幻の翼 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1382
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451672

作品紹介・あらすじ

かつて能登の断崖に消えた“百舌"が工作員として再び日本に潜入した──。病院で起きた大量殺人と突然の捜査打ち切りに政治的陰謀を感じた公安の倉木は、独自の捜査を始める。(解説/北方謙三)

感想・レビュー・書評

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  • 前作「百舌の叫ぶ夜」で語られた、稜徳会事件の捜査を、警視庁が突如打ち切ることにしたという新聞記事の記載に続き、国籍不明船が夜の闇に紛れて、「シンガイ」と名乗る日本人を日本に上陸させるシーンから、本作は始まります。

    このプロローグだけでも、この本を読むために、ただ一つ重要なことはわかりますよね。
    『必ず「百舌の叫ぶ夜」を読んでから読みましょう』ということだけです。
    前作同様、一気読みしてしまうほどの興奮が待ち受けています。

    それにしても、これがテレビドラマ化されたってのが信じられへんなぁ。
    再現度合いにもよるけど、このエグさとエロさを地上波でやったってのが。

    近所のレンタル屋で在庫があるのは確認したんで、いずれゆっくり見てみよう( ´艸`)

  • 前作から約1年後の話。稜徳会の病院で起きた事件の捜査は打ち切られ、関係者がほとんど死亡、物的証拠も残っていないことから事件は闇の中へ葬り去られようとしていた。しかし、あの事件を現場で目撃していた倉木、明星、大杉の3人に加え津城らが秘密裏に事件の真相を追い続けていた。

    森下に命じられて事件を必死に揉み消そうとする連中らの、辻褄が合っているようで合っていない無茶苦茶な行動が気になる。それでよく今まで隠せていたなぁ…ロボトミー手術で相手を無気力にさせて口封じという発想は面白かったです。



    そして、あらすじから気になっていた“百舌の復活”については、最初はとてもワクワクしたけれど、あまりにもこじつけ感が強くて素直に受け入れられなかった。『百舌の叫ぶ夜』での“百舌”という存在の作用は、敵でも味方でもないがバランスの取れたイレギュラーな存在として事件を掻き回してくれるから、読んでいて不思議な痛快感が感じられた。けれども、今回においては純粋に倉木たちに事件のその後を追ってもらいたかったし、ストーリーの進行的に「百舌の復讐」と名付けて邪魔な登場人物を都合よく片付けてしまいたい。みたいな風にも感じられて少しだけ残念でした。



    明星美希が倉木にゾッコンで「恋は盲目」とはまさにこのことかと言わんばかりに、あの大杉が心配するほどの暴走をしていたのは可愛かった。時々挟まれる皮肉交じりのジョークも、彼女の過去に一体何があったのか、とんでもない口調で恐喝する場面など意外な一面を見られたのは良かったです。

    娘や美希を助けるために、今までは猪突猛進タイプだったのが一旦ブレーキを掛けて冷静に考えてみたり、敵に挑発されても罠だと見破れるようになったり、客観的な視点を持ちながらもいざという時はとことん正面突破で行動を起こしていく。大杉が今作の主人公であり、MVPでした!

  • もはやこの作品は倉木尚武ではなくダークヒーロー百舌 が一番の主役であろう。読みながら、いつ百舌は出てくるんだ?いつ百舌は悪い奴を叩きのめしてくれるのか?と期待してしまう。
    北朝鮮の工作員の話は、この本の発売当時1990年にどのくらい世間で報道されていたのか。当時子供の私は知る術もないが、2002年の日朝首脳会談の12年前にこんな小説があったことに驚きです。

    百舌の叫ぶ夜 ほどの衝撃はありませんが、次の展開が気になり手を止めれなかった。
    明星美希 の人間味が出ている作品でした。また、大杉良太 の娘を守るための行動が良かった。倉木は…

  • さすがに時代を感じるが、面白いのは確か。
    ロボトミーとか、どうよ?って感じだけど。
    それにしても、命張りすぎっす。
    ツキさん、憎めないキャラだけど、ちょっと嫌いになりそう。

  • 11月-10。3.5点。
    百舌シリーズ第二弾。死んだはずの殺し屋が、北朝鮮スパイとして、来日。
    前回事件のあった病院を舞台に、事件が。

    さすがに面白い。一気読みできた。
    津城が冷たい気がするが。。
    次作も期待。

  • 百舌シリーズ第二弾。またもや、読みごたえたっぷり。世界観としては、前作同様、時代を感じさせなかったけど、、ここでロボトミーとは!精神科医料の部分は悪い意味ではなく、さすがに時代を感じました。

  • いやー面白い。
    読み終わるまで眠れなくて寝不足。

  • 百舌シリーズ第2弾。

    1作目で断崖絶壁から転落して死んだはずの百舌兄が現れる。
    しかしそれは北の工作員が扮しており、偶然にも本物もまた奇跡的に生還して、北の工作員として日本に侵入していた。

    変わって主人公の倉木はある病院の大量殺人に政治的な背景を察知し、新聞社にリークしようとするが。

    それぞれの思惑が複雑に交わっていくハードボイルド作品です。
    個人的にはテレビドラマから入ったので、ドラマとの違いに驚きます。

    ですがハードボイルドもので本1作目で読んだ方にお薦めの作品です。

  • 百舌シリーズ2作目。前作で能登の断崖から消えたはずの新谷(兄)が復讐を誓い再び登場。北朝鮮の工作船に拾われたとは、なかなか面白い設定。
    ただ前作に比べれば、あまり強烈なインパクトは無かった。その分、精巧に練り上げただろう緻密な展開が増していて、そこからも新谷兄のより激しい憎悪と復讐心を伺い知ることができる。
    倉木、大杉、明星の必要以上に体の張った捜査も緊迫感があってヒヤヒヤさせられた。
    倉木と明星の結婚、大杉の警察官辞職とこれからもまだまだ新たな始まりがありそうな予感。

  • たまらんな、このシリーズは。二つ目でもうお腹いっぱい。死んだはずなのに北朝鮮の船に助けられそのまま北へ行き、スパイの訓練を受け日本に戻る。そして弟の仇を討つ。同時に警察の悪い奴らをとっちめるんだけど、ラスボスが大臣ね。倉木も死にかけるし。

    しかし、女性がいると結構エロい事されるよね。出てくる奴ら大体悪者だしね。仕方ないね。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。’80年『暗殺者グラナダに死す』でオール読物推理小説新人賞を受賞。『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会賞の三冠受賞。

「2018年 『熱き血の誇り(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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