野蛮な読書 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.63
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本棚登録 : 362
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452372

作品紹介・あらすじ

一冊の書物から導かれるように読書の世界へ分け入っていく。野蛮なる読書の真髄と快楽を余すことなく綴った1年間、怒涛の103冊。食や暮らしのエッセイで人気の著者初の読書エッセイ。(解説/嵐山光三郎)

感想・レビュー・書評

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  • 第28回講談社エッセイ賞受賞作。

    最初のエッセイ『能登とハンバーガーと風呂上がり』の冒頭、京都土産のカステイラを箸で食べるくだりで、平松洋子流の野蛮の定義を披露し、そこからのサラサラと流れる小川のように読者を読書の世界に誘う手腕は見事である。衣食住や日常に絡めながら、紹介される本は103冊。この103冊のジャンルは様々であるが、いずれも旧作であり、実にお洒落な本ばかりである。相変わらず、食べ物の描写もお見事であるが、今回は平松洋子の知の世界というのも味わうことが出来た。

    平松洋子作品を最初に読んだのは、谷口ジローとの共著『サンドウィッチは銀座で』であり、この一冊で、平松洋子の美味しい文章の虜になった。もちろん、同じコンビの『ステーキを下町で』も読み、さらに平松洋子への興味が強くなったのである。

  • 読書エッセイを読むと、自分では興味を持たないような本の存在を知れるし、本の読み方を知れます。
    ”本は本を連れてくる”という表現に共感を覚え、この本は次にどんな本を連れてきてくれるのだろうかと楽しみに思いました。

  • 日常的に読書をしている人の生活に関するエッセイ。
    無理して読書をしているのではなく、自然と読書が入ってきている感じが好ましいです。
    逆に、読書案内的に読むと物足りないかもしれませんね。
    日常エッセイとしてはいつも通り高品質なので、読書が趣味じゃない人にもお薦め。

  • 著作きちんと読むの初めてだったけど、すごく好きだったので、遡っていこうと思う。食べるように読んで、読むように食べる。そのうちどっちがどっちだかわかんなくなってくる。
    そうだ私も本読むの好きだった。もっと熱狂して、本から顔を上げたらぽかんとなるような、体験をずっとずっとしてたいんだったと思い出した。
    伊豆断食道場が気になった。自分の身体の事だけ考える時間。いつか行きたいなぁ。

  • 優れた本読みの人。
    食欲旺盛な人がもりもりと食べているのを見るのは、とても楽しい。著者の読書の仕方もそれと似ていて、すっきりする。
    紹介された本のみならず、写真や映画、俳優に興味を抱いた。

  • この本は著者の日常を綴りつつ同時に、思わず読んでみたくなる珠玉本103冊の一番美味しいところを我々読む人に対して、さらりと小皿にとりわけてくれるみたいな感覚の、なんとも素敵な読書エッセイです。

    著者は根っから本が好きみたいです。

    「こどもの頃、布団にもぐりこんで本を読むのが好きだった」
    というところからスタートの本好き。

    だからなのか、愛書家とか名著をありがたがる、というスタンスではないですね。
    批評でも敬服でもなくて、こんな面白い人がいたんだよ、びっくりするような人がいたよ、みたいな感じで、いろんなジャンルの本の事を教えてくれます。

    たくさんの美味しい引用もありますが、メインは著者の日常と、本からもらった多くの言葉に助けられたという、著者自身の気づきでしょうか。それはとても温かく謙虚な人生観です。

    若い頃に読んで衝撃を受けたという三浦哲郎のある言葉を、23年間一緒に暮らした猫との死別の際に思い出し、その言葉の本当の意味を自分自身で体感するという一編「雪国ではね。」と名付けられたエッセイには、芯からやられました私は。

    そしてラスト近くのこんな言葉も印象に残りました。
    以下引用

    「生きるというのは、いつも宙ぶらりんなのだ。いつだって宙ぶらりんの状態だから、なにごとか勃発すればあたふたおたおた、そこをなけなしの経験やら知恵やら動員してどうにか波間を渡ってゆくのが人生というものだろう。あわてず騒がずスイスイ泳いでゆく人生の達人などといものはどこにもいないのだ。いなくていい。
    人生の達人などどこにもいない。いないのに
    そんなものになろうとするから人間ややこしくなる。」
    2017/01/04 13:07

  • このひとは面白い。

    (久しぶりに静かに読書する一日だった)

  • 「野蛮な読書」、嬉しい本との出会いでした。①池部良の話。原節子や高峰秀子に見送られ軍隊生活約5年、高倉健とのあの昭和残侠伝「死んで貰います」(1970)が生まれたのか!今の肉食女子にはたまらない映画だそうですw②食の随筆、吉田健一、小島政二郎、北大路魯山人、池波正太郎など数多けれど、獅子文六(岩田豊雄)ここにありかw③三浦哲郎「忍ぶ川」「雪国ではね、寝るときなんにも着ないんだよ」女子高校生は呆然としたそうですw。読了して、数十冊の書を読んだ気持ち、とても濃密な時間を楽しみました(^-^)お薦め致します!

  • ところどころに面白い本が出てきて、最後まで読んだけど、すごく好みのエッセイストではないなぁ。でも、知識やっぱり興味の深さが面白く、出会えなかったであろう本に出会えるのがよかった。

  • 初めて読む作家。断食1週間の体験の話題がなかなか興味深かった。断食しながら散歩、気功、ヨガをする。自分の身体のことだけに関わっているうちに1日が終わる。自分の身体であるのに現代人はなかなか自分の身体だけに関われないことを実感した。
    また「お弁当」について、お弁当はただお弁当というだけでどうしてあんなに響くのかという一文に深く共感。ちくわにきゅうりを挟んだだけでも美味しいのである。
    最後に「野蛮な読書」というタイトルがなぜついたのか。
    読書をしているとそこから次読みたいものに繋がっていくことがある。全然脈略がないようにみえて実は繋がる。思いもかけない繋がりと広がりというワケのわからなさこそが「自分なりの野蛮な読書」の嬉しさ と書かれてあった。
    そしてわたしもこの本から何冊か読みたいものを見つけた。その一冊はロランバルトの「明るい部屋」だ。

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著者プロフィール

平松洋子(ひらまつ・ようこ)
エッセイスト。東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化や文芸を中心に執筆活動を行う。『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『焼き餃子と名画座』『味なメニュー』『食べる私』『あじフライを有楽町で』『日本のすごい味』など多数。書評、文庫解説なども多く手がけ、本に関する著作としては『本の花』『洋子さんの本棚』(小川洋子氏との共著)などがある。


「2019年 『忘れない味 「食べる」をめぐる27篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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