ばけもの好む中将 参 天狗の神隠し (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 517
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452440

作品紹介・あらすじ

怪異が大好きな変わり者の中将・宣能に気に入られてしまった中流貴族の青年・宗孝。宗孝の姉が、山で「茸の精」を見たと聞き、真相を確かめに向かう宣能と宗孝だが……。平安冒険ミステリー第3弾!

感想・レビュー・書評

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  • ワライダケやら天狗やら由緒ある琵琶のに関してつぎからつぎへと話が展開していき飽きさせない。主人公の宗孝の一の姉や二の姉がとうとう出てくるし、常連の八の姉と十一の姉な勿論、破天荒な十の姉もいい場面で登場。宣能(ばけもの好む中将)始め他の3人の中将も存在感を発揮。そうそう、気位の高い女御や腹黒い中将の父、可愛い十歳の初草の姫も忘れちゃいけない。みんな持ち場を守って活躍って感じだね。

    • goya626さん
      shukawabestさん
      こちらこそよろしくお願いします。キッチンをリフォームしたので、まな板の前に立つのが楽しい日々です。読書も楽しい...
      shukawabestさん
      こちらこそよろしくお願いします。キッチンをリフォームしたので、まな板の前に立つのが楽しい日々です。読書も楽しいし、料理も楽しいです。ああ、「ヒストリエ」次巻はいつ出るのでしょう。ぐしゃぐしゃな本棚ですが、参考になれば幸いです。shukawabestさんのも楽しみに見せていただきます。
      2023/01/03
    • shukawabestさん
      充実した日々を過ごされているようですね。僕は料理をまったくしませんが、大好物のカレーは、自分で作って食べてみようと思っています。
      充実した日々を過ごされているようですね。僕は料理をまったくしませんが、大好物のカレーは、自分で作って食べてみようと思っています。
      2023/01/03
    • goya626さん
      goya626さん
      カレー好きですよ。自分でいろいろ工夫して作りますし、レトルトもいろいろ取り揃えています。
      goya626さん
      カレー好きですよ。自分でいろいろ工夫して作りますし、レトルトもいろいろ取り揃えています。
      2023/01/03
  • 容姿端麗、頭脳明晰、高貴な血筋で完璧な左近衛中将の宣能は唯一怪異譚が大好きという困った趣味を持つ。その趣味に付き合わされている平凡な貴族・右兵衛佐の宗孝コンビのシリーズ第三作。

    今回のテーマは謎の茸と天狗の怪。
    食べると楽しくなって可笑しくなって踊りだす茸(ワライタケ?)により奇妙な体験をする者が続々現れる。
    その中には尼寺に住む宗孝の二の姉君も。
    そして中将仲間で一番のプレイボーイ・宰相の中将雅平が今のめり込んでいる恋もどうも怪しい。
    更には山寺にも天狗が現れる。
    今度こそ本物の怪異か?と息巻くが、宣能と宗孝が調べるとどうも裏がありそうで。

    『わたしはね、右兵衛佐、怪異を装う人間が大嫌いなのだよ』
    『悪ふざけ、あるいは私利私欲で神秘を汚すのは許せない。断じて、本当におそろしいのは人間だとかなんとか、そんなつまらない理屈はいらないのだよ』

    珍しく苦々しく吐き捨てる宣能に、宗孝は怪異を純粋に追い求める彼の姿を知る。

    しかしまたもや話は後宮の人間模様と宗孝の姉君たち、そして母上まで関わっていく。それだけではなく、宣能の父・右大臣や叔母であり主上の妃である弘徽殿の女御もまた…。

    宣能が追い求める怪異と、その裏で分かってくるドロドロな争いが対照的。そんなものを見たいわけではない、本当の怪異として見ていたいのに、結局は人間の嫌なところを見てしまう。何だか宣能が切ない。
    だからこそ宗孝のような素直な若者をコンビにしたいのだろう。

    しかし宗孝の姉君たちもまた一筋縄では行かない者ばかり。またもや出てくる十の姉君は、いわば忍びの者のような感じなのか。そして終盤に出てくるその敵方らしき者も今後とも関わりがあるのか。
    それより何より、宣能と父・右大臣の関係がますます剣呑な感じでハラハラする。
    そして右大臣、どこまで黒いのか。最後の最後に話がグルっと回って何が何だかという、まさに怪異。

  • 茸にまつわる不思議なエピソードから始まる、シリーズ第3作。

    いつも怯えるばかりの宗孝が、今回は脅かす側に回って、楽しそう。

    またまた宗孝の姉上、右大臣家、4人の中将がらみで、やや狭い世界が続いている感。
    安定した世界でさらっとたのしめるものの、先が読めてしまうネタもおおく、どこか殻を破るような、意外性が欲しい。

  • コミックにしたら面白そうなライトノベル第三弾。
    宣能と宗孝のコンビが板についてきた。巻を通して怪しいキノコが事件に登場しており、どうやらその裏には宮廷を揺るがす陰謀が見え隠れしてくる。最初の頃より、宣能と父右大臣や叔母である弘徽殿の女御、との対立が鮮明になってきた。どうやら、単なる性格の不一致による不仲ではなく、もっと大きな闇を抱えていそう。右大臣と女御は宗孝の家族とは色々因縁があるようだけど、だからこそ宣能は宗孝に近づいたのかも。

  • シリーズ第3弾。
    短編連作で、今回のテーマは天狗。
    一話目で幻を見せるキノコが出てきて、人為的なものか妖なのかという終わり方をする。
    二話目は妖ではない人の話なのだが、またそのキノコが絡む。
    3話目、4話目で天狗が現れるが、キノコとも絡み、弘徽殿の女御の過去や宗孝の姉、母との関係も明らかに。
    だんだん明らかになっていく人間関係、それぞれの人柄など、ここからまたどのように繋がるのか続きが楽しみになってくる。

  • 3作目。
    宗孝がだいぶ身体を張れるようになり、話も少しずつ広がっていきます。
    宗孝の身内としては一の姉と宗孝の実母がクローズアップされていて、二の姉も登場しました。

    右大臣との関係もどうなっていくのか、展開が気になります。

  • 陰謀的な何かが出てきた

  • さらっとした平安絵巻。
    この世界観にも慣れてきて、口調だのなんだのと
    あまり気にならなくなりました。

    今巻は、天狗にまつわる謎が真ん中に通りつつも、連作短編となっています。

    十の姉が神出鬼没すぎる。
    どんなスーパーウーマンや。

  • 1話完結から続きものになって来たのがコバルト感。

  • シリーズ3巻。
    紅葉狩りとこれから結構出番が増えそうな狗王登場。
    琵琶の話もこの巻だったかな?
    宗孝は母上に楽器の取り扱いを教わればよかったのにねぇ…

    裏テーマはキノコかな。
    出家した二の姉とか、色男の方の中将の恋とか。一の姉が宗孝の母と同期みたいなものなのか~というお話。

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著者プロフィール

1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。
「ばけもの好む中将」、「暗夜鬼譚」シリーズ(ともに集英社文庫)、『怪奇編集部「トワイライト」』(集英社オレンジ文庫)など著作多数。

「2019年 『百鬼一歌 菊と怨霊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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