文庫版 虚言少年 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 312
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452242

作品紹介・あらすじ

親父臭く嘘吐きな健吾を語り手に、味のある面白さが取り柄の誉、変人だが弁の立つ京野の三人による、輝いてもいなければ大事件も起こらない小学生生活。京極夏彦が贈る〈非・青春小説〉。(解説/松尾貴史)

感想・レビュー・書評

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  • クラス内での、書き割り的位置を保ち続け、面白くて馬鹿な事を愛する小学生男子たち。
    兎に角、面白いです。

  • あーそうだよねー、そういう時代だったよねー、でもドン引くー!が正直な感想。たぶんこれは笑える人と笑えない人とわかれるだろうなぁ。私には合わなかった。祖母の名前だけが書いてある年賀状届いたら笑うよりも怖いわ。子どもの気持ちがわからなくなったのか…いやもうわからなくていいか…ある意味私は何を読んでいるんだ??となった本。主人公性格悪すぎじゃね???

  • オヤジ臭く、自他ともに認める嘘吐きの内本健吾。モテないのに女子ウケしないことばかりをし続け、味のある面白さを持つお坊ちゃまの矢島誉。人心を掌握する術と場を読む能力に長け、偏った知識を持つ京極達彦。「馬鹿なことはオモシロい」という信条を持つ小学生男子三人組が繰り広げる、甘酸っぱい初恋も美しい思い出も世間を揺るがす大事件もないが、馬鹿さと笑いに満ちた日々を描く7篇。
    (2011年)
    — 目次 —
    三万メートル
    たった一票
    月にほえろ!
    団結よせ
    けんぽう
    ひょっこりさん
    屁の大事件

  • こんなシニカルな小学生いないだろと思いながらも笑いが止まらなかった。くだらないことを追求する精神は素晴らしい。こういう仲間が欲しいなぁ。

  • どうしても京極夏彦の文章が読みたくなったので。
    ここまで詭弁だと気持ちいい。特に大事件は起きてないのにどんどん読んでしまった。
    ただ、もっと文章を堪能したいので早く鵺を出してほしい。

  • まさか小学生でここまでの極めぷりとは。
    小学生のサバイバルかけひきと昭和感と脱力が絶妙に面白い。
    頭の中では、都会のトムソーヤか耽美なわしら系腹黒美少年?に変換されますので。

  • 虚言少年。京極夏彦先生の著書。馬鹿馬鹿してくだらないけれど本当に楽しい作品。京極夏彦先生へのイメージが良い意味で変わる作品でした。虚言少年、京極夏彦先生のファンだけでなく、京極夏彦先生の作品をこれまで読んだことがない人にもおすすめです。

  • 小学生とは思えない語り口を、「大人語に翻訳」されていると最初に明記・説明することで、これは眉を寄せて真剣に読むべきものではないのだな、と肩の力を抜かせてくれる導入は見事。そこから軽快な言葉遊びで綴られる小学生のなんでもない日常は、実に愉快で小気味好く、彼らの時代を人伝に聞いて想像したことしかない私でも楽しく読むことができた。なにより、時代は違えど人間自体に変わりはないようで、ああこんな奴いたな、と共感できる部分も多数。だが、あらゆることに対する考察(スポーツと体育しかり、屁についてもしかり)は、彼らの口を借りて飛び出しただけの作者の思想そのもので、それは小説というより随筆に近いような、けれど対象が対象なのでやはり小学生の語り口で正解なのか、とにかく、なるほどそのような思考回路なのかと感心させられる。一見分厚い本だが、話の1つ1つが独立しているので短編としても楽しめるし、なにより飽きさせない、読みやすい語り口が素晴らしい。京極夏彦さんの作品は読みやすいものにしか手をつけていないので、次は作者の真骨頂の方を拝読させていただき、この落差を楽しみたいと思う。

  • バカな小学生に言寄せて、たっぷり下らないウンチクを書きたかっただけなんじゃないか。いや、楽しませて頂きました。

  • 長い…とりあえず長い。

    ケラケラ笑えるところがいくつかあって面白かった。
    ただ笑える。バカだなぁ~って。

    昭和の小学生の生活がひたすら書かれていて、元気だなぁ~と思った。
    昭和と言っても「こっくりさん」「ひみつのアッコちゃん」「ドリフ」などが流行っている時代の小学6年生。

    その年代に該当する方は読書ログにいるだろうか?

    本当に良い時代だなぁと思った。
    日本は昔のほうが断然良い気がする。
    人間らしいというか…なんか本物の繋がりがあって素敵だ。

    著者の京極夏彦さんは有名ですか?
    作家の中でも、彼は特に語彙数が多い。
    言葉をたくさん知っているんだなぁと心底思ったし色々な言葉に出会うことができた。

    昭和どころか、大正や明治の日本…昔になればなるほどしんみり、いいなぁ~と思う。
    それは平安まで遡る。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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