天才ハッカー安部響子と五分間の相棒 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 302
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452761

作品紹介・あらすじ

身に覚えのないネット通販履歴に気づいたのがきっかけで、普通の会社員・肇はハッカー集団の一員に!? 変わり者の青年が引きこもり美女と共にネットを駆使して大金を狙うピカレスクロマン!(解説/大矢博子)

感想・レビュー・書評

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  • 天才ハッカー安部響子を追い詰める吉沢。しかし、いつもその追手を気持ちいいほど出し抜く、とても爽快な物語でした。

    響子さんは一体どこまで先を読んでいるのか。その遠大さがとても楽しい。

    同時に響子と肇の恋愛模様がなんとも言えず微笑ましい。ハッキングに関しては天才の響子が恋愛に関しては中学生レベルだというこのギャップが可愛らしい。
    私の大好きな書評家の大矢博子さんの解説にも書いてあったとおり、2人が手を握るところが2人の恋愛の最大の盛り上りになるぐらい純愛です。

    この2つの面の展開が、次へ次へと読みたくなる本でした。

  • クレジットカードの不正利用もネットでのなりすましも、現実にも起こっていることで、その手口にぞくっとしました。
    これはフィクションだけど、実際に被害に遭う可能性もあるわけで。
    技術さえあれば、こんな簡単に個人情報って集められてしまうのかと。

    天才ハッカーが作ったハッカー集団。
    実在したら確かに正義の味方に見えるかも。
    犯罪だけど、悪い奴をこらしめるって、正義に見えますもんね。

    犯罪だと知りながらハッキングを続ける彼ら。
    彼らに心酔する学生たち。
    ハッカーを捕まえたい警察。
    ミスリードされて、終盤でかなり混乱して、また前の方を読み直して、やっと理解できました。
    先入観って怖い。

    ハラダのラスクが食べたくなります。

  • 著者初読み。
    ネット犯罪などを主に扱う作品を書いている作家さんと言うことで、何となく目に留まった3冊を読んでみることに。
    ここ数年で、爆発的に増えたネット犯罪。それに伴い、企業側や国家などのセキュリティ対策が急がれるところだが、なかなか追いつかない日本の体制をあざ笑うかのような内容。
    優秀なハッカー軍団が、個人情報の流出やセキュリティの甘さでシステムが一時ダウンして、顧客に多大な迷惑をかけておきながら、謝罪しないような企業をターゲットにし、その謝罪を求めていく。
    主人公の安部響子が5分しか人と接することが出来ないとか、少しラノベっぽい要素も加えられているが、専門用語も多く、内容自体はかなり本格的。
    ミステリーとしての要素も、かなり作りこまれていて、面白い。
    と思ったら、「ばらの町ミステリー大賞」の受賞者だった…
    やはり、「ばらの町ミステリー大賞」はすごい…
    公には謳ってないが、今作で登場するラスクのメンバーは、その後の作品にも登場する。
    登場人物の設定はラノベっぽいのに、内容は本格派。何だかハマりそうな感じ…

  • 著者初読みです。
    タイトルと表紙イラストに軽い抵抗があってなかなか手を出せずにいたのですが(ごめんなさい!)、期待値よりもずっと上のおもしろさでした。

    ネット情報恐ろしいって印象と、でも怖すぎず興味を持続できる程度に書いてくれていることで、(ハッキングなんて全然分かってないけど)無理なく読み進められました。

    というか犯罪メインではなく、全体に暗くない&テンポ良いストーリー。幾つか腑に落ちない点は残るものの、総じて好印象(^^)

    いつか記録を見返した時のために追記。
    今現在、新型コロナで大混乱中の日本。テレワークも推奨されていますが、知識不足なのかセキュリティ面は大丈夫なのかな?とちょっぴり不安に感じる自分です。
    世界も社会も自分も、どんなふうに変化していくのかな。

  • とりあえず、ヒロインが主人公を陥れるパターンではなくてホッとした。

  • 頼んだ覚えがないラスクの請求があった。

    始まりの次が、ラスクの話。
    一体どうつながりがあるかと思っていたら
    最終に繋がっていました。
    ここから、最初のあそこまで、の間の話ですが
    濃いというか何というか…。

    泣き落としでハッカー仲間になった主人公ですが
    それ以外にも視点が変わってみたり。
    最後の最後で、なるほど! という仕掛けもあったり
    誰が仲間で誰が裏切りものなのか、と悩んでみたり。
    どんどんと先が気になり、ヒントがあるのに読み飛ばし
    そうか! と最後になって思い出してみたり。

    しかしラスク、美味しそうでした。

  • 知らない方が幸せってこともあるな…。マルウェアとか、さっぱりなところもあるけど、知らずに便利で使ってるっていう事が、危険だって事はなんとなく 笑 わかった。
    面白かった。

  • 2015年1月集英社文庫刊。書下ろし。謎の美女に誘われてハッカー集団に参加する肇。警察庁の吉沢のキャラクターの誇張が過ぎるのと、ラストの都合良過ぎが気になりましたが、緻密な設定と展開で、夢中になりました。

  • ネットを使うのが怖くなる。炎上→個人情報さらされる、というのをたまに見ますが、こうやっているのかと・・・(◎_◎;)ツイッターやフェイスブックは利用していないけど、背筋が寒くなりました。とりあえずIDとパスワードを定期的に変更しようと思いました。 阿部響子と高野肇のツンデレ奥手恋愛もかわいかった。罪作りな人だ〜阿部さん(笑)

  • ハッキングがテーマ。

    ネット用語やハッキング手法など、結構単語は分からなくても読み進められる。
    特に主人公の肇とボスの安部響子の関係性にも注目したい。
    ハッキングは気付かれないように、また気付かれた時に身元が割れないように幾重にもセキュリティをつけるものだけど、
    この本自体がそのトリックの一役を買っている。

    まとまりも良く、不明な点はいくつか残ったものの、
    総じて楽しめた。
    途中、全然読書スピードが上がらないとこあったけど。

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著者プロフィール

いちだかずき●小説家及びサイバーセキュリティの専門家、明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。I T 企業の経営を経て、2 0 1 1 年にカナダの永住権を取得。同時に小説家としてデビュー。サイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『新しい世界を生きるためのサイバー社会用語集』(原書房)など著作多数

「2022年 『ウクライナ侵攻と情報戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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