- 本 ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087452846
作品紹介・あらすじ
幼なじみの俺とマコト。「ドッキリスト」のマコトが、一世一代の作戦と位置づける「プロポーズ大作戦」とは……?「美学」と「企み」に彩られた衝撃作。第25回小説すばる新人賞受賞作。(解説/藤田香織)
感想・レビュー・書評
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☆4
「本日のメニューは。」と「できたてごはんを君に。」がとても面白かったので、行成薫さんの他の作品も読んでみたくなり本作を読み始めました。
先に読んだ2作とはまた全く違った内容の作品でしたが、読み始めたら続きが気になって一気読みしてしまいました!
最初は時系列が行ったり来たりして頭の中で整理しながら読むのが大変だったのですが…バラバラに散らばったパズルのピースが埋まっていくように、物語がどんどん繋がっていく仕掛けが印象的でした。
それにしても…あらすじに書かれていた、史上最大の「プロポーズ大作戦」にはいい意味で裏切られました!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館本
ドッキリストのマコトと、ビビリストのキダ。2人が計画するプロポーズ大作戦には大きなドッキリが仕込まれていた。
ヨッチの短編、ポケットも最後に収録されており、
ラストの切なさが増し増し。 -
2度読み必須!と言うわけでもないのだけど、時系列が交差するので整理しながらより、ひと通り読んで確認のために2度読みしたほうが点と点の繋がりが鮮明になるのではないかと思う。
私は「プロポーズ大作戦」その全てを理解した時にラストまでを一旦保留して2度読み開始。
そして断片の真実が見えるたび胸が締め付けられる思いを繰り返すことになる。
キダちゃん、マコト、ヨッチ
永遠はないと知っている彼らではあったけれど、誰ひとりとして欠けてはならない存在であった彼ら。
それでも世界は1日あれば変わる。
いつしかマコトは社長令嬢へのプロポーズ大作戦のために車屋を辞め消えた。
指輪を渡すためだけに整備工から社長へと成り上がってゆくマコト。
「そろそろ渡しに行きてえんだよ。」
キダちゃんにも止められないマコトの叫び。
断片も過去もそのどれもが必要な要素で、確実にエンドロールへと向かうための切ない物語。
今年の4冊目 -
初めは「マチルダ」という題名だったらしい。映画「レオン」に登場する女の子。久しぶりに「レオン」を観たくなった。ただ小説の題名は今の方がしっくりくる。
時制が行ったり来たりしてややこしいが、しっかりコントロールされているところは流石である。 -
プロポーズ大作戦!なんて言うから……
こんな物語だったなんて。
子供の頃からドッキリを仕掛けるマコトと、それにいつも引っ掛かるキダ。
そんな2人の前に現れた女の子、ヨッチ。
彼ら3人の人生(過去)を読み進めているうち、ぼんやりとしていた輪郭が見えてきて、途中から切なくなりました。
マコトとキダの友情、一途さに、羨望と同時にどうしようもない悲哀を感じて、読後しばらく放心してしまいました……
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行成薫さんの小説。
小説すばる新人賞受賞作品。
青春時代を共に過ごしたキダ、マコト、ヨッチ。彼(女)らをとりまく青春時代と31歳になった現在とを、行きつ戻りつしながら進んでいく物語です。
読み進めていく中で、途中何度も
・誰が話しているのか分かりづらい(セリフが連続する)
・同じセリフが出てきてくどい
という理由で読むのを止めようかなと迷ったのですが、新人賞受賞作品が全くつまらないなんてことはないよなー、と考えなおし、最後まで読み進めました。
(正直、それくらいの動機がなかったらやめてたかもしれません)
結果、後半(p.200~)あたりから急激に面白くなってきて、そこからは一気に読み終わりました。前半と後半の面白さに段階がありすぎ、です。
全て読み終えて思うことは、
・エピソードがばらけているのを繋ぎ合わせて想像していく過程が、ミステリーのトリックを考えるのにも似た感じで面白い
・全部読み終えるとこの作品の面白さが分かる
ということでした。
これから読もうかな? と参考がてらレビューを見ている方がいらっしゃいましたら、
・前半はあんまりおもしろくない
・青春っぽい描写沢山ある
・後半はけっこう惨いことも起こる
この辺りを踏まえて判断されると良いかもしれないな、と思いました。 -
2021年映画化されると帯にあり、読んでみました。初めは、青春ラブストーリーなのかと思ってたんですが、違いましたね。でも、年代事のプロットの間に断片のプロットが入り、上手く構成されてて、面白かった。キダちゃん、マコト、ヨッチの関係。マコトの執念、マコトのドッキリにいつもビビるキダちゃん。映画では、どう表現するのか、気になります。
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私はドッキリが嫌い。それはもうテレビのドッキリ番組も観たくないほどに。仕掛けられた人の反応を見て笑っているのがマジで嫌。
この本もドッキリストが登場し、友人の主人公が散々やられる。体に害のあるものはダメでしょ。なんでここまでされても仲良しでいられるのか意味が分からない。読むのやめようかなと思ったが(なら最初から手に取るなっていう)、頑張って読み進めた。
後半にドッキリを続ける理由も明かされて、主人公がやられっぱなしなのも、嫌だけど理解はできた。
故になかなかに時間がかかったが、結末が気になり終盤はスピードアップ。
その結末を選んだ理由に涙だった。
ドッキリで「カリオストロの城」のオマージだよねってのが出てきたのは良かったなぁ。あれはドッキリではなく「手品」と言いたいけども。 -
喉が乾いたからお茶を一口飲んだ。
また一人、凄い作家に出会ってしまったと動揺する自分がいる。
読み始めは正直面白くなかった。
月日の設定が凸凹していて繋がらないし、だいいち、いちいち「断片」っていうのが章の最初に付き纏う。
何のことを言っているのかさっぱりんからない。
誰の視点?
誰の気持ち?
それは物語の後半に判明する。
全部読み終わって、これはどう捉えるべきなんだろう…なんて考えながら、11章の「断片」を最初から読んでみる。
そういうことだったのか…と感慨深くなる。
1番のドッキリストは行成薫だった。
それにしてもこれは何エンドなんだろう…
ハッピーな感じはしない。
でもバッドでもない気がする…
いや、キダにとってはこの上ないバッドな気もするけど、ラストを読むと、あの曖昧な描写の仕方は何かが始まる感じもしたり…
「一日あれば世界は変わる。
二日あったら、宇宙がなくなってもおかしくない」っか…。
まぁ、仲良し3人組のお話です!
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行成薫の作品





