マスカレード・イブ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.56
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本棚登録 : 22205
感想 : 1539
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452167

作品紹介・あらすじ

ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「マスカレードホテル」の前日談で、山岸尚美と新田浩介は直接会うことはないし、ニアミスもないが、なかなかうまい具合に二人を事件によって交錯させている。短編が3つと中編が1つだが、事件も面白いし、二人の描写も巧みだ。新田は自信家で鼻持ちならないところがあるのだが、新田と組む新人女性刑事とのやり取りがいい。女性刑事の方を応援してしまうなあ。

  • イブってそういうことだったのね...。
    スピンオフのような4編ってところでしょうか。

    前作の興奮さめやらぬまま、あらすじを把握せず続けてこの本を読み始め、数ページ読んだ所で「あれ?読む順番間違った?」と思うような出来事...違うよ。ちゃんと「出会う前」って書いてあるよ。まあ、説明をよく聞かない人にあるある状況ですなー。うん、気にしない。

    とにかく話が途切れず、ずっとその世界が続いていく長編が好きなんだよー!ちょっと騙された感じー!(違う)さあ次だ!次だ!次の巻だ!

    でもね、最後の話は、2人のプロローグみたいで素敵な雰囲気でしたよ。

  • ★3.5

    ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。
    一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、
    一人の男に目をつけた。
    事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。
    殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。
    お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。
    二人が出会う前の、それぞれの物語。

  • 「マスカレードホテル」に続くシリーズ第2作目。順番としては続作になるが、タイトルにある『イブ』からもわかるように、内容は前作「マスカレードホテル」の主人公2人・新田浩介と山岸尚美が出会う前のそれぞれの話しである。

    私は、フロントクラーク・山岸よりも刑事・新田の方にどちらかといえば思い入れがあるので(スクリーンでは、新田役は木村拓哉さんで、ハマっていると思ったのが理由)、今回2つ言いたいことがある。

    1つ目は、なんと言っても仕事の足を引っ張る彼女の存在。
    2つ目は、理解、配慮に乏しい生活安全課の穂積理沙とペアを組むことになったこと。
    理沙に『お願いだから、足は引っ張らないでね』と終始祈る気持ちでページをめくった。

    本作のキーワードは、公式サイトで以下の通り。
    「尚美が気づいた、昔付き合っていた彼の仮面」ー『それぞれの仮面』
    「新田が騙された女の仮面か。」ー『ルーキー登場』
    「お客様の仮面を暴いてはいけない。」ー『仮面と覆面』
    「アリバイという仮面を暴け。」ー『マスカレード・イブ』
    (集英社 マスカレード特設サイトCMより)

    本作に共通するキーワードは、『仮面』。 
    (これはシリーズを通して共通するキーワードだ。だから、全ての表紙に仮面が描かれている。)

    人は確かに仮面をつけている。ただ、私の考えとしては、一人の人間において多種多数の仮面を持っていて、遭遇している状況、例えば、対人、環境、心理等により色々と仮面を付け替える。なので、ホテル用の(と、言っていいのかわからないが)仮面をら剥がすというのではなく、ホテル用に仮面を付け替えるイメージだ。
    きっと、これは以前読んだ『分人』という考え方に影響を受けている。そして、そもそも作者が考える『仮面』の考え方自体が、『分人』と同じであると思った。でもそれは、それは『覆面』かもしれない。もし、素の自分を隠すと言う設定なら、『覆面』という言葉の方がぴったりとくる。そんなことに考えを巡らせ、仮面と人の心理について読みすすめたためにストーリーの展開を追っていくことよりも疲れてしまった。

    一流ホテルは、宿泊客に非現実的な空間を提供する。宿泊客は、その非現実的な空間との勝負のために『仮面』を着けるのだと思う。私の場合であれば、それはホテルに入っ時に感じるあの緊張感のせいである。


    それぞれの仮面
    ホテルマン・山岸尚美とかつて付き合っていた宮原隆司がホテル・コルテシア東京に宿泊に来る。

    ルーキー登場
    ランニング中に料理教室を主宰する田所美千代の夫・田所昇一が殺害される。美千代に好意を持っていた料理教室の生徒・横森仁志を刑事・新田浩介が疑う。

    仮面と覆面
    正体未知の人気女流作家・タチバナサクラ(玉村薫)は高校生。中間試験と重なり執筆活動をホテル・コルテシア東京で父・玉村ソウイチと共に秘密時に原稿製作を行う。ファンの執拗な追いかけから逃れるための画策に尚美が活躍する。

    マスカレードイブ
    大学教授・岡島孝雄の殺害で准教授・南原定之が捜査線上に上がる。一方で、美容サロンを経営する畑山玲子の父・畑山輝信の殺害が未解決となっていた。2つの殺人の関係性を刑事・新田が暴く。

    個人的には前作のマスカレードホテルの方が面白かった。ふたりがペアを組む前なので、ふたりの絡みがない。そのため、物語の展開は良しとしても、華やかさに欠けていると感じたからだ。

  • マスカレードシリーズ第二弾。短編で読みやすかったが、複雑な謎の解明はなかったかなー。圧倒的に第一弾と第三弾の方がハラハラ感があってさらに謎解きが多くて面白い!敢えて第二弾は短編で読みやすくなっているのか…。ついさっき、予約していた第四弾のマスカレード・ゲームを手に入れた!!読むのが楽しみー!

  • マスカレード・ホテルシリーズ第二弾。
    こちらは主人公の2人が出会う前の人物紹介的な短編集になっています。

    どちらも木村拓哉と長澤まさみさんをイメージしながら楽しく読めました。

    なるほど、こんな感じで本編(マスカレード・ホテル)に続くのねーって感じです。

    オススメ!

  • 「マスカレードホテル」の前の時間軸。
    新田浩介と山岸尚美の新人時代の物語。
    各短編となっていて、それぞれ事件が発生していて。
    最後の「マスカレード・イブ」で面識なくても関りを見せていきましたね。
    各々独立した話だったけど面白く読めました。
    自分的には「仮面と覆面」が特にお気に入り。

  • 「マスカレード・ホテル」の前日譚。
    4つの話からなる短編集で、東野圭吾さんの本は「読むぞっ!」と時間をとって一気に読みたいものが多い中、こちらは少しずつ気負わず読めた。
    新田や尚美がまだ仕事に慣れていない様子が描かれていたり、他にも「マスカレード・ホテル」に出てきた人物が出てきたりして楽しめる。
    新田や尚美が既に洞察力鋭い。

  • 「マスカレードホテル」の前日譚。
    キムタク、長澤まさみ、いやいや、新田浩介、山岸尚美、それぞれの職場での活躍というか成長を描いてるんかな。
    刑事もホテルマンも、人間を観察して、推測して行動するというのは同じなんかな?と思わせる。
    どちらも優秀な2人なら、尚更。
    この2人が、コンビを組んで事件に挑めば解決しそうだと思うな。
    ただ、この小説の中では、それぞれバラバラのエピソード。
    徐々に、会う機会が近づきつつ。

  • マスカレード•イブ 東野圭吾さん

    マスカレード•ホテルの続編。
    東野圭吾さんの小説の特徴の最後の最後に繋がっていくシナリオ。

    マスカレード•ホテルよりも緊張感は低めかもしれませんが、どうなる?の期待感は変わらず。

    休日に読書ができること。
    読み終えて、満たされるひとときはありがたいことです。

    いつも思います。

    書き手の先生方、ありがとうございます!

    #読書の秋

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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