天に星 地に花 下 (集英社文庫(日本))

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  • 集英社 (2017年5月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784087455847

作品紹介・あらすじ

「人間ちうもんは、命をかけにゃならんときがある」かつて身を挺して増税に立ち向かった家老がいた。ときは過ぎ、百姓たちの生活は再び逼迫し――。慈愛の心を貫く青年医師の目を通して、市井の人々を見た歴史大作。(解説/上田久美子)

みんなの感想まとめ

人は何のために生きるのか、という深いテーマが描かれた物語で、過酷な藩政に立ち向かう農民たちの姿を通じて、慈愛と幸せの本質を淡々と説いています。著者の初期のサスペンス作品とは異なり、優しさに満ちたストー...

感想・レビュー・書評

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  • 人は何のために生きるのか。死なないために、食べるだけに生きるのか。享保年間の九州の過酷な藩政に対する農民の抵抗を通して、人への慈愛と幸せを淡々と説く。著者の初期のサスペンス作品とは趣きが異なるが、本書や少し時を遡り農民が力を合わせて筑後川に堰を築いて農地を開拓するという「水神」は、同じような語り口で安心して内容に溶け込める。外せない小説である。2019.4.21

  • 最高です。全編にわたり優しさに満ち溢れています。まさに慈愛です。
    庄十郎少年を優しく見守る父と母、鎮水先生とつる婆さん。そして立派な医師に成長した凌水先生の患者や子供達へのまなざし。九州訛りがより優しく感じられます。本当によかです。
    電車の中で読むと、涙で目が霞んで困ります。蓬生先生、素晴らしい小説をありがとうございました。凌山先生を主人公にした続編をぜひお願いします。

  • 上巻の一揆は下巻に繋がっているのか、と思わず唸った。兄の遺書に涙を流す。

  • 幕府に翻弄される庄屋、圧政に苦しむ百姓、身命を賭して民を守る名君…。医師を志す大庄屋の次男・庄十郎が成長していく姿を通して、筑後平野に息づく、さまざまな人生の哀歓を描く。

  • 著者の久留米3部作。

    「天に星、地に花、人に慈愛」は決して浮ついた言葉ではなく、治政者、医師の心に刻まれている。

    著者らしく真摯に書かれた中身の詰まった内容で、充実した読了感が味わえる。

  • 時は1700年前半、久留米の大庄屋の次男として生まれた主人公。各地の庄屋を取りまとめる大庄屋は兄が継ぐことは決まっているなかで、自分の道を決められずにいた。
    ある日領主の理不尽な要求に反発した百姓たちが城下を火の海にしようと集まり手に鋤や鍬を持って続々と城下へ向かう場面に遭遇する。結果的には領主と百姓の間に入った家老が事を収めるのだが、その光景は主人公の心に焼きつき、さらにその家老の立派な処置に感銘を受ける。
    そうこうしているうちに疱瘡にかかり生死をさまようが腕利きの医師に命を救われるが、彼がうつしてしまった母と女中が死んでしまう。それを機に兄との確執が生まれ、そして主人公は命を救ってくれた医師に弟子入りすることを決心する。
    20年ほど師匠の元で修業した後、故郷近くで開業。平穏な日々が続くが、代替わりした領主によりまたもや理不尽な要求が課され、本格的な一揆になっていく。
    百姓ではない立場で当時の百姓の暮らしぶりや苦労ぶり、領主の横暴さなどで領民が振り回される様をリアルに描いている。

    当時はこんな感じだったんですよというのと、医師とは本来こうあるべきというのを主人公を通して伝えている感じ。全体的に淡々としていて、一揆などは起こるものの物語として盛り上がるわけでもないので、退屈と言えば退屈。ただ当時の様子がリアルでよく調べているなぁという感じ。

  • 76

  • 享保十九(1734)年~天明三(1783)年
    医師としての技術とそれ以上の心持ち、思想を学び続ける庄十郎。独立を許され開業する。
    そして新たな増税。8歳以上一人につき払えという。裕福な者には大したことは無い。子だくさんの貧しい百姓には‥‥
    起こるべくして一揆は起きる。増税を言い出した藩は首謀者と庄屋、大庄屋を罰して事を治める。
    凌水と名乗りを変え医師として働く庄十郎は、家族の軋轢や百姓の窮状の中で自分の出来ることを少しずつでもしていく。
    彼の言葉で気に入ったのが「人生に大事なものは、はとははとははは」
    歯、母、はははと笑うこと。ホントだ、父が無いのが侘しいけどね (笑)

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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