フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.11
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本棚登録 : 980
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453058

作品紹介・あらすじ

老舗古書店「東亰バンドワゴン」を営む堀田家の人気シリーズ第8弾。青の出生の秘密や、紺と亜美の出会い、研人とメリーの小さな恋物語など、隠れたエピソード満載の短編集。(解説/啓文社 三島政幸)

感想・レビュー・書評

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  • 〈東京バンドワゴン〉シリーズ第八弾の今回は番外編。
    語り手のそれぞれ違う11の短編で構成されていて、おなじみの登場人物のふだん語られていない過去のエピソードを知ることができます。

    青の出生の秘密や、亜美さんと紺が出会った北海道での話や、藤島さんが〈東京バンドワゴン〉の常連になったいきさつなど、短いけれどどれも人情味溢れるよいお話ばかり。
    秋実さんと我南人との出会いは、温かすぎて泣けてきました。
    堀田家の人たちみんなが優しくて、堀田家に人が集まる理由がわかります。
    勘一と祐円さんの幼なじみコンビ、好きだなぁ。
    研人は、縁側に座っている亡くなった大ばあちゃん(サチさん)の姿が見えるようです。

    語り手の最後はサチさんでした。
    いつも朝の食卓の風景から始まって、最後は仏間で紺とサチさんが会話を交わして、おりんを鳴らして手を合わせるというお決まりの終わり方だけれど、何度読んでも飽きることなく、今回も安心して本を閉じることができました。

  • ☆4.5

    シリーズ第8弾(番外編)

    「東京バンドワゴン」シリーズの知られざる過去のエピソードが11編収録された、番外編にあたる作品集。
    それぞれ語り手が違っていて、11人の視点から展開されるのも魅力的で、本編とはまた違った面白さがありました!

    素敵なエピソードや裏話を知って、もっともっと堀田家や東京バンドワゴンのことを大好きになれた作品でした(*´˘`*)
    引き続き、続編も読んでいきたいと思います❁⃘*.゚

  • ワイドショー見ているみたいだった。内情暴露で面白かった。

  • シリーズ8作目で、番外編。
    今回初めて章ごとに書き手の設定が異なり、主な登場人物がそれぞれ担当していたのがとても良かった。皆が内心でどんな気持ちなのか読めたのが、人間性をより知るきっかけになって面白かった。
    花陽の父の話や青とすずみちゃんの出会いや紺と亜美さんの出会いなど、過去の裏話的なものが11篇。最後は定番のサチさんが語り手のもので終わる。

  • シリーズ八冊目は番外編。4冊に一回が番外編で、前回は、語り手であるサキさんと堀田勘一さんの戦争直後の出会いとその原因となった事件の展開が、当時の彼らを取り巻く人々とともに生き生きと描かれていたが、今回はどんな趣向なのか楽しみに読んだ。11作の小編で構成されているが、本編のようにサキさんが語るのではなく、本編の登場人物11人が、それぞれ本編では描かれていなかったエピソードを語るという形式で、とても面白く読ませてもらった。エピソードそのものが、今までの本編での展開を踏まえたものであったり、その背景であったり、なるほどそうだったのかと思わせるもので、シリーズ愛読者にとっては、珠玉の作品群だった。

  •  いつものサチが語り手のシリーズ本編ではなく、お馴染みの登場人物たちが語り手の短編集。紺さんと亜美さんの馴れ初めや秋実の初登場、堀田家だけでなく真奈美さんの漢気も見れる、正にファン必読の番外編。11編中ではすずみと青のエピソードが好き。

  • それぞれキャラクターの過去、出会い、あのときこの人はこう思っていたなどが詰まった番外編。
    藤島さんの話や、すずみちゃんと青の話などよかったです。

  • いいお話です。いい人のいい話を読むと、ホッとします。
    この本を読む前に、前の話を読み返しました。
    いろいろ、大変なこともあるけど、まっすぐ前を見て生きていく姿に、元気をもらいます。

  • 小路幸也のフロム・ミー・トゥ・ユーを読みました。

    一昔前のホームドラマ東京バンドワゴンの8冊目、今回は短編集でした。
    本編で語られているエピソードを登場人物の一人を主人公にして短編の形で描いているこのシリーズの読者としては珠玉の1品でした。

    青が東京バンドワゴンに連れられてきたとき、紺と亜美のなれそめ、我南人と秋実さんの出会い、藤島が最初に東京バンドワゴンで本を買おうとしたとき、研人とマリーが学園祭のバザーでやった東京バンドワゴン・ワゴン、藍子が花陽を産んだとき、といった本編では触れられているだけのエピソードが短編の形で描かれています。

    特に本編ではあまり描かれていない秋実さんのエピソードはおもしろく読みました。
    そうか、秋実さんってそういう人だったんだ。
    そして秋実さんが家に来たときのサチさんの反応はそんな感じだったんだ。

    単行本では10冊目まで出ているこのシリーズ、まだまだ楽しめそうです。

  • 東京バンドワゴン8作目は番外編。11編の短編は今までの東京バンドワゴンを補足するようなエピソード。本筋には絡まないけれど、匂わせる事情や関係や、あえてわざわざ語るほどのことでもない出会いや馴れ初め。そういうちょっと気になる部分を補足したような小話。どの話もその人らしさがあって、ああだからこそ堀田家で、東京バンドワゴンで、そして関わる人たちがなんで関わり続けるのかっていうのがくっきりした。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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