共犯捜査 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087454666

作品紹介・あらすじ

福岡県警捜査一課の皆川慶一朗は、誘拐犯を追い詰め溺死させてしまう。だが共犯者の存在が浮かび、次なる幼児誘拐が発生! 残忍な共犯者たちを追う熱き刑事魂を描く書き下ろし。(解説/梶屋隆介)

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ3作目。皆川ががんばってるけど…色々困ったり失敗したり…大変です。桜内さんよりは可哀想とは思えないのは皆川が若いからかなぁ?好みかもしれないです。。。

  • 「検証捜査」の兄弟編と言うか、あとがきには「捜査」シリーズと言う名称も。とにかく、「検証捜査」で集まったメンバー、一人一人に焦点を当てたシリーズの第3弾。今回は福岡県警の皆川が主人公。管内で起きた誘拐事件を軸に物語が進んでいく。誘拐事件と言っても、一筋縄ではなく、「犯人逮捕か?」と思わせておいて、次々に新たな真実が明るみになっていき、ラストは「ここまで複雑にするか?」と思わせるような内容。前2作と違って、警察絡みの犯罪ではなく、シリーズの中で一番読みやすい。幼児誘拐と言う事件に、子供が生まれたばかりの皆川が自分の中の感情と闘いながら挑んでいく姿も感情移入しやすい。さて次は大阪県警か、問題がたくさんありそうな北海道警か、そちらも楽しみ。

  • 今作の主人公は皆川

    皆川に対してシリーズ1作目とは違う印象を受けた
    1作目『検証捜査』では、浮いていた神谷と(嫌々)付き合う人当たりが良い印象
    今作では突っ走っていく、我が道を行く漢!九州男児!(九州男児の皆様不快に感じたらごめんなさい)という印象
    物語の始まりが犯人死亡という警察の失敗で、挽回し共犯を見つけ出すと奮起している様子からこの印象になったのかもしれない

    作品内の時間経過が分からないのが良い
    休みをとる描写は複数回あるが、皆川の犯人を見つけたいという焦燥感を感じられる

    大人達の欲に塗れた誘拐事件
    被害者の祖父が警察に息子(被害者の父)は何を聞いたのかと問い合わせをする
    おかしい、怪しい
    でも人間関係は繋がらない
    やはり闇サイトかと、
    繋がらない人間関係を『闇サイト』で繋げたところが前作と同じで少し雑かなと思った

  • 出だしから被疑者が溺死するスタートで、えっ⁉︎となった。ただそのあとからが迷路みたいに二つの事件と幾つもの怪しい人間がワラワラ出てきて、先が読めない展開に。。。
    最後の最後に真犯人が誰かが分かって、こいつかー!と(笑)ちゃんと伏線も回収。

    刑事小説も世の中にたくさん存在して、事件や解決までの経緯をずっと描いていくものもあるけれどこの小説は、刑事としての主人公の顔(ちょっと愚直で鈍臭いけれど)とそのプライベートな部分の顔、どちらもほどよく盛り込まれていて個人的には良かった。刑事と言えども人間で、妻子ある人もたくさんいるだろうから。

  • 捜査シリーズ第3弾。
    警察内部の問題がテーマともなっている前2作と異なり、今作は警察が総力を挙げて取り組む誘拐事件である。
    人質がどうなるか、身代金の受け渡し場所及び方法、タイムリミット問題も絡み、誘拐を扱った小説は、どれも緊迫感をもって読ませる。
    この作品はさらに、誘拐事件の裏にもう一つ謎があるようで、504頁もその厚さを感じさせず、このシリーズ一番の傑作と言っていいか。
    今回の主人公皆川刑事は、『検証捜査』に出ているというが、余り印象にない。読んだのが4年前ということもあり、内容自体あまり記憶にないが(笑)。
    10歳年下の妻と、生まれたばかりの赤ん坊がいるという家庭環境の皆川刑事。困難な捜査の過程でも、つい彼女らのことに思いを致し、それがまた捜査への活力ともなるマイホーム的な一面が処々に出てくる。さらに、上司からは、気合が入っていない、やる気が顔に出てないと、しばしば指摘される。
    しかし、己の失敗を自ら取り戻そうと、銃弾によるけがを負いながらも猟犬のごとく、捜査にまい進する刑事でもある。
    どうにも共感を持ちえなかった第2作の主人公若林警部とは真逆で、皆川頑張れと、エールを送りたくなるキャラである。
    『検証捜査』に集結した刑事としては、あと北海道警と大阪府警の刑事がおり、今後このシリーズの主人公となりそうで、楽しみである。

  • このシリーズは、初めて読んだ。連続誘拐事件ものだ。話のすじとしては、なかなかあり得ない展開だが、あり得ない展開が、かえって面白い。そして事件の始まりが、まさか、彼が…。実の親子なら普通はあり得ないだろうと思うのだが、そう思うのは私だけだろうか?

  • ごりごりの警察小説
    主人公の皆川刑事が疲弊するのに合わせて読者も疲弊してしまうようなリアルさがありました

  • 検証捜査シリーズの第3作。と云われても実は皆川君のことはあまり覚えてなくて、永井や神谷が出てきて、「あ~あ」って思い出した感じ。でも、この話もなかなか裏があって面白かった。確かにあの人たちは最初からおかしな感じなんだけど、そう云うこととは・・・
    また、主人公は変わりそうだが、第4作も楽しみ。

  • 共犯者は誰か。これはよめなかった。

  • 公務員って言っても、警察は大変、犯罪を起こすのも人間、取り調べを行うのも人間、人は誰しも狂気は持っている。ただ表に出すか出さないかの違い 皆川刑事も福岡県警に来て、ずいぶん経つが良く頑張っているまだ若いので、今からこれからですね。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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