少女は卒業しない (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 132
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452808

作品紹介・あらすじ

取り壊しの決まっている地方の高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎える、それぞれの「別れ」を、瑞々しく繊細に描く。切なくも力強いメッセージが光る全7話。(解説/ロバート・キャンベル)

感想・レビュー・書評

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  • 青春だな~。自分が高校生だったのは遥か昔のことだけど、7人の少女たちそれぞれの視点で語られる高校最後の日は、心を揺さぶられるものがある。もし自分がいま小説を書いたとしても、こういう作品は書けないないだろうな。朝井リョウの才能に嫉妬せずにはいられない(笑)

  • 取り壊しが決まっている高校で最後の卒業式を迎える少女七人の、それぞれの別れの思いを描いた連作短編集。
    朝井リョウ作品の中では一番好き。

    ・エンドロールが始まる
    司書の男性教師に思いを伝えられないまま卒業の日を迎えた作田さんが、先生と最後のやり取りをする。

    ・屋上は青
    立ち入り禁止の屋上で、式が始まる前に幼馴染二人が会話している。
    一人は孝子。もう一人派彼女の幼馴染の尚輝。実は尚輝は高校を中退し、芸能活動の道を進み始めている。優等生の孝子は尚輝の生き方と、これから大学に進もうとしている自分の生き方を考える。

    ・在校生代表
    女子バスケット部の2年生のエースで生徒会にも属する亜弓が、3年生に向けて檀上で読み上げた言葉がそのまま書かれている。

    ・寺田の足の甲はキャベツ
    バスケ部に所属していた三年の男女。
    卒業式のこの日、彼女は自ら別れを切り出す。

    ・四拍子をもう一度
    卒業式のあとに体育館で行われる卒業ライブ。
    トリを飾るのは校内で一番人気のビジュアル系バンドだが、彼らが使う衣装やメイク道具が出番直前になって紛失してしまった。誰が隠したのか?

    ・ふたりの背景
    卒業ライブの行なわれている体育館には行かず、美術室に来た美術部の二人。
    あすかは卒業後、父の転勤でアメリカへ行くことになっている。正道くんは、地元のパン屋に就職が決まっている。
    正道くんが、いわゆる特別支援級の生徒。帰国子女として途中編入してきたあすかは、正直くんとどこか心が通う感じを抱いていた。

    ・夜明けの中心
    明日から取り壊しが始まる校舎に忍び込んだ男女2人。
    二人は示し合わせてきたわけではなく、ここにはいない一人のことを思って同じ行動を取った結果、顔を合わせることになった。
    ホラー少し混じった感じ。

  • 単行本が出たころに、大型書店でサイン本を見つけて買った。ずっと本棚に保管してあって読んでいなかったのだが、今年(2018年)のナツイチに入っているのを見て思い出し、読んでみた。ので、持っているのはハードカバーだけど、ブクログ登録は文庫にしてあります。

    うーむ、ちょっとやられた。
    7つの短編の主人公は全員女子。著者は男性なのに、いろいろとてもよくわかっていらっしゃる。数十年前の私の高校時代の空気を、ありありと思い出した。7つの話がたまに触れ合うのも楽しい。

    高校時代ってなんでこんなにあやうくて切ないんだろう。ちょっとでも触れたら、簡単に粉々に壊れてしまいそう。
    あぁ〜、青春の余韻がまだ消えない。

  • スゥーとカーテンに揺れてる春風チックな登場人物たちだった.
    揺れたり、揺られたり、止まったり、飛び降りたり
    忙しく動く時間の中で、最後の制服姿を楽しんでいるように思えた.

  • 卒業式と、取り壊される校舎。
    各章、同じ舞台なので共通点多数。
    卒業式前日、直前、式、式が終わった後、取り壊される前日。それぞれが非日常の中で感じる、今までの日常と未来への不安。
    比喩表現が多く、想像しながら読めた。

  • 高校生の恋の短編集。
    懐かしい感じ!

    でも、在校生の送辞はやり過ぎかな。読んでいてちょっと気恥ずかしい。
    最終話は悲しくて読んでいられなかった。
    他の話はさらっと読めて、温かくて甘酸っぱくて良かったかな。

  • 高校時代は有限で貴重な時間だという当たり前のことを、その最中にいるとなぜ見過ごしてしまうのでしょう。この本は、その高校時代にしか感じ得なかったいろんな感情を思い出させてくれました。高校時代の日常の中にある普通は見過ごしてしまうような些細な物・事・季節の描写、比喩表現などがそうさせるのでしょう。著作は男性であるにも関わらず、女子高生の繊細で強かな気持ちを表現するのがとてもうまいです。個人的には、「エンドロールは始まる」「在校生代表」「夜明けの中心」が好きでした。毎日通った私の居場所である図書室、笑いを誘った答辞をした彼、そしてもう2度と戻らない高校生活を否応なく思い出しました。

  • ほんとに朝井リョウはすごい。
    心を鷲掴みにされます。涙がこぼれます。
    買ったその日に読み終えました。
    余韻に浸れる一冊。
    寺田くんが好きだった。

  • とにかく懐かしい。淡い。青い。人の数だけ青春があって、悩み、笑い、恋をしている。色々な人間模様。障害や死をも独特な清々しさを含みながら描いている青春ストーリー。
    全てに共感し、一度しかない学生時代をもっと大切にしまっておこうも思った。

  • 取り壊しの決まっている地方の高校。最後の卒業式の一日を切り取った7つの別れ。
    高校を卒業してかなり経っているので話についていけるかな…と読み始めた1話目で心を持っていかれました。私の卒業した同じ、地方の共学校へ。
    先輩への憧れ、同級生との恋と別れ、同性の友達とのやり取り…すべてが一瞬で押し寄せてきて、懐かしくて、切なくて、哀しくて。
    たった一日の卒業式の出来事を、こんなにも新鮮な言葉で描いていく朝井リョウがやっぱり好きだ❗

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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