大好き。

  • 今のところ面白いより圧倒的に気持ち悪いとつまらないが勝つ。
    時系列ぐっちゃぐちゃだけど何年か書いてあるからまだ読める。
    下巻に期待。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに・かおり):1964年東京生まれ。1992年『きらきらひかる』で紫式部文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、07年『がらくた』で島清恋愛文学賞、10年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文学賞、12年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞など数々の文学賞を受賞。他の小説作品に『つめたいよるに』『神様のボート』『東京タワー』『抱擁、あるいはライスには塩を』『彼女たちの場合は』『去年の雪』『ひとりでカラカサさしてゆく』『シェニール織とか黄肉のメロンとか』『川のある街』など多数。『絵本を抱えて部屋のすみへ』『いくつもの週末』『雨はコーラをのめない』『旅ドロップ』などのエッセイ集や詩集・童話・翻訳など多彩なジャンルで活躍。 

「2024年 『読んでばっか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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