博物館のファントム 箕作博士の事件簿 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087454925

作品紹介・あらすじ

呪いのルビー、ニセモノの化石、大型模型の中に隠された植物標本……博物館には謎がいっぱい! 変人博物学者・箕作と女性分類学者・環のコンビが活躍する「博物館ミステリー」誕生!(解説/吉田伸子)

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本のより単行本の表紙絵の方が本の内容の雰囲気を出していて断然いい。国立自然博物館の博物学者の箕作類とコンピューター技師の池之端環の二人が遭遇する事件を描く連作短編だ。最初は蘊蓄だけが頼りの話かなあと思ったが、だんだんと面白くなる。いろいろないわゆる博物学の知識も面白いし、事件とそれを上手く絡めている。二人のやり取りも面白いし、他の登場人物もなかなかいい。最後のデニソワ人と現生人類の関係についての箕作の語りもいいねえ、ちょっと感動した。「四万年前を境に、現生人類の文化は爆発的に飛躍した。文化が飛躍する最大の原動力は、異文化との接触だ。異文化からの感染だ。その相手がネアンデルタール人やデニソワ人でなかったとは、誰にも言えないだろう」

  •  ひょんなことから『国立自然史博物館』で働くことになった池之端環。新人研修の一環として博物館最古の建物である旧標本収蔵室(通称『赤煉瓦』)の整理を任されることになったが、そこにはファントムと呼ばれるクセの強い博物学者、箕作類(みつくりるい)住み着いていて、片付け魔の環に「どんなものも捨ててはならない」と断言!?

     変人で堅物の博物学者と、片づけ魔で怖い物知らずの新人環とのバトル×理系蘊蓄×ミステリの連作短編集。2人の掛け合いを楽しみながら、最終話には手に汗握る展開も。
    続編希望です。

  • ■「どんなものも絶対に捨ててはならない。-これは博物館の第一原則だ」

    国立自然史博物館に預けられていた「呪いのルビー」が狙われた。最近、頻発している鉱物標本盗難事件と関連が?もしや呪いのルビーこそ<幻の宮沢賢治コレクション>なのか?―60年にわたり増改築が繰り返され「迷宮」と化した博物館の旧館に棲みついた、変人博物学者・ファントムことみつくり箕作 類。「何も捨ててはならぬ」が口癖の彼と、片付け魔の女性新人分類学者・池之端 環のでこぼこコンビが解決のために動き出す―!全6編の連作短編集。新感覚サイエンスエンタテインメント!

  • 初読み作家様。博物館を舞台にしたミステリー。楽しい〜。博物館好きだから、わくわくします。なかでも良かったのは呪いのルビーの話と偽造化石のお話。興味のあるものだから、ついつい前のめりになっちゃいました。箕作さん、変人ですけど、いいキャラクターですね~。2人の関係がどう進展するかも気になるので、続き希望です。

  • 個人的に、説明する文章とか、虫系のお話が苦手。これはどちらも出てきて、イヤーだめかも

  • この本でリニューアル版だったんだ。私はかわいいイラスト大好きなので、この表紙は大歓迎です。色使いがとても好き。博物館にまつわる謎はなかなか面白かったので、またこのでこぼこコンビが見れるといいな

  • 歴史や研究のことは難しいので苦手ですが、自然史博物館は結構好きです。興味深く読めました。続きも気になります。

  • 読書録「博物館のファントム」4

    著者 伊与原新
    出版 集英社文庫

    p54より引用
    “ 現代の自然科学において、「博物学」と
    いう学問分野はもう存在しない。もちろん、
    「博物学科」を設置している大学もない。あ
    らゆる自然物の収集と分類を目指した博物学
    は、自然科学の発展とともに、動物学、植物
    学、地質学などの分野に解体されてしまった。
    学問の細分化は、現在もますます進む方向に
    ある。森羅万象に精通した「博物学者」など、
    今や歴史上の存在でしかない。”

    目次より抜粋引用
    “呪いのルビーと鉱物少年
     ベラドンナの沈黙
     送りオオカミと剥製師
     マラケシュから来た化石売り
     死神に愛された甲虫”

     博物館で働くことになった新人分類学者と
    変人博物学者の二人を主人公とした、短編連
    作ミステリ。同社刊行作「博物館のファント
    ム箕作博士のミステリ標本室」改題文庫版。
     国立の博物館に就職し、今後を思いながら
    昼食後の日課をこなす主人公の一人・池之端
    環。仕事場である旧館へ戻ると、同僚の驚く
    ような声が聞こえて…。(呪いのルビーと鉱
    物少年より)

     上記の引用は、博物学という学問分野につ
    いて書かれた一節。
    何かが一つ分かると、それに伴う何かわから
    ないことがいくらでも出てきて、人の歴史が
    前に進むほどにすたれていく分野なのかもし
    れませんね。もし自分から博物学者を名乗る
    ような人は、本物の博覧強記の人物か詐欺師
    のどちらかかもしれません。
     科学とフィクションが上手く混じり合って
    いる面白い作品です。事実と虚構の境界がはっ
    きりとわかる人なら、もう一つ評価は高くな
    るのではないでしょうか。

    ーーーーー

  • お仕事ミステリの中には職業がただの背景になってしまったり、キャラクターの色づけだけでミステリ部分に何ら関与しないものも多いが、これは博物館だからこそのキャラクターと物語とミステリとなっている。
    蘊蓄ミステリとしても面白い。キャラクター小説としても面白い。博物館という空間の魅力も面白い。

  • 図書館から
    名前にこだわり過ぎる
    もう少し違う視点からの内容が良かった

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著者プロフィール

著者紹介
1972)年大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010年『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年『月まで三キロ』で新田次郎賞を受賞した。著書に『磁極反転の日』『蝶が舞ったら謎のち晴れ――気象予報士・蝶子の推理――』『博物館のファントム 箕作教授の事件簿』『ブルーネス』『ルカの方舟』『梟のシエスタ』など。

「2020年 『コンタミ 科学汚染』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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