ばけもの好む中将 五 冬の牡丹燈籠 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087454963

作品紹介・あらすじ

近ごろふさぎ込みがちで、大好きな化け物探訪もぱったりやめてしまった中将宣能。彼を心配した宗孝は、今まで二人で訪れた怪異スポットを再訪しようと誘うことにするが……? 大人気シリーズ第5弾!

感想・レビュー・書評

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  • 12人も姉がいると読んでいても中々認識できない。今回はおさらいのように触れていたので助かりました。
    まだ出ていないのは七と九の姉。どんな風に絡んでくるのか楽しみです。その中でも十の姉は謎だらけでかなり陰謀渦まいてそう。徐々にあきらかになっていくのでしょうか。怪異は進展せずほとんど12の姉と春若の話ですが、この設定好きです。

  • 前巻で殺人があってテンションが下がっている宣能、姉に焚き付けられたこともあるけれど、心配して奔走する宗孝の健気さ!春若(=東宮)の煩悶、微笑ましいですね。「芥川」大作戦には大爆笑! 恋敵が十郎太って、今後どうなりますかねぇ。潑剌とした十二の姉上、自分らしい生き方を諦めないでほしいですね。

  • 十二の姉の心身ともに壮健な姿が笑えてしまうというかなかなかいいなあ。神出鬼没の十の姉も期待に違わず登場する。元気のない中将や初草の君を気遣う主人公も健気だね。

  • 突然世紀末覇者の世界が出てきて笑った。なんとなく嵐の前の静けさというか、着々と舞台を整えている感じがする。 春若には頑張ってもらいたいところ。

  • 右大臣の意外な一面と十二の姉の変わらない破天荒さや春若の可愛さでシリーズ第五弾も楽しめました。
    前作のトラウマで宣能は少し元気なかったですが。

    共感覚や一酸化炭素中毒など1000年後には当たり前に受け入れられる設定を説明付きで平安時代に落とし込むので、今の感覚で楽しめます。

    表紙にも初草が描かれていてこちらも可愛いです。

    次作も楽しみです。

  • 容姿端麗、頭脳明晰、高貴な血筋で将来有望ながら怪異譚に目がない変わった趣味を持つ左近衛中将・宣能(のぶよし)と彼に振り回されつつも親しくなっていく右兵衛佐・宗孝(むねたか)コンビのシリーズ第五作。

    前作のお寺騒動から一息ついたところから始まる。
    いつもなら宣能が怪異譚を仕入れてきて意気揚々と宗孝を現場に連れていく…というパターンなのだが、今回は何故かそのお誘いがない。
    宗孝は怪異に近づく必要がなくてホッとするような、宣能との関わりが薄れていくようで寂しくなっていくような。
    実は宣能は、前作の騒動で人が殺害される現場を見たことから自分の立場を改めて突きつけられて塞ぎ込んでいたのだった。
    そのため元気のない宣能を励ますために、宗孝が本来関わりたくもない怪異譚を仕入れて下調べをし、宣能をその現場に連れていくという逆パターンが出来上がる。

    今作では宗孝の新しい姉上の登場はなし。お転婆な十二の姉君に一方的に恋心を抱く東宮のなんとか彼女を振り向かせたい作戦と、宣能が元のような元気を取り戻せるのかという2つの軸を中心に進んでいく。

    東宮の初恋の方は、十二の姉君は東宮の正体を知らずわがまま放題に育てられたお坊ちゃまと思っているので全く相手にしてくれない。更に東宮の母・弘徽殿の女御にとって十二の姉君は主上(天皇)の寵愛を独り占めしている梨壺の更衣の妹なのだから、もし東宮の恋心が知れたら大変なことになることは容易に想像がつく。

    宗孝は宣能を励ますために懸命に怪異譚を仕入れその現場に連れて行ったり、宣能の妹である初草の君とも親交を深めていく。その中で初草の君の母親と宣能の父である右大臣の驚きの関係を知る。
    この時代そういうことはよくあることなのかも知れないが、たしかに複雑。
    宗孝もそんな兄妹にどう接して良いのか戸惑うのだが、そういう素直さ正直さが宣能や初草の君には好意的に映る。
    その血筋や政治的野心から近づいてくる輩が多い中で、本当に自分たちを心配して親しみを感じてやってくる宗孝は宣能や初草の君にとっては得難い存在なのかも知れない。

    終盤になると宣能も元気になってきて、それはそれで再び宗孝は振り回されていくことになっていくのだけれど、いつものパターンが戻ってきてくれるのは嬉しい。
    そして東宮の恋があまりにも可愛らしくて笑ってしまった。『蜻蛉日記』は読んでいても、頭でっかちなおぼっちゃまであった。プレイボーイの中将・雅平に恋愛指南を頼むところからどんな騒動になるのだろうかとワクワクしてくる。

    まだまだ弘徽殿の女御の存在は怖いし、初草の君がどう成長しどのような将来が待っているのか分からない。
    何より宣能がこれから政治の世界でどう生きていくことになるのかも分からない。
    十の姉君と敵対する狗王の暗躍がどうなるのかも気になる。
    しかし今しばらくは怪異譚探しの世界で宗孝を付き合わせながら宣能にはこころ安らげる日々を過ごして欲しい。
    次はどんな怪異譚、どんな騒動が待っているのだろう。

  • 敵が多い

  • 前巻でのできごとで塞ぎ気味の中将を元気づけようとする宗孝の奮闘――たいへんかわいかったです。
    人間関係がこれからどうなるのかわくわくする。
    このコンビたいへんかわいいし、宗孝にいやされる。

  • 入荷してた。のか、実は在庫がどこかにあったのか。
    そして結構重要な巻だった。
    後々乳母の話とか出てきてたけどここで露見してたのか~ ウウムゥ。

    何事にも動じないような中将だけど目の前で殺人が行われたらショックか。そりゃそうだよな。そして宗孝は良い子だなぁとほんのりします。

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著者プロフィール

1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。
「ばけもの好む中将」、「暗夜鬼譚」シリーズ(ともに集英社文庫)、『怪奇編集部「トワイライト」』(集英社オレンジ文庫)など著作多数。

「2019年 『百鬼一歌 菊と怨霊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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