マスカレード・イブ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452167

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。
    一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、
    一人の男に目をつけた。
    事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。
    殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。
    お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。
    二人が出会う前の、それぞれの物語。

  • 「マスカレードホテル」に続くシリーズ第2作目。順番としては続作になるが、タイトルにある『イブ』からもわかるように、内容は前作「マスカレードホテル」の主人公2人・新田浩介と山岸尚美が出会う前のそれぞれの話しである。

    私は、フロントクラーク・山岸よりも刑事・新田の方にどちらかといえば思い入れがあるので(スクリーンでは、新田役は木村拓哉さんで、ハマっていると思ったのが理由)、今回2つ言いたいことがある。

    1つ目は、なんと言っても仕事の足を引っ張る彼女の存在。
    2つ目は、理解、配慮に乏しい生活安全課の穂積理沙とペアを組むことになったこと。
    理沙に『お願いだから、足は引っ張らないでね』と終始祈る気持ちでページをめくった。

    本作のキーワードは、公式サイトで以下の通り。
    「尚美が気づいた、昔付き合っていた彼の仮面」ー『それぞれの仮面』
    「新田が騙された女の仮面か。」ー『ルーキー登場』
    「お客様の仮面を暴いてはいけない。」ー『仮面と覆面』
    「アリバイという仮面を暴け。」ー『マスカレード・イブ』
    (集英社 マスカレード特設サイトCMより)

    本作に共通するキーワードは、『仮面』。 
    (これはシリーズを通して共通するキーワードだ。だから、全ての表紙に仮面が描かれている。)

    人は確かに仮面をつけている。ただ、私の考えとしては、一人の人間において多種多数の仮面を持っていて、遭遇している状況、例えば、対人、環境、心理等により色々と仮面を付け替える。なので、ホテル用の(と、言っていいのかわからないが)仮面をら剥がすというのではなく、ホテル用に仮面を付け替えるイメージだ。
    きっと、これは以前読んだ『分人』という考え方に影響を受けている。そして、そもそも作者が考える『仮面』の考え方自体が、『分人』と同じであると思った。でもそれは、それは『覆面』かもしれない。もし、素の自分を隠すと言う設定なら、『覆面』という言葉の方がぴったりとくる。そんなことに考えを巡らせ、仮面と人の心理について読みすすめたためにストーリーの展開を追っていくことよりも疲れてしまった。

    一流ホテルは、宿泊客に非現実的な空間を提供する。宿泊客は、その非現実的な空間との勝負のために『仮面』を着けるのだと思う。私の場合であれば、それはホテルに入っ時に感じるあの緊張感のせいである。


    それぞれの仮面
    ホテルマン・山岸尚美とかつて付き合っていた宮原隆司がホテル・コルテシア東京に宿泊に来る。

    ルーキー登場
    ランニング中に料理教室を主宰する田所美千代の夫・田所昇一が殺害される。美千代に好意を持っていた料理教室の生徒・横森仁志を刑事・新田浩介が疑う。

    仮面と覆面
    正体未知の人気女流作家・タチバナサクラ(玉村薫)は高校生。中間試験と重なり執筆活動をホテル・コルテシア東京で父・玉村ソウイチと共に秘密時に原稿製作を行う。ファンの執拗な追いかけから逃れるための画策に尚美が活躍する。

    マスカレードイブ
    大学教授・岡島孝雄の殺害で准教授・南原定之が捜査線上に上がる。一方で、美容サロンを経営する畑山玲子の父・畑山輝信の殺害が未解決となっていた。2つの殺人の関係性を刑事・新田が暴く。

    個人的には前作のマスカレードホテルの方が面白かった。ふたりがペアを組む前なので、ふたりの絡みがない。そのため、物語の展開は良しとしても、華やかさに欠けていると感じたからだ。

  • マスカレードシリーズ第二弾。短編で読みやすかったが、複雑な謎の解明はなかったかなー。圧倒的に第一弾と第三弾の方がハラハラ感があってさらに謎解きが多くて面白い!敢えて第二弾は短編で読みやすくなっているのか…。ついさっき、予約していた第四弾のマスカレード・ゲームを手に入れた!!読むのが楽しみー!

  • 「マスカレードホテル」の前日譚。
    キムタク、長澤まさみ、いやいや、新田浩介、山岸尚美、それぞれの職場での活躍というか成長を描いてるんかな。
    刑事もホテルマンも、人間を観察して、推測して行動するというのは同じなんかな?と思わせる。
    どちらも優秀な2人なら、尚更。
    この2人が、コンビを組んで事件に挑めば解決しそうだと思うな。
    ただ、この小説の中では、それぞれバラバラのエピソード。
    徐々に、会う機会が近づきつつ。

  • 数日前に読み終わったマスカレード・ホテルの
    勢いで。

    数年来の積読を読んでやったと
    思っていたら、読み進めるうちに
    「あっ、これ再読だわ。なんとなく
    この話知ってる。」
    となり、結果やっぱり読んだ本だった。

    先日読んだばかりのマスカレード・ホテル
    なので、改めて東野圭吾さんの
    伏線の張り方に驚くばかり。

    新田刑事と山岸さんが過去から繋がって
    いたなんて驚き。

    さて、マスカレード・ナイトも
    積読だと思っているのだけれど
    やはり再読だったりして。
    折角だから、続けて読むしかないな。

  • マスカレードホテルと一緒に購入したが、こちらを先に読んでも大丈夫だったかもしれない。
    二人が出会う前のお話。

  • マスカレードホテルの読後直ぐに読んでみた。短編集で大きなトリックも無く、人間の仮面による行動を中心としたお話し。前作のずっと前からの話しであり、前作同様に長澤まさみとキムタクに置き換えて読んでしまう。二人とも若くて生意気盛りの時代であり、上司や周辺に煙たがられながらも成長してゆく姿がカッコいい。3作目も早めに読もうと思う。

  • マスカレードホテルのエピソードゼロ。

    エピソードゼロだからこそ出来る、
    未来への繋がりがあり、
    マスカレードホテルが好きなのでとても
    楽しめました。

    ホテルより先にイブを読んでいても、
    面白かったと思います。

    もっとこの2人の色々な話が
    読みたいな。

  • マスカレードホテルに続き読了。普通なら思い付かないトリックに脱帽!今回も山岸尚美と新田浩介の活躍ぶりに気持ちよく読めた。新人の穂積理沙の登場もありシリーズ化するなら今後も出てきて欲しいと期待してしまう。

  • やらかした^^;

    積読になっている本の中にマスカレード・ホテルがあるにもかかわらず、本作から読んでしまった(汗)

    本作はホテル・コルテシア大阪を舞台に描かれた4作が収められていたが、どの作品も山岸尚美の洞察力に自然と引き込まれる。

    一方で東京でおこった殺人事件の捜査を行う新田浩介が目をつけた男は事件当夜は大阪のホテルにいたと主張する。

    自らの潔白を証明するにはホテルにいた事を証明すれば済むのだが、何故か男はかたくなにホテル名を明かす事を拒む。

    そこまでして男が守らなければならない秘密とは...

    なるべく早くマスカレード・ホテルを読もう!(笑)


    説明
    内容紹介
    ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾のミリオンセラー。

    第1話『それぞれの仮面』
    山岸の元彼登場。部屋から消えた女を探せ!
    第2話『ルーキー登場』
    ホワイトデーの殺人。新米刑事・新田が捜査。
    第3話『仮面と覆面』
    謎の“女流作家"の秘密をファンから守り抜け!
    第4話『マスカレード・イブ』
    舞台は東京と大阪。准教授の鉄壁のアリバイ。
    内容(「BOOK」データベースより)
    ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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