石の裏にも三年 キミコのダンゴ虫的日常 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453331

作品紹介・あらすじ

『生きていてもいいかしら日記』などユーモア溢れるエッセイで注目の著者がつづる、酒と雪と妄想にまみれた北海道暮らしの日々。脱力&爆笑の呑んだくれ日記に、作家たちとのご当地座談会も特別収録!

感想・レビュー・書評

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  • いつまでもそんなおバカな妄想してないでとっとと雪掻きしちゃいなさい!と激しいツッコミをしたくなる、お馴染みキミコ先生の徒然日記。
    今回も涙が出る位笑った笑った。
    先生曰く、役に立つこともほろりと泣ける話もどこにもなく、おもに雪の文句ばかり。
    けれどキミコ先生にとっての何気ない日常・妄想話は、我々読み手にとって日々たまって仕方のないストレス解消にもってこい。
    あらゆる身体の不具合を「飲み過ぎ」と「老化」で乗り切りよぼよぼと仕事に励む、と宣言するキミコ先生のエッセイ本を、これからも追いかけて行く所存であります!

    「ご当地座談会」の北海道在住作家さん達の話も面白かった。
    下戸3名の作家さん達に囲まれ一人堂々とビールを飲むキミコ先生。
    やはり一筋縄にはいかないお人だ。

    「餅は肉でも魚でもないから野菜」と豪語する位のお餅大好き、家族に隠れて大人買いする位あずきアイス大好きのキミコ先生のお父さん。
    天国に行っても大好きなお餅やあずきアイスを好きなだけ食べてくださいね。

  • 日々の暮らしを書いた北海道がわかるエッセイ
    北大路さんは、たくさん仲の良い人がいて、毎日ダラダラしてて楽しそうで本当に羨ましい笑

  • 北海道の雪深い地域での日常(雪かき)と、父親と母親との会話と、仕事が少々の日記。彼女の独特の語り口が好きなので、先日まとめ買いしてしまった。
    現時点での最高傑作は『枕もとに靴』だ。これを超える作品を期待してしまうから、読む前からハードルを上げてしまっている。素直な気持ちで、読むと誓って、次の一冊に手をのばす。

  • 相変わらず。ふつうに笑える。

  • とにかく癒される。縮こまったら気持ちをほぐしてもらえる感じ。「嫌なことは後回し、好きなことでもめんどくさい」が最高に嬉しかったフレーズ。肩の力、抜いていこうかなって思う読後感でした。

  • 時々、北大路さんのエッセイを無性に読みたくなる。笑った。笑った。めちゃくちゃ笑った。お友達が多くて、かつ、皆さん個性的で、ご家族も本当に個性的で、こんなエッセイを書けてしまう理由が少しだけ分かる。雪下ろしご苦労さまです。北海道は広いんですね♪対談が果てしなく豪華。この三人をして「大先生」と言わしめる北大路さん、最強。小路さんのサイン会並ぶとか、何やってるんですか、とっても楽しそうです。小路まんまと驚きますよね、そりゃ。

  • 北大路大先生を読む度に「しょーもないアタシ・・・生きてていいんだ」って毎回思う(笑)また、周りの切り返しが面白い♪この日記・・・北大路大先生の最期まで読み切ってアタシ、逝きたい。

  • それがどこから来るのか、子供時分のこと故に不明なのだが、たぶん誰かの手土産かなんかだったのだろう。
    普段はスーパーで安売りしているような紙箱に入ったようなお菓子ばかりだった我が家だったが、ごく稀に缶入りクッキーが出現した。
    普段食べている駄菓子と何が違うのかはよく分からない。分からないが何となく有難い物であるということは明確なのだ。何となく明確というのは矛盾するようだが致し方ない。
    何せ「缶」である。
    有難い物であるのだから、そう簡単に食べ尽くす訳にはいかない。
    「1日2個…いや、3個まで…」と、結局1日4個まで食べてよいルールを制定するのだが、翌日どころか食べた直後には規制緩和の検討が始まるのだ。
    これが「缶入りクッキーの魔力」である。
    そんな魔力を持ったエッセイ集が本書である。
    巻末には北海道在住作家による座談会が収録されている。その座談会で桜木紫乃が北大路の文章を「名人芸」と評しているが、そうかもしれないし、あるいはそうでないのかもしれぬと、甘い物の食べ過ぎで蟻が巣食ってしまった脳みそでぼんやりと考えるのだ。
    いや、やっぱり名人芸だと思います。

  • 最初の印象は「あれ、私こんなの書いたっけ?」。
    私は北大路さんほど豪快でもないし、北海道民でもないし、こんな面白い文章はとてもじゃないけど書けないのでおこがましいのだけれど、感覚など似ているところがあって、分身の日記を見ているような不思議な気持ちで読んだ。
    朝から酒を飲んでる人って結構いるんだと思ったら、気持ちが大きく楽になった。
    とても面白かった。

  • ーーー雪かきしてるか、ご飯作ってるかの毎日ーーー

    『晴れても雪でも』の文庫帯が同郷のいくえみ綾さんだったので関心を持ち、はじめて読みました。
    出会えてよかった。
    ひとの日記を読むのが好物な私の琴線をバンバン刺激し、まいにちを惜しみなく文章に落とし込んでいて、夢中だった。通勤の完全なる癒やしだった。

    仲間もおもしろい
    お酒のむ旅で楽しく羽目をはずして大層な骨折したり。
    編集さんもおもしろい。
    なまはげの絵文字(と、この文章を打ってはじめてなまはげの絵文字があることを知りました)だけ送ってきたり
    年賀状の子供の写真の横に「原稿をもらえなければこの子達が路頭に…」と書いてあったり。
    家族もおもしろい
    公子さんに隠れてコソコソお菓子を食べる咳き込みの日記なんかは同じ屋根の下に住んでいそうな気がしてくる。
    公子さんも口内炎に名前つけたり日々が常にどこかユニーク

    登場人物全員いとしくなる。

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著者プロフィール

1960年代、北海道札幌市生まれ。文筆家。2005年、ネットの公開日記をまとめた『枕もとに靴――ああ無情の泥酔日記』で寿郎社からデビュー。著書に『最後のおでん――続・ああ無情の泥酔日記』『ぐうたら旅日記――恐山・知床をゆく』(以上、寿郎社)、『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』『すべて忘れて生きていく』『私のことはほっといてください』(以上、PHP文芸文庫)、『ロスねこ日記』(小学館)、『いやよいやよも旅のうち』『石の裏にも三年』『晴れても雪でも』(以上、集英社文庫)など。

「2020年 『ハッピーライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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