ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2156
レビュー : 185
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453270

作品紹介・あらすじ

モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。19世紀から20世紀にかけて活躍した美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか。彼らとともに生きた女性たちの視点から色鮮やかに描き出す短編集。(解説/馬渕明子)

感想・レビュー・書評

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  • アンリ・マティス、ドガ、セザンヌ、モネを描いた短編集。原田マハの愛ある筆致がよく分かって、なんだか優しい気持ちになった。
    あまり長くレビューをすると、反対に良さを失ってしまいそうな怖さがある。

    作品を知っている人ならば尚のこと、ハッとさせられるんだろう。
    きっと、そんな人が思いを込めて感想を置いていってくれると良いな。
    私も、出来ればスマホの画面ではなく、そのものとの対面をしたかった、と思う。

    目には同じ機能を有しているはずなのに、どうして、何が違うんだろうか。

    人が生きて、何かを遺してゆくことに想いを馳せる。

  • 『美しい墓』
    『エトワール』
    『タンギー爺さん』
    『ジヴェルニーの食卓』  の四篇

    マティス、ドガ、セザンヌ、モネの四人の芸術家にそれぞれまつわるお話し。
    『うつくしい墓』に描かれた、アンリ・マティスとパブロ・ピカソとの交流の話がとてもよかったです。
    年老いた修道女のマリアによる思い出話です。
    慈父のようなマティスの人柄がよく出ていたように思いました。
    マティスという画家は実はその作品をあまり見たことがなかったのですが、マティスの人となりを読むうちに、マティスの描いた明るい色彩に輝く絵が見えるような気がしました。
    語り手のマリアも、素晴らしい感性をもった娘さんだったと思いました。
    「この花をこの花瓶に活ければ、先生が、恋をなさるのではないかと」という言葉が印象的でした。
    ラストも素晴らしいとしみじみ思いました。

  • いいものを読ませてもらった。
    フランス印象派、ドガ、セザンヌ、モネの生活と、20世紀のフォーシズムのマティスを追った短編集。1話が時系列から外れるが、この本を読んで再度登場人物の作品を見てみた。絵とこの小説を照らし合わせて見てると、フランスの風景が、風が感じられて心地よい気分になった。

    • chie0305さん
      この本薦めて下さってましたよね。私もやっと今日読み終わりました。そう、kakaneさんの感想の通り、フランスの風景が感じられて爽やかな気分で...
      この本薦めて下さってましたよね。私もやっと今日読み終わりました。そう、kakaneさんの感想の通り、フランスの風景が感じられて爽やかな気分です。こういう穏やかな本も必要ですよね。最近ちょっと疲れていたし。ありがとうございます。
      2018/05/22
  • まるで小さな宝石が散りばめられたような本に出逢えた。
    「珠玉」とは、こういう作品にこそぴったりな言葉なんじゃないかと。

    近代美術を担った画家たちの短編4作品。
    そこかしこに 色が溢れ返るカラフルな文章。
    しっとりと細やかで、どこまでも美しい。

    個人的にも絵画では近代印象派~シュルレアリスム時代の作品が好きなので、取り上げられる絵画作品を思い浮かべながら読むといっそ味わい深いものに。

    マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、とりわけタイトルにもなっているモネのストーリーは彼の生涯の暮らしぶり、代表作「睡蓮」を描くまでの経過、モネの庭への愛がとても人間らしく好きでした。

    各画家本人の視点ではなく、彼らに近しい場所で彼らを見ていた者たちの視点で語られるストーリー。
    だからこそ、画家の人柄が上手く描かれ、暖かでリアリティのある作品になっているのかな、と。

    やはり原田マハ作品は知的でわかりやすく人間味があって良い。

  • 原田マハの画家の話は、どれも画家の主観じゃないのが良い。パトロンや、画材屋や、使用人や、家族から見た彼らの人生を見せてくれる。だからこそ画家たちの人間性を垣間見て、魅力を感じられる気がする。

    個人的にはセザンヌに向けた手紙風の章が好きだった。

  • 原田マハさんをテレビで知り、アートの魅力を小説にしていると知り、どんな小説か気になり、読み始めた。

    マティス、ドガ、セザンヌ、モネについての物語の4編構成である。

    どの画家も名前は知っている程度であり、具体的な人物を知らなかったので、フィクションではあるが、どのような画家であったのか想像できることができ、美術の世界を少し知れた気がした。

    この小説を読んでから、それぞれの人物を調べて、実際に作品を見ることができたら、楽しいだろうなと思う。

  • マティスとピカソ、ドガ、セザンヌ、モネについての4つの短編フィクション。フィクションだけど、時代背景や作品・画家について知れるようなリアリティがある作品なのが良かった。文体がとてもキレイで情景が思い浮かぶし、ストーリーもほっこりするもので、読んでいて癒やされました。

  • 画家と、その画家を想う人々の関係が素敵だった。
    まるでその地に降り立ったかのような、色鮮やかな描写が心地よかった。特にモネのお庭!!
    もう一度 楽園のカンヴァスが読みたくなった。

  • 原田マハの小説を初めて読んだのはわりと最近。日本を舞台に若い女性が主人公のものだったんだけど「ふーん」って感じだった。何ていうか、ときどき見かける広告に添えられた読み切り短編のような感じ。文学というよりはムード色が強い感じ。原田マハって最近よく名前を見かける気がしていたから期待半分で読んだんだけど残念な感じだった。
    ところが、この本は面白かった。マティス、ドガ、セザンヌ、モネの生活を描く……というか小説として文字にするって難しいと思うんだけど、ちゃんと小説としての面白さがあり、美術史に触れるような面白さがあり。
    私は勇んで絵画展に行っても、特に思うところなく帰路につくことが多い気がしていて、やはり自分に審美眼はないのかと思っていたんだけど、今度マティスの、あるいはドガの、セザンヌの、モネの絵を見るときは、この本を読んで知った彼らの日々を思いながら鑑賞することで絵画を見る面白みがわかるようになるんじゃないかな。
    画家に関する資料や逸話はたくさんあるだろうけど、それを膨らましたりフィクションを混ぜ込んでこういう小説が書けるっていうのはすごいし、どこに目をつけるか考えながらつくっていくのは楽しそう。

  • こんなに瑞々しく描かれた画家の姿を読むことができるなんて。目の前で個性的な作家が息づいているかのようだ。マティス、ドガ、セザンヌ、そしてモネ!好きな画家の絵を、もっと好きにさせてくれる、この作品にはこんなエピソードがあったのかも、と想像を膨らませてくれる。この作品に描かれた絵に次出会う時、きっと前見た時よりも鮮やかに豊かに見えるはず。自分の中で久々に好きな作家ランキングが塗り替えられた。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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