6 シックス (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2015年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087453805

作品紹介・あらすじ

野球選手としての不安と自信と孤独……東京六大学野球を舞台に、甲子園後の選手たちの人生とその選択や葛藤などを切なく、熱く、見事に描ききった連作青春小説集。(解説/大越健介)

みんなの感想まとめ

孤独や葛藤を抱える若者たちの姿が描かれたこの物語は、東京六大学野球を舞台に、選手たちの人生と選択を切なくも熱く紡いでいます。エースピッチャーの星隼人を中心に、各大学の学生たちがそれぞれの夢や誇りを持ち...

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は東京六大学。
    早稲田大学野球部のエースピッチャー・星隼人。
    ”銀縁くん”の愛称で親しまれるスター選手と、同じ時代を過ごした学生たちの物語。

    各大学に分かれた章ごとのリーグ戦星取表と、その記事がとても面白くて、
    くすくす笑ってしまった。
    元東大の投手で、ニュース番組のキャスターだった大越健介さんの解説もよかったです。

    物語の軸になる星隼人。
    人気も実力もあって、欲しいものはすべて持っているかのように見えた。
    なのになぜ誰にも心を開かず、いつも苦しそうな表情でマウンドに立つのか…。

    早稲田に入って野球をするということ。
    ピッチャーでありつづけること。
    背負ってきたものの重さと、孤独な苦しみを知ったとき涙があふれた。
    友の墓前に響き渡る”都の西北”。
    きっと隼人と一緒に歌っていたね…。

    マウンドの隼人にむかって、
    「俺の人生ではお前が脇役なんだ」と言ったチームメイトの言葉が忘れられない。
    夢をかなえられなくても、
    努力が大きな実を結ぶことがなくても、
    不本意な道を歩まざるをえなくても、
    どんなちっぽけな人生でも、主役は自分なんだ!と勇気づけられた気がしました。

    最後の早慶戦で隼人が見上げた神宮の空のように、
    爽やかで清々しい物語でした。

  • 様々な要素を巧みに織り込んだ短編連作集。各編終わりの星取表のにくい演出にニヤニヤする。明らかにカレがモデルのエース星の背景に触れた時、そっと落涙。
    「俺の人生ではお前が脇役なんだぜ。」いいよ、凄くいい。読後感は爽快。

  • 『シックス』というタイトルは東大、早稲田、慶應、立教、明治、法政のいわゆる東京六大学のこと。……その東京六大学野球を舞台に、甲子園後の選手たちの人生とその選択や葛藤などを描いた小説だ。ちなみに6章から構成されており、それぞれの大学の若者を主人公としてオムニバスで物語は展開する。ちなちに作者の早見和真さんは元高校球児で國學院大学を卒業している。

    僕の卒業した法政大学の章は『若き日の誇り』というタイトルで、野球部のレギュラーになれずにマネージャーになった若者の話だったが、冒頭に『法政大学は脳みそが筋肉、六大学のツラ汚しと言われ…』と書いてあった確かに早稲田、慶應には入れず(東大は到底除外)、立教ほどおしゃれではなく、明治にはライバル心をメラメラ燃やす(明治には相手にされず)ような、そんな学生が多かったかなあ…

    早見さんの小説で『アルプス席の母』という作品も読んだが、一人息子を全寮制の野球の強豪校に入れ、甲子園を目指すシングルマザーの話だった。スポーツの強豪校の活躍の裏には並々ならぬ親御さんの苦労があるんだよね…大学まで進み、野球をさせてもらえるのはやっぱり恵まれている環境なんだろうね。(ずっと就職するまで親のスネかじりをした僕には言えた義理ではないが)

    小説の中の各大学の主人公たちは、ピュアに愛校心を持ち、大学の看板を背負って神宮球場で戦う。
    しかしやっぱり物語は早稲田が主役で終わるのが、ちょっと悔しい?なあ。まあそもそも大学野球に興味無い人には、全く面白く無いだろうなあ。

  • 東京六大学野球に関わる短編集。

    野球の話に限らず関わる話を集めたもの。内容は読みやすい。実際にありそうな話

  • 人の名前を覚えるのが苦手な自分にとっては、なかなか感情移入が難しかった

  • 東京6大学。それぞれの大学にいる野球部員の物語。それぞれにドラマがあるもなの、繋がりがなかったのが少し残念。メインは早稲田の星投手。個人的には東大の真澄投手の物語がもう少し欲しかった。やはり作者が球児であるからか野球小説はなかなかのものがある。

  • 1話目の深町真澄のお話が好きでした。

  • 甘酸っぱい青春がこれでもかと詰まった短編集
    野球を通じて違う形でそれぞれ打ち込む様が良かった。

  • 図書館のヤングコーナーで。
    6大学野球をめぐる選手やまわりの人たちのオムニバス。
    早稲田の銀眼鏡くんはハンカチ王子がモチーフかな?
    読みやすかった。

  • 深町真澄
    野球部。補欠。高校一年で野球部を辞めた。東大生。三年で肘を壊す。投げ方をアンダースローに変える。

    山本真吾
    東大の野球部のエース。

    真澄の父
    八百屋。もう年の大投手の名前を息子につけた。

    紗英
    真澄の妹。

    土田一成
    山藤学園のエース。ドラフト一位でプロへ進んだ。^_^

    星隼人
    京浜高校のピッチャー。サウスポー。早稲田へ進学。デビュー戦の東大戦でノーヒットノーランを達成。

    矢野光二
    東大の臨時コーチ。『左投手の勝利学』の著者。

    柴田博嗣
    京浜高校出身で慶應の四番打者。

    西宮吾郎
    法政大学野球部マネージャー。柏木楽器へ就職が決まっている。

    太田清郎
    野球部監督。

    木下
    法政のエース。

    加藤
    法政大学野球部キャプテン。

    前川茂之
    法政大学野球部マネージャー。吾郎の後輩。

    渡辺
    法政大学の四番。

    ニシジマツヨシ
    多摩商経大学文学部四回生。

    北島一雄
    明治大学商学部。

    新藤友之
    明治大学法学部。

    笹部良太
    三洋商事第二ビジネスソリューション本部営業課主任。

    佐山明子
    立教大学。文学部。

    エミ
    明子と同じ文学部。雑誌の読者モデルをしているという派手な子で歌手デビューを目指してレッスン中。口数は多くないが、何かと面倒見のいい子。

    加奈
    エミとは反対におしゃべり好き。

    篠田功二郎
    東京ジャイアンツの監督。慶應の野球部。

    山田紀子
    慶應義塾中等部から慶應。大学二年の時に篠田と付き合う。

    山田和明
    慶應を出て四年目に司法試験を突破。

    山田俊哉
    和明、紀子の一人息子。慶應の野球部。

    土田一成
    俊哉が入っていたリトルリーグで四年生にしてエース。

    北澤祐介
    小学校で隼人を強引に野球の道に引きずり込んだ。

    庄司琢郎
    早稲田の学生トレーナー。

    長岡平助
    毎朝新聞の記者。

  • 東京六大学野球に関する短編集。
    ・赤門のおちこぼれ
    ・もう俺、前へ!
    このふたつは主人公の悩みに立ち向かう姿が初々しくて良かった。
    どの話も早稲田のエース、星君が物語全体のキーパーソンになっている。
    その星君と他大学の対戦結果は各章の最後に新聞記事で知ることが出来て、面白い仕様だと思った。
    みなさんおっしゃっているように、『俺の人生ではお前方が脇役なんだぜ』刺さったー!
    若いっていいなー!

  • 俺も野球をやっていた。信じられないくらい控えだった。野球が大嫌いと思っていたけど、本当はやっぱり好きだった。

  • さらっと読んだ。

  • 読みやすかった。

  • ただの青春野球小説ではなく、たくさんのドラマがあって胸が熱くなったー。
    どれもよかったけど、東大の深町くんの話が一番好きかな。
    あと慶応の俊哉くんおもしろすぎ。笑

  • ひゃくはちに続き野球小説だと思い始めて読むとかすかに違う。シックスとは6つの人生のオムニバス。ラストにデータや新聞記事を置き読者に想像の余地を残す著者ならではのスタイル。巻末の解説によると著者は桐蔭学園野球部出身という。なるほど納得。

  • 野球の話なのに9ナインじゃなくて6シックス?
    と思ったら東京六大学野球の話ってことやった、六大学それぞれの野球部じゃない人からOLまで、様々な立場の六大学野球にちなんだ小説を6つあつめた作品集。

    作品集の大きな軸となる銀縁王子こと星隼人、この子明らかに斉藤祐樹がモデル。今の彼を考えるとなんだか複雑というか、本人には悪いが物語に厚みが出るというか…。

    6作の中では「もう俺、前へ!」が一番好き。実は野球から一番遠いとこにいる作品なんだが、題名の通り、勇気をもらえて前に進める秀作で、この本のテーマである「俺の人生ではお前の方が脇役」を一番表現できている作品だと思った。

    その他の5編も上出来。直球あり変化球ありボール球もあるが、いずれも捨て球なし真っ向勝負!
    あっという間に読み終わってしまったが、いや実にいい読書時間を過ごさせてもらった。

  • 早稲田大学野球部のスター投手「銀縁くん」こと星隼人を中心に、東大の補欠選手、法政の野球部マネージャー、明治の就活生、立教の女子学生、慶応の野球部員の母親という、東京六大学野球に関わる6人の物語の連作短編集。
    こういうオムニバス形式で「普通の」人々の人生物語を集めた短編集は個人的に結構好きで、この本もなかなか面白く読めた。東京六大学野球がテーマなので、野球について知識があれば、より楽しめたかもしれない。
    明治の就活生が主人公の「もう俺、前へ!」、「銀縁くん」の抱えてきた重荷を描いた「都の西北で見上げた空は」がとりわけ面白かった。「もう俺、前へ!」は最も野球とは離れた話だったが、就活小説としては白眉といえる作品だと感じた。

  • 著者初読み。東京六大学野球を舞台にした、各大学の野球部員と周辺の人物らにまつわる物語。各章ごとにミニ新聞のような感じで、試合情報などの記事が掲載されていたのが面白い。大学のミスコンのこと、東大をめざしていた人物が明治大に入学し、就職活動でのエピソード、担当者が早稲田野球部OBだったこと、スポーツ推薦で入学した学生の就職活動の様子、プロ入りが期待される野球部員のドラフトの運命など、それぞれの心情などを事細かに描かれていて野球からいくつのもストーリーがあり、深みを感じた。

  • 野球の話だけど、9じゃなくて、6。

    甲子園の優勝投手で早稲田に進んだエースピッチャーを軸に、東京六大学、それぞれの学校に縁の6人の視点からの物語。
    神宮での熱戦は、物語の舞台のこともあるが、ひっそりと背景に写りこむように紛れ込んでたりもする。6人の主人公は、トップ選手から、野球のルールもよくわからないという人まで。

    そう、もう一つのキーワードは、主人公。スポットライトの中心にいる者だけが主人公ではないと繰り返される。

    6つの章の末尾には、試合結果の小さな記事が添えられ、いろんなことが発見できそうなとこも楽しい。ボールに当たった人が2人出てくるのだが、そのうち1人は、ちょっとかわいそうと思ってしまった。
    楽しみながらも、今、現実に行われてる試合にも、同じようにドラマがあって、主人公がそこかしこにいるのかも、というメッセージにも思われた。

    それにしても、お嬢さん学校出身の女学生よりも、教育ママの下、有名大学に進み、だけど、今は、午前1時を過ぎて、一人紅茶を入れて、別に好きでもない韓流ドラマをぼんやり眺める専業主婦の心情の方が、近いものに感じられたのには、苦笑。
    少年野球の母親の間のヒエラルキーやら、有能とは言いがたい指導者やら、後援会組織のことも、ちょこと描かれていて、競技スポーツにまつわる苦味の部分も面白い。

    とは言うものの、野球を見るのが大好きなので、やっぱりトップバッター(彼はピッチャーだけど)の未だベンチ入りを果たせていない東大4年生の物語が、冒頭からがっんと来て、お気に入り。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。
2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2020年『ザ・ロイヤルファミリー』でJRA賞馬事文化賞と山本周五郎賞を受賞。同年の『店長がバカすぎて』、2025年の『アルプス席の母』は本屋大賞にノミネート。
その他の著作に『95』『笑うマトリョーシカ』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』などがある。

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