砕かれた鍵 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451689

作品紹介・あらすじ

警察官が関与する事件が続発した。警察庁特別監察官・倉木は、警察内部で巨大な陰謀が進んでいると踏み、捜査を開始する。その結果、“ペガサス"という謎の人物にゆき当たるが……。(解説/香山二三郎)

感想・レビュー・書評

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  • この本が面白いのは間違いないところで、茫然自失のラストを目の当たりにして衝撃に打ちのめされつつ、実は続きとなる「よみがえる百舌」と「鵟の巣」も読み終えておりまして、個々の面白さはいうことなし!

    ただ、「百舌の叫ぶ夜」や「幻の翼」と同列に、これらを百舌シリーズとしてもいいのかという思いがふつふつと湧いてきております。
    主要な登場人物は引き継がれており(
    そしたら倉木&大杉シリーズではどうだ!?)、彼らも無関係ではいられぬ巨悪の陰謀という背景設定も引き継がれてますが(あるいは巨悪の陰謀シリーズ!?)、シリーズ名がそぐってないという、(ある種どうでもいい)モヤモヤはありますね(^◇^;)

  • 「砕かれた鍵」
    MOZUシリーズ第3弾。


    MOZUシリーズとしては第2弾「幻の翼」で稜徳会事件は一段落した中、今回倉木達が挑む事件は、デカすぎます。


    麻薬密売を内偵中の警部補が殺害された一件から続く警察官絡みの事件が続発する。巨大な陰謀と闇が潜む事件のうねりは、倉木夫婦をも飲み込む。うねりの奥底には、警察官のモラル低下や労働組合結成、公安庁設置、そして民政党を巡る争いと警察組織に根付き蔓延る問題が埋まっているのだ。


    そして、今回の事件は今後を左右する大きなターニングポイントになっています。百舌とは違う種の狡猾非道さを持つ殺人者とそれを支えるもう一人の犯人と倉木達の死闘は、MOZUシリーズの中では最も危険で最も悲しいものとなっており、倉木の決心、美希の執念、大杉の愛情とどれも特大のインパクト。特に倉木と美希に関しては、イメージ撤回で謝らねばならない。それくらい2人のアイデンティティの強さを感じる。


    因みに、前作に続く倉木と美希の情交場面や美希の異常な性愛嗜好は、ジェームズ・H・チェイスに倣ったからなのですね。ハードな戦いや倉木のサディスティックな暴力も同様にチェイス趣向が盛り込まれたからとのこと。この趣向が早く続きを読むよう強烈な暗示をかけることに一役買っているのは間違いないです。


    読了後、思ったのはドラマ基準のMOZUシリーズとしてではなく、作者定義の公安シリーズとして捉えるべきだと言うこと(いや、そもそも公安シリーズが正しいわけで、こっちのアレなんですけどね)。


    秘密工作員のように謎めき情報を得難い公安警官キャラを主人公に据え、警察組織の矛盾と戦う。一匹狼じゃないと面白くないと考える作者の気持ちが倉木に乗り移っている。だからこそこれだけの吸引力があるシリーズなのだろう。これ読んじゃったら次を読まざるを得ない。

  • これまたハードな展開である…ハード過ぎでしょ?

    そして、そして……げげーん!!
    こんなラストが許されていいんだろーか!?

  • 12月-9。3.0点。
    百舌シリーズ。難病を抱える倉木不在の子供。入院中に事件が。復讐を誓う妻と、冷静に捜査しようとする倉木警視。
    政治を巻き込んだ、大事件に発展していく。

    スピード感はさすが。但し、事件のスケールが大きすぎる気がした。
    次作も期待。

  • 百舌シリーズ第三弾。えーーーー!?と、思わず声に出してしまいました。今でもまだ受け入れられてないくらいです。。

  • 怒涛の結末。

    シリーズ物をランダムな順番で読んでいるので結末が分かっていたりするのだが,それでも面白くて一気読み。

  • 百舌シリーズ第3弾。

    夫婦となり子も産まれた警察庁特別監察官の倉木と美希。
    辞職後探偵となった大杉と難事件に挑む物語。

    序盤から難病を患う子が爆弾事件に巻き込まれ復讐に燃える美希と、表向き家庭に冷たいが家族思いで燃ゆる漢・倉木。
    そして暴走する美希を心配する大杉。

    前作より環境が変わり、新しい視点でのシリーズでした。
    やはりこのシリーズは面白いですね。

    過去作品を読んでまた熱くなりたい方にお薦めの作品です。

  • 百舌シリーズ3作目。主要な登場人物にあまり変化はないにせよ、1・2作目とは違った雰囲気がある。それは結婚、辞職と倉木・明星・大杉の3人の配置の転換が物語の雰囲気をうまく変えているような気がする。ある種、前作とは別物とも感じられるシリーズ3作目。
    謎めいたシーンや入り組んだ展開にどうラストになだれ込んでいくのか非常に気になった。様々な展開を見せる終盤、散りばめられていた伏線が繋がり出す瞬間がたまらなく良い。
    そして悲劇の結末。シリーズにもまた新たな転換がありそうだ。

  • おお、倉木警視…!
    相変わらずハードだったし、夫婦のすれ違いがモヤモヤしたけど、実はすれ違ってなかったとか。
    大杉さんタフガイで格好いいとか。
    衝撃のラスト、今後はどうなる?

  • 序盤から突き刺さるような場面が続く。
    生まれてきた我が子は難病に侵され、高額の治療費を工面するためにすでに借入額を超えているにもかかわらず、再度借り入れを申し入れるが断られる。
    病院で我が子の面倒を見てくれている母は父親としての倉木に不満があるが、忙しい中病院に見舞いに訪れていることを知り、久しぶりにあたたかな気持ちになる。
    が、我が子も母も、何者が仕掛けた爆弾によって命を奪われる。
    ターゲットは別人だったが、よく似た名前だったために間違われたのだ。
    復讐にもえる美希。
    暴走しそうな美希を何とか抑えようとする倉木。
    美希の態度に不安を覚える大杉。
    理不尽に奪われた我が子を思い、暴走していく美希の心情はわかる。
    だが、公安での経験もあるわりに、安易に罠にハマッていく様子がいまひとつ納得できなかった。
    焦りもあったのかもしれないが、結末に結びつけるための少々強引な展開が気になった。
    それにしても、こんな結末になっているとは…。
    「えっ??」と絶句してしまった。
    そっか、そうなんだ…。
    最後のあれは必要だったんだろうか?
    あの出来事のために、何となくすっきりとしない後味の悪さが残ってしまった。
    「許してくれるだろう」って、まだそれほど日が経っていないはずなのに意味がわからなくなってしまった。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。’80年『暗殺者グラナダに死す』でオール読物推理小説新人賞を受賞。『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会賞の三冠受賞。

「2017年 『十字路に立つ女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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