猫背の虎 大江戸動乱始末 (集英社文庫)

  • 集英社 (2015年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784087453683

作品紹介・あらすじ

時は安政二年十月二日、凄まじい地震が江戸を襲った。あたり一面が火事で焼け、それに乗じた無法者が横行するなか、臨時の町廻り同心・虎之助は人びとのため、事件解決に奔走する!(解説/吉野仁)

みんなの感想まとめ

主人公が様々な事件を通じて成長していく姿が描かれた物語で、安政江戸地震を背景にした町方同心のミステリーが展開されます。地震による混乱の中で、無法者たちが横行する状況を打破すべく、主人公・虎之助が奮闘す...

感想・レビュー・書評

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  • 時は幕末。黒船来航に揺れる江戸を、追い打ちのように安政の大地震が襲う。壊滅的な被害のなかで求められたのは、人心の安定、物価の抑制、そして治安の維持――町奉行所の負担は一気に重くなった。

    同心・大田虎之助は、臨時の市中見廻り役を命じられる。もとより手薄な与力・同心にとって、震災後の混乱は手に余る。父は深川で「仏の大龍」と慕われた大田龍之助。その威光を背にした抜擢である。

    とはいえ当人は、大柄に似合わぬ小心者。背を丸めた姿から「猫背の虎」とあだ名される始末だ。だが、父の旧知である目明し「噛みつき犬の松五郎」の助力もあって、事件は思いのほか鮮やかに片付いていく。

    注目すべきは、その解決の仕方だ。虎之助は手柄を競わない。当事者が納得する落としどころを選ぶ。だからこそ、「猫背の虎」はいつしか「大虎の旦那」と呼ばれるようになる。力ではなく、収め方で評価を得る男である。

    もっとも、外での評判と内での立場は別だ。八丁堀の役宅に帰れば、達者な母と歯に衣着せぬ出戻りの姉二人が待ち構える。毎夜のように叱られ、酒の肴にされる。ここでは「大虎」も形無しだ。

    だが最終局面で光るのは、その母・真木の推理である。事件の核心を射抜き、事態を決着へと導く。家族は単なる厄介者ではない。最後に効く「後ろ盾」として機能する。

    騒然たる時代を背景にしながら、描かれるのは力みのない人情と機転だ。大仰な英雄譚ではない。収め方で世を渡る男の、実務的な強さが際立つ一作である。

  • 主人公がいろいろな事件を通して成長していくお話。
    あの有名な地震を題材にした時代物。おもしろかった。

  • 作者 真保裕一氏の時代小説を、初めて読む!
    まず、ずっと、『まほゆういち』と思っていたのだが、『しんぽゆういち』であった事に、気付く!
    我ながら、今頃気付くなんて、笑ってしまう。

    大江戸動乱始末!と表紙に書かれていて、安政の大地震!
    今で言うと、M7の地震であり、当時の江戸の町は、木と紙で作られた家並み!
    江戸の火事の多さで、一つ火事の場所があると、導火線の如く、広がる!
    火事を止める為に 潰しやすく、又直ぐ建築出来るようにしてある。

    そんな中、主人公24歳の同心、それも6尺(182㌢)の長身で、父亡き後、母に姉達に頭が、上がらない設定にしてある。

    読みながら、結婚はしていない 主人公虎之助なのだが、ドラマの必殺仕事人の婿殿!を頭に浮かばせる。

    地震で、奉行所の救援活動、二次災害や米の奪い合いなどの無いよう治安を治めて行く中、自分の結婚問題、新吉原の遊女の話、米の転売、父親の素行、盛り沢山の話。
    そして、母親の洞察力の凄さ!
    焼かれた亡骸から押し込み強盗への 推量が、盗賊逮捕へと!

    あまりにも、沢山の出来事とこの天災の中不審な遺体の解明が、主人公虎之助でなく、母親である事に、少し内容の中心になる部分が、わからなくなってしまった。
    続編が、あるのだろうか?
    この本は2015年10月25日 第一刷であった!

  • 2019/12/7 Amazonより届く。

  • 縦軸に安政江戸大地震や父親の過去、殺人事件に主人公の恋、横軸に災害や不運に翻弄されつつも懸命に生きようとする庶民たちに起こった事件が配置。盛りだくさん過ぎて消化不良な印象。時代劇ならではのすっきり感不足になってしまっているのが残念。

  • 異色の時代物といっていいのでないかと思う。なぜなら、主人公たちの価値観が一般的な時代物のヒーローやヒロインたちのそれとかなりずれているからだ。プロットにひねりや工夫は見受けられないけれど、このずれが予期せぬ味わいを感じさせているように思う。賛否両論あるとは思うけれど。

  • 安政の大地震をバックにリアルな幕末の雰囲気が知りたくて手に取った一冊。一種の短編連作で、必ずしも章ごとで完結していないのはイヤではないのですが、最後までストンと落ちないところがあるのは少し気になった。特に始め頃に登場する「清次」の行方は気になる・・

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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