- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087452396
作品紹介・あらすじ
俳優、司会者、書評家として活躍した児玉清。本物のジェントルマンだった彼が、番組や人生について語ったインタビューの中から、珠玉の言葉をピックアップ。最後の連載原稿も収録。(解説/中江有里)
感想・レビュー・書評
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芸能界一の読者家、児玉清さんの最後のエッセイ。子供のころの疎開先での体験や、芸能界入りでの運命的な出来事や、本とのかかわりなどが、読者へのメッセージとともに綴られている。
「『知っている』ことに意味はない。人間にとってはその先の知恵が大事。そして知識は、知恵の底辺になるものです。」
「人間の心はなんでも生み出す、すごいものです。誰しも本当に生きている場所は心の中。だから心を覗けば、その人の正体はわかります。」
じっくりと味わいたい言葉です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
柔和な笑顔や力強いガッツポーズ、どっしりと構えた心に響く演技が印象的な児玉清が、一体どんな人生を送ってきたのか知りたくて読んだ。
戦時中の幼少期、俳優としての駆け出し時代、家族の死。
温厚な雰囲気の奥底には、こんな苦労があったとは思わず驚いた。
きっと滲み出る人柄のよさは、色んなことを経験してきたことによる、軽快な文章は、膨大な読書量による賜物に違いない。 -
司会者としてのお姿しか拝見していなかったけれど、このエッセイで過去の経験やお考えになっていたことなどがよく分かった。
「学究の人」なるほど!学生時代の過ごし方が私とまるで違う…。(比べるのもおかしいけど)本をたくさん読んで、たくさん学ばねば、と思います。 -
大の読書家でも知られた俳優、児玉清さんのエッセイ。穏やかそうな風貌の裏側に、このような哲学者然とした生き方が隠されていたとは。
いじめにあった学童疎開時代、読書との出会い、俳優の世界へ入るまで。そして、どこまでも独立独歩な生き方。とても勇気を与えられた一冊でした。 -
2015年2月4日購入。