- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087454741
作品紹介・あらすじ
美人だけを狙い凄惨なやり方で殺害する「青ひげ」。事件解決の糸口が見えない中、素人探偵・明智が登場。「青ひげ」=蜘蛛男事件は解決するのか!?(解説/万城目学 年代記(クロニクル)/平山雄一)
感想・レビュー・書評
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万城目学さんの解説が全てを語ってくれています。
流れるような文章で、ページをめくる手が止まりません。
トリックも犯人も直ぐに分かるし、DNA鑑定など無い
時代でも、このトリックはダメだなと思ってしまいますが
ともかく、淫靡で残虐な恐ろしいムードが素晴らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好みの女性を好みの方法で殺害する蜘蛛男と明智小五郎との対決。と言っても、明智は後半まで不在で前半は畔柳博士&浪越警部が動く。乱歩といえばのエログロあり、驚きあり、笑いあり?で楽しかった!万城目氏の解説もとても良い。乱歩は裏切らないなぁ。
そして今作の平山氏の年代記がとても良い。痒いとこに手が届いている感じ最高。パノラマ館の話とか知らなかったのでとても興味深く読んだ。こういう時代背景の説明が添付されるとほんまにありがたいなぁ。
引き続き楽しく読んでいきたい。 -
なんだろう。。ほんと好き(笑
その時代へタイムスリップし、目の前で繰り広げられてるかのような没入感と臨場感。
トリックが不完全だろうが、明智小五郎がヘマしようが、こんなに面白いと感じられる小説を書けることがすごい。記憶に残り続ける面白さ。 -
乱歩はポプラ社の「少年探偵シリーズ」を小学生の時分に随分と読みましたので、多くはそれらの原作である大人向けの通俗物は実はほとんど読んでいませんでした。
『蜘蛛男』も初めて読みましたが…この、穴だらけ、先が読めてしまいまくりのストーリーも、乱歩独特の語り口と相まって「味わい」となっているところが…今更ながら…魅力な訳で。楽しいですね。 -
事件解決に向けた論理的な推論を楽しむ要素がほとんどなく、ジャンル分けすると異常性格者による犯罪の経緯とその終結までを楽しむホラー小説に近い範疇に含まれると思う。
残酷で猟奇的な雰囲気は漂うが、スプラッターな描写はなく、ナレーション的な説明が多いのは若年層の読者を意識しているからか?
ツッコミどころも多いが、テンポよく展開を楽しめる。
巻末の年代記が一番面白い。 -
読了 20230226
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レビューを書くのが読み終わりから時間があいてしまい正確に残せてないかもしれない。
江戸川乱歩独特の気持ち悪さで人が殺され、話が進められていた。
物語のオチになると思ってた段階がまだ中間地点でそこから先もドキドキしながら読んだ。
トリックや犯人はネタバラシされると驚きではあったが、言われてみれば確かになというように感じた。
ミステリーをよく読む人は犯人の推定くらいはできるかもしれない。
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明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた画期的なコレクションの第3巻。
この作品を境に、これまでのミステリー寄りの作品から一転し、大衆寄りの作品に変貌したようだ。昔、ポプラ社の『少年探偵江戸川乱歩全集』に収録された同作を読んだ記憶があるが、読み返してみると少年でも理解出来るものの、少年向けの作品というよりも、大人向けの作品であったことが解る。
残虐で凄惨な連続殺人を繰り返す蜘蛛男。冒頭から、この奇っ怪な事件で探偵役を務めるのは畔柳博士と助手の野崎、波越警部であり、明智小五郎は登場しないのかと少しやきもきする。残りページが3分の1になり、明智小五郎がようやく登場する。そこからの二転三転、怒濤の展開の面白さ。そして、意外な犯人の正体とは…
巻末には平山雄一の『明智小五郎年代記 3』が収録させており、本作が上梓された時代の背景などが紹介されている。万城目学の解説も面白い。 -
第3巻。収録作は長編『蜘蛛男』。
最初に読んだのは何歳だったか……懐かしい。確かに解説でも言及されている通り、ミステリとして瑕疵があることは事実だが、それよりも何よりも、ついのめり込んで夢中で読んでしまう。そうやって何度も読み返したなぁ……。