旅屋おかえり (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452259

感想・レビュー・書評

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  • 【いつの頃からだろうか、私には夢があった。この小さな島を出て、できるだけ遠くまで移動すること。海鳥のように、アザラシのように。】『たった一度きりでいいのです。娘のために、やっていただけませんでしょうか。-【旅屋】を』 旅屋、おかえりと共に、わたしも【心の旅】を。鉄壁社長にのんのさん。魅力的な登場人物と泣き笑い。【叩かれて叩かれて、強く、美しくなる】物語に出てきた一節に背中をとんっと優しく包み込まれるように押してもらった気持ち、『おう、行ってこい。そいでまた、帰ってこい。』

  • #読了 2022.3.10

    原田マハ作品は暗幕のゲルニカしか読んだこと無かったので、こーゆートーンの作家さんなのかなと思ってたけど、おかえりのような一生懸命で少し間の抜けたタイプの主人公も書くのかと少し意外だった。アート作品に対して邪魔にならない主人公もいいけど、主人公本人がメインになる作品ということもあってとても魅力的に書かれていました。
    NHKドラマになってるって聞いてなるほどと。主人公の一生懸命さとか旅行先のステキな景色とか一難去ってまた一難ってかんじとか。しっかりフラグが立って先が読めてしまうとこもあったけど起承転結を楽しく読めた。旅行がしたくなるなぁ。

    ただ個人的には登場人物の誰にも感情移入できなかったのでのめり込み度は低め。どの登場人物にも「なんでそーゆー行動・感情の変化になるの?」ってのがちょっとずつ見受けられてストーリー上の都合かなーと思ってしまった。

    最近は「頁をめくる手が止まらない!」みたいなミステリーやエッセイばかり読んでたので、本書はゆーったりダラダラ読めて良かった。
    個人的には本書にハマった!って感覚は無いんだけど、続編も読んでみたいなって気持ちにはなってる(笑)

    ◆内容(BOOK データベースより)
    あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった―。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。

  • 泣きました、ティッシュ3枚分ぐしゃぐしゃにするくらい泣きました…。

    他の方のレビューにもありましたが、原田マハさんの言葉は、私達読者の心にストンと落ちてくるような、素直で真っ直ぐなものばかりなのです。それらの表現が、今回は主人公おかえりの人柄とマッチして、色鮮やかな、鮮明な映像として物語を読み進めることができました。

    この物語では大きく2回分の旅が描かれています。どちらも旅の最初には、今までの旅が夢だったと思えるくらいのハプニングや問題が起きていくのですが、流石、旅屋おかえり。彼女の人柄や素直な気持ちによって、旅先で出会う方々の優しさや人情によって、素敵な奇跡を引き起こしていきます!✨2回分、優劣をつけられないくらいどちらも本当に素敵な旅でした。

    この本の何が良いって、この物語で出てくる人達全員から発せられる言葉全てが、びっくりするくらい心優しいんですよ。確かにすれ違いがあったかもしれない、でもその裏には絶対的な「人を想う気持ち」があって、それらが伝わっていなかっただけだったんです。おかえりは確かに旅屋ですが、それだけでなく、その伝わっていなかった想いを届けてくれるような、出会った人たちを素直にさせるような力があるんだなぁと思いながら読んでいました。

    「おかえり」っていう一言があるから旅に出られる。旅に出たくもなりましたが、「素直に生きよう」とも思わされた、本当に本当に素敵なお話でした。文句なしの☆5です!!

  • 元アイドルの丘エリカは旅番組のレポーターの仕事一本で何とか芸能界にしがみついていた。しかしそんな切れ端にすがるような仕事もスポンサーの機嫌を損ねてしまい、突然の最終回!?

    途方に暮れるエリカだが、逆境の境地にて旅屋という謎の仕事を始める!?

    依頼人、事務所の社長と秘書?、元番組スタッフ達を巻き込んだハートフルな物語!!!

    所々で涙腺崩壊必死!

    こんな時だからこそ、旅に憧れる!


    欲を言えば旅の話があと2、3本欲しかった。

  • 原田さんの作品は絵画だったり政治だったりと、舞台が明確なものが多いが、今回は「旅」。

    おかえりの旅にワクワクする気持ちが随所ににじみ出ていて、知らない場所や人と会う旅への不安が微塵も感じない。旅って楽しいよ!ってオーラ全開!おかえりの人柄?
    重い話もあるはずなのに不思議と明るく、楽しく読めた。
    これは駅内の本屋で売れるワケだよ(笑)

    おかえりの故郷の礼文島で、海の向こうにある世界に行きたいと思っていた憧れと想像力が、彼女の旅への原動力だった。
    そして今は旅先での出会い、美味しい食べ物、知らない街並みが、おかえりを旅へ向かわせる原動力になっている。
    番組打ち切りの憂き目に、「誰かの想いを背負って旅をする」という、好きな事を仕事にできたおかえり。
    好きなことをして誰かの助けになる、という旅行代理ならぬ、代理旅行で彼女は輝いている。

  • 旅好きの元アイドル、おかえりこと、丘えりこの旅に対する情熱と愛情が伝わってくる。さらに、旅を通して、人と人を繋ぐことを仕事にできるなんて、なんて素敵なんだろう❗️
    特に後半は涙なしでは読めません。

    そして、私自身、また旅に出たくなりました。

  • さくさく読める。原田マハさんの作品は3作目です。読みやすさとは、書き手が読み手のことを思いやる心から生まれるものだと思います。原田マハさんの作品はいつも読みやすく、私の心に響きます。

    旅屋おかえりの登場人物それぞれの気持ちや性格がよく現れていると思います。

    旅をしたくなる。おかえりって言ってもらいたくなる、言いたくなる、そんな本です。

    本って素敵ですね。
    文章だけで、人の心を動かすのってすごいです!!

    さて、次はどんな物語に出会おうかな。

  • 袱紗の中身がなんなのかおかえりと同じくらい気になって、一気に読み終えた。
    優しくて温かい物語でした。
    そして、まさかの行き着く先が高知県で一気に作品に愛着が湧きました。

  • おかえりと社長とのやり取りが心地よかった。
    初めはただの優しい社長として、最後は父として、
    悩んで苦しんでたからこその優しさだったのだと。
    最後の方は涙腺崩壊しました笑
    旅っていいなと、出会いって素敵だなと思いました。

  • はじめまして、原田マハさん。
    2年間気になり続けて、ついに読めた。
    言葉も物語もあったかい。
    旅行が大好きだから、首がもげるほど共感できて、旅行を仕事にできるおかえりさんにちょっと羨ましさを感じたり。
    旅行は、自分の経験として楽しんでいたけれど、旅屋おかえりを読んで、「人とのつながり」を強く深く感じられるものだと再認識もできた。
    色々なことに言い訳していないで、今年の夏は旅に出かけたいかも。

    ・叩かれて叩かれて、強く、美しくなる。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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