勝手に! 文庫解説 (集英社文庫)

  • 集英社
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本棚登録 : 86
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453652

作品紹介・あらすじ

依頼がないと書けない文庫解説。だけど解説を絶対書きたい本がある。本当に勝手に書いちゃいました! だから面白い! 北上次郎氏、池上冬樹氏、大森望氏、杉江松恋氏による巻末座談会も必読です。

感想・レビュー・書評

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  • 盟友・椎名誠さんも絶句の急死…小説界最高の水先案内人・北上次郎さんの「編集者魂」に触れた26年前の夜 : スポーツ報知
    https://hochi.news/articles/20230217-OHT1T51221.html?page=1

    本は「文庫解説」から読む? 型破りなブックガイド『勝手に! 文庫解説』で本の読み方が変わる! | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/news/262368/a/

    勝手に! 文庫解説/北上 次郎 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-745365-2

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      5552さん
      そうですよねぇ、、、専門店でもないと扱いが悪いですから。
      猫は処分されて、どの程度残っているか数えてません。
      手元から無くな...
      5552さん
      そうですよねぇ、、、専門店でもないと扱いが悪いですから。
      猫は処分されて、どの程度残っているか数えてません。
      手元から無くなった時に悟った?のは、図書館から借りられない本は、置いておけ!でした、、、
      2023/02/28
    • 5552さん
      猫丸さん

      猫丸さんはご自身ではなく他の方に処分されたんですね。
      それは口惜しいでしょう。
      嫌なこと思い出させてごめんなさい。
      あ...
      猫丸さん

      猫丸さんはご自身ではなく他の方に処分されたんですね。
      それは口惜しいでしょう。
      嫌なこと思い出させてごめんなさい。
      ああ、図書館から借りられないなんて、そんな貴重な本を…。もったいない。


      2023/02/28
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      5552さん
      > 嫌なこと思い出させて
      いえいえ自業自得なんです。過ぎたるはナントカですし、、、
      5552さん
      > 嫌なこと思い出させて
      いえいえ自業自得なんです。過ぎたるはナントカですし、、、
      2023/02/28
  • 2015年10月19日購入。

  • 稀代の一流の読み手である北上次郎が、勝手に!書いた文庫解説集。日本の小説12本に海外の小説16本に書き下ろし2本を加えた全30本の文庫解説を収録。巻末には、池上冬樹、大森望、杉江松恋、北上次郎の四人による文庫解説スペシャル座談会も収録。

    全30本の解説を読むと、対象となる文庫本に留まらず、同じ著者の他の作品や他の著者の同じ系列の作品などにも触れるなど、非常にマニアックな内容になっている。このような本の世界の広げ方は、本好きにはたまらない。

    個人的には、この解説集で紹介されている本の半数は既読作であるのだが、未読作で読んでみたいと思ったのは、沢木耕太郎の『波の音が消えるまで』とハーバート・バークホルツの『心を覗くスパイたち』の2作であった。

    …ここからは、北上次郎の文庫解説の幾つかに触れてみたい…

    『絆回廊 新宿鮫10』大沢在昌。解説というよりも、新宿鮫論といった方が良さそうな、なかなか鋭い切り口の内容。シリーズの第1作から第10作までを辿りながら、他の大沢在昌作品も例に挙げ、新宿鮫シリーズを総括している。

    『水上のパッサカリア』海野碧。これまで、海野碧作品を高く評価する人には余りお目に掛かったことはなく、従って、これは極めて貴重な解説ではないだろうか。個人的には女性作家ながら、高いレベルのハードボイルドを描く素晴らしい作家だと思っている。しかし、残念なことに大道寺勉を主人公にしたハードボイルド・シリーズは、この『水上のパッサカリア』を皮切りに『迷宮のファンタンゴ』『真夜中のフーガ』の3作で終わっている。このシリーズ以外でも、海野碧作品は『アンダードッグ』『篝火草』の僅か2冊しか無く、この寡作の度合いはデビュー作の『水上のパッサカリア』が低評価だったことに起因しているのかも知れない。

    『抱影』北方謙三。北上次郎はこの作品を絶賛しているが、自分は駄作だと思っている。昔の北方謙三の作品は読んでいて、身体の中に熱いものが滾るようなエネルギーを感じたのだが、この作品は恋愛小説か、変態小説か、少なくともハードボイルドではない、といった内容だった。読み手によって、受け止め方、評価が分かれるのは当たり前であるのだが…

    『夜の終わる場所』クレイグ・ホールデン。北上次郎が解説しているように傑作である。描写力と造形力が群を抜いており、ストーリー全体の雰囲気が良い。この作品に続く、『リバー・ソロー』『この世の果て』『ジャズ・バード』も傑作であったが、10年以上も新作が翻訳されていないのは残念なことだ。

    『死にいたる愛』デイヴィッド・マーチン。なかなか、この作家を評価する人も多くはない。扶桑社海外ミステリーが元気な頃の傑作の一つ。『嘘、そして沈黙』『誰かが泣いている』『死にいたる愛』『過去、そして惨劇の始まり』と全て面白い作品だった。この作家も翻訳が途切れて久しい。

    『暗殺者グレイマン』マーク・グリーニー。近年の冒険小説の傑作中の傑作。蘇る冒険小説全盛の頃。『暗殺者グレイマン』を皮切りに『暗殺者の正義』『暗殺者の鎮魂』『暗殺者の復讐』と次々、シリーズ作が翻訳され、今後の翻訳も楽しみなシリーズ。

  • 『すでに文庫になったものを取り上げるケースは少なくないが、それはその文庫解説に不満があるからではない。おれのほうがもっといい解説が書ける、と言う自信があるわけでもない。素晴らしい解説はすでにあるけど、でもしかし、おれにも書かせろ、と言うニュアンスにすぎないのだ』
    この感じが面白い。個人的に、文庫本の解説を読んだ時に、たまにしっくりこないことがあって、好きな書評家さんが、もしこの解説を書いたらどうなのかなあ、、、と思うことがある。そんな思いをちょっと叶えてもらえたような。

    巻末で、スペシャル座談会として、池上冬樹・大森望・杉江松恋・北上次郎の4名が対談をしている。その中で、大森さんが北上さんに「解説を依頼されたのが(シリーズの)別の巻でも、自分が好きな『少年計数機』の話を書くじゃないですか。作品はあまり関係ない(笑)」とおっしゃっていて、笑ってしまった。そこが私は好きだったりもするのだが、たまに北上さんの書評を見かけて読むと、半分くらい別の作品の話してない?っていう時があるのだ。この『勝手に!~』の中にも、そういう解説いくつかあったな。でも、北上さんのそういう解説にはその作者への思い入れが込められていたりして、読んでいて楽しいし、たまたま、自分が好きな作家さんの解説で、そこに挙げられている他作品も読んでいたりすると、へえ、北上さんはこっちが好きなのか、などと思ったり。
    ところで、本書の中で北上さんが、佐藤正午さんについて『佐藤正午の小説はいつもわかりにくい。それはテーマやモチーフがいつも見えにくいからだ』とおっしゃっていて、うんうんと頷いてしまった。そういう作品の方が真の本好きには面白いのかもしれないし、そういう作品の「面白さがわかる」と言ってみたい自分がいるのだか、何作品か読んだ中では、また分かりにくい、、読み返さないとよくわからない、、、だったので、少し嬉しくなってしまったのだ。(とはいえ、当然ながら北上さんはきっちり構成の面白さなど解説されていて、私の「分からない」とは次元が違う)

  • 2016/12/10購入
    2017/4/17読了

  • 連載があっさりと終わってしまったので、どうなるかと思っていたら、書籍化。よかった。でも、まだまだこの企画を読みたい。

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京都出身。明治大学文学部卒。エッセイスト、文芸評論家、編集者。本名:目黒考二(めぐろ こうじ)。ジャンルごとに異なるペンネームを使用。私小説の目黒考二、ミステリー文学評論家の北上次郎、競馬評論家の藤代三郎(ふじしろ さぶろう)など。2000年まで「本の雑誌」の発行人を務める。 2011年「椎名誠 旅する文学館」の初代名誉館長に就任。主な著書に『書評稼業四十年』『冒険小説論』『息子たちよ』『余計者の系譜』『エンターテインメント作家ファイル108 国内編』『感情の法則』『記憶の放物線』などがある。

「2021年 『阿佐田哲也はこう読め!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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