マスカレード・ホテル (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 1123
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452068

作品紹介・あらすじ

都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場としてあるホテルが浮上、ターゲットも容疑者も不明のまま、警察は潜入捜査を決定する。東野圭吾の最高に華麗な長編ミステリ! 新シリーズ、スタート。

感想・レビュー・書評

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  • これは実に面白かった。東野圭吾の作品は以前読んだことがあったのだが、余り面白くなかったのでそれ以後読んでいなかった。読まない理由に超流行作家ということもあった。私がへそまがりだということと、図書館の棚にほとんどなかったから。さすがに売れるだけのことはある。文章力がある。描写が的確で自然だし、登場人物の描き方もいい。今回の作品では、ホテルのフロントクラークの山岸尚美にぐっと感情移入させられる。もう一人の主人公の新田刑事は、ちょっと危なっかしく描かれていて、はらはらする。
    連続殺人の次の事件がホテルで起こるかもしれないので、刑事たちが客だけでなく、ホテルマンにもなって潜入するという筋だが、ホテルの様子が実に上手に描かれ、事件の仕組みもよく考えられている。御見それしました。

  • 東野圭吾『マスカレード・ホテル』集英社文庫。

    貰い物の文庫本。東野圭吾の作品は面白いのだが、何故か余り自ら進んで読もうとは思わない。恐らく読むのは5作目くらいではなかろうか。

    新シリーズの第1弾。設定が奇抜で、ストーリー展開が何よりも面白い。ホテルに宿泊する様々な人びとが起こすトラブルに、いよいよ犯人かと身構えれば空振りに終わり、その人の人生の一幕が描かれる。それでも捜査は進み、着実に事件の核心に迫るのだが……

    都内で発生した連続殺人事件。犯人も次に狙われる人物も不明のままに、事件現場に残された暗号から次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということだけが判明する。警視庁捜査一課所属の若きエリート刑事・新田浩介はホテルマンに成りすまし、ホテル・コルテシア東京で潜入捜査に就く。新田刑事を新人ホテルマンとして指導するフロントクラーク・山岸尚美は少しずつ新田刑事の捜査に巻き込まれていく。

    そして、見事な結末。

    本体価格760円
    ★★★★★

  • 都内で3件の不審な連続殺人が起きる。
    事件現場に残された数字の羅列から、次の犯行現場が「ホテル・コルシア東京」だと予告された。
    警察は事件を未然に防ぐため、捜査員たちをホテルのスタッフになりすました潜入捜査を行う。
    そしてホテルを訪れる不審な宿泊客の監視を命じた。

    —————-

    一流ホテルのフロントスタッフである山岸尚美のもとに、若い警察の新田浩介が配属された。

    ホテルマンには見えない威圧的な態度や、振る舞いに山岸は頭を抱えながら、一流のフロントスタッフに見えるように指導していく。

    新田は慣れない業務に悪戦苦闘しながらも、きちんと仕事をこなしていく。
    警察官ならではの鋭い観察眼を持ち、ホテルに訪れる不審な客への対応は流石の一言だった。


    ————-

    「お客様がルールブック」と言い、完璧な対応をするホテルスタッフには感心するばかりだ。

    良からぬことを考えたり、わざと迷惑をかける客には憤然たる思いだが、新田の鋭い嗅覚で事件性を見抜いたのにはスッキリした。

    最後の犯人が分かるシーンでは、日常に潜む危険がいか恐ろしいかを思い知らされる。
    犯人が、事件現場を視察しに来ていたのにはゾッとした。
    いい話だと思って読み流していたものが、ここにきてこんな展開になるなんて驚きを隠せない。

    最初から最後まで、どの話も興味深かった。
    事件の謎が解けていくのも面白いが、ホテルスタッフの振る舞いをみて学ぶことが多かったなと思う。

  • ホテルの少しだけ日常から離れた、特別な雰囲気が好きです。ホテルのロビー、少し頑張ってホテルのお店で食べる食事も、独特の雰囲気があります。

    旅の途中のご家族、おしゃれな年配のご夫婦、楽しげなカップル、皆それぞれの思いを背負って、同じ場所、同じ時間をともにして、明日にはまた違う日常に戻っていく。

    そんな素敵な場所を支えてくれるホテルマン達の側に立ったミステリーだけに興味を惹かれました。ホテルマンの山岸尚美と新田刑事とのコンビの活躍と、ホテルの舞台設定が面白く、厚めのボリュームも集中して読めました。

    連続殺人の関係をつないでいく構造は、現代ならではの構造か。犯人は誰だ?というミステリーというよりは、ホテルという特別な空間に集う人々の姿の裏に真実ありといった感じです。まさに題名のごとく”マスカレードホテル”。

  • 前々から気にはなっていたのですが、
    ちょっとしたきっかけで、手に取ってみました。

    いや、面白くて一気に読んでしまいました。

    舞台は都内のとある一流ホテル「コルテシア東京」、
    そこに刑事が潜入捜査に来るところから物語が始まります。

    捜査の目的は公開されていない“連続殺人事件”。
    主人公は一組のコンビ、妙齢の男と女。

    その一人は若き刑事・新田浩介、
    一人は優秀なフロントクラーク・山岸尚美。

    日頃から人を疑う事を仕事としている刑事が、
    常にお客を優先させるサービス業に携われるのか、、

    最初は何ともバタバタした道行きで、
    時にお客と喧嘩寸前まで行くような流れなのですが、

    業界は異なれど、二人共に仕事に対する想いは真摯、
    そんな姿勢が、お互いの仕事に化学変化をももたらします。

    どちらも“人の仮面”と対峙するのは同じだな、と。
    それを暴くのか守るのかの違いはありますが、、

    ん、個人的には事件の“伏線”に見事にヤラレマシタ。
    なるほど“こう来たか!”と、、ふーむ。

    最初は反目しあいながらも徐々に、というのは王道。
    終盤はニヤニヤしながら、読み進めてしまいました。

    シリーズ化されるとのことですので、
    これからも楽しみですね~、、次はどうなるのでしょうか。

    あと、所轄の能勢さんがいい味だなぁ、と。
    こんな風に伸ばしていける人になりたいな、なんて風にも。

  • 都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?いま幕が開く傑作新シリーズ。
    「BOOKデータベース」 より

    一気に読んだ.
    ホテルに行くときは「仮面を被っている」という表現には、なるほどあたっているなぁと感心.ホテルへ行くという行為は非日常だ.その非日常を気分よく過ごせるように配慮するのがホテルで働く側の仕事.これができているところとできていないところで一流とそうでないところの差は生まれるのだろう.
    人間どこで他人の恨みを買うかわからない.誰かのためを思うと、それは他の誰かのためにはならない.記憶は、常に”被害を被った”と感じる方に強烈に残るものだ.実際にありそうな話だなぁと思った.
    マスカレード・イブを読んだ後だと、新田くんの成長ぶりが良く分かる.

  • 映画を先に見て、翌日に小説を書いました!笑

    映画も面白かったけど、小説も面白かった。

    長編だけど、ほとんどムダがなかったかなって思う。
    短編の様な長編ですね。

    ちなみに、コルテシア東京のモデルが
    職場の窓から毎日見ていたホテルとは
    知らなかった!笑

  • さすが、東野圭吾。安定感がある。

  • 「お客様は神様ばかりではありません。悪魔も混じっています。それを見極めるのも、私たちの仕事なんです」そう言って、彼女は口元を緩めた。(51p)


    こういう視点が、このシリーズの全てなのかもしれない。私も、まさかスキッパー(無銭宿泊者)を、ホテル跨いでブラックリスト化しているとは知らなかった。もちろん、名前は次々と変えて行くだろうが、それでもキチンと目を付けることの出来る推理力が必要なのである。もちろん、ホテル特有のサービスは落とさずに、である。


    帯には「映画化決定」とある。山岸尚美役に長澤まさみは、アラサー女優の代表格だからうなづけるとしても、刑事の新田に棒読み男優を持ってくるのは、勘弁して欲しい。ま、決定したことだから今更言っても仕方ないのではあるが。映画化に当たっては、犯人云々よりも、ホテルの知られざる「裏側」という処に、焦点が行くのだろうな。


    あまりにもスラスラ読めるので、シリーズ化されるとついつい読んでしまいそうになるけど、例えば「偽名を使うこと自体は罪とは言えないからな」(154p)と、現職刑事が言うのはどうかと思う。あれって、軽犯罪法違反だったのではないかしら。その他いろいろ設定が甘いじゃないかと云うのもあって、時間潰し用の候補作にあげて置く。


    2017年11月読了

  • 「マスカレードホテル」
    東野圭吾さん

    読み終えるまで一日とかからなかった小説です。
    映画の公開前に原作をと思い、手にしました。

    スキー場、樹海、原子力発電所、本屋、ホテル。

    東野圭吾さんの小説は、舞台となるシーンが豊富なことも魅力の一つです。

    さて、マスカレードホテル。
    映画ももちろんですが、原作も、
    え、え、え、あと、数十ページで決着、、、どうなるの?? と興奮と戸惑いを抱えながら楽しめる世界です。

    読書の秋。
    ホテルに旅した気分にもなるツーリズムブックとして是非。

    #読書好きな人と繋がりたい

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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