かたづの! (集英社文庫(日本))

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  • 集英社 (2017年6月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784087455939

作品紹介・あらすじ

柴田錬三郎賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、河合隼雄物語賞の3冠を受賞し、王様のブランチブックアワード2014の大賞にもなった話題作の文庫化。実在した南部八戸の女大名の一代記。(解説/池上冬樹)

みんなの感想まとめ

歴史に翻弄されながらも強く生きる実在の女大名を描いた作品は、時代小説の枠を超えた魅力を持っています。一人称が羚羊という独特の視点から物語が展開し、ファンタジー要素が随所に織り込まれているため、読者は新...

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説棚にあるのがわかっていて、どんどん時間が過ぎてしまった。ようやく読めた。読み応え半端ねえ、その分満足感がある。直虎を見ていたので、でも寧々さんは知らなかった、悔し涙。歴史に翻弄されたんだけど、性格そのままで器でした。羚羊の字も良いし、語り口も500年以上生きている筈の伝説ですね。遠野に行った事あるので景色が浮かび、河童が主役ってとても素敵だな、とにかく色々要素が織り込まれて賞も獲れる思います。いやあ読み切ったよ、長いお別れに小さいお家にどんどん読めてる

  • 八戸の女大名になった祢々のお話。ずっと寄り添った羚羊(かもしか)の片角が語ります。河童や猿が出てきたり片角が祢々に乗り移ったり、不思議な世界が展開されます。叔父の無茶苦茶に振り回されながらも、戦を避けた賢い生き方を貫きます。良い話でした。

  • いきなりの羚羊目線である。
    そして歴史話というものに対して、「あれがあっちについた、これがこっちについたとわかりにくい」と主人公祢々に言わしめてしまう。
    「私には、胃袋並みに三つか四つ、脳みそが必要…」とは羚羊の言葉。

    時代物が苦手な身としては、ちょっと体をほぐしてもらったような気持ちになった。
    といってもお家や藩の話ではあり、油断は禁物(笑)
    そこをゴツゴツとした堅さや重量感を削った、さらりとしたタッチで導いてゆく。
    異界との交わり具合も自然で程よい感じ。
    「遠野物語」にも少しばかり興味が出てきた。

  • 東北の実在した女城主を基にしたファンタジーではあるが、今の時代と共通するところも多く考えさせられる。
    巻末の解説でも引用されているように、
    「ーーこの世はままならぬもの、どんなに願っても、人は病や災難に見舞われる。ーー不幸や禍はいつだって、あなたを丸ごと呑みこんでしまおうとするものです。ーー知恵を絞って考えてください。禍に呑みこまれずに抗おうという強い意志があれば、必ず、向かうべき道が見えてくるものです。だいじなのは、あきらめたないことです。」
    という文章は、コロナウイルスの広がりで不安感が社会を覆っている今、とても皆の心に必要に思います。

  • 一人称が羚羊(かもしか)の角、という変わった設定で最初は戸惑った。ファンタジー要素が随所に挟まれている、少し変わった歴史小説。
    実在した女大名、祢々はとても魅力的。少女の頃はもちろんだけど、不幸を乗り越えて、苦境をはねのけて行くたびに、厳しく、美しくなっていく。思慮深さと行動力を兼ね備えていて、とても強い。かけがえのないものたちを奪われたゆえの、痛々しい強さではあるけれど。。
    戦で一番大切なのは、やらないこと。戦うのは簡単。やらない方がずっと難しい。だけどどんなときもその難しい選択をし続けてきた祢々の姿勢には、現代の私たちも考えさせられるものがあると思った。

  • なんかようわからん本だった。
    女領主が領地を守り抜くみたいな感じだけど、語ってるのが動物の角?なので、まじめなのかなんなのか……。歴史小説を書きたいならそう書けばいいし、ファンタジーがいいなら、謀反だの裏切りだのとへんに現実っぽい展開にせずもうちょっと振り切ったほうがいい。深刻そうに謀殺や策略の話をされても、謎のカッパだのべらべらしゃべる角だのぺりかんだのの謎の存在がちらついて、はあ……という気持ち。
    あと、時代小説として見たとしても、展開がうすっぺらいというか素人臭くて、時代小説読み慣れてる身からすると、なんとなく恥ずかしくなってきて読みづらい。キャラの造形はや会話も幼稚だし……。著者の傾向からして、時代小説なんか絶対得意ではないので、得意分野を伸ばしたほうがいい。新しいこころみはいいと思うんだけど、稚拙なので、もうちょっとなんとかならんかったか……という気持ち。だらだらとわりとどうでもいいことを延々書いて、高尚様の水増し小説みたいになってたので、ほとんど読み飛ばした。それでも話の筋は取れたので問題なし。
    タイトルもよくない。よつばと!かよ。読んだことないけど。

  • 歴史というのは実に面白いというか、こんな風に突然に女城主の話が描かれて、しかも史実ではないか。今や話題の初の女性総理大臣も、なってしまえば既成事実というか、普通に受け入れられて、このあたりの日本人の感覚?は面白いのう。
    でもって主人公は女性らしさの細やかさとかではなく、女性であること以外は至って普通というか、なんだか現代のドラマを見てるような。いや、要はすぐに戦争やら切腹やら言い出す男どもを説得する主人公が、なんかオカンみたいな感じで不思議な雰囲気なんよなぁ。
    その分ドカンてな盛り上がりはないけども、淡々と進むのですよ。

  • まぁまぁでした

  • 歴史小説はそれほど好きではないけど
    面白く読めた。

    東北の歴史に詳しくなくてどこまでがファンタジーなのかよくわからなかった、知ってたらもっと面白かったと思う。

  • 実在した女城主と角とのファンタジー?

    どうしたら、こんなに強く生きられるの?
    責任感だけじゃ無いよね。
    心持ちの少しでも、真似できたらと思いました。

  • 乗り越え方。現代を生きる戒め。

  • 南部氏が治めていた青森、岩手、秋田にまたがる地。
    その地で生まれ育った袮々は、女大名として手腕を振るう。
    しかしそこに至るには、悲しみと、怒りと、忍があった。

    物語の語り部はアオシシ、羚羊である。
    しかも一本角の!
    彼もまた美しき白い羚羊と出会い、悲しみの別れを経験している。
    死後は霊となり、物語を語り続ける。

    本書で繰り返されるのは、「戦で一番重要なことは戦をやらないこと」だ。
    どこぞの大馬鹿者(それを選んだ有権者も相当程度責任があると思うが)が、我が土地を戦争で取り返しましょうといっていたが、戦争をゲームか何か、血は流さず、自分も死なないと思っているのだろうか?
    それともただ単に、「戦争しようとか言えちゃう俺ってかっこいい」なのか。
    あるいは何にも考えてないのか。
    何れにせよ、人が死に、腐るのを間近に見る生活は、普通じゃない。

    袮々は、武士なら戦って散ることこそ、と息巻く家臣を諌め、「二度と私の大切な者の命を奪わせない」(296頁)、「生きる道を、選べ」(306頁)という。
    これがどれほど大変で立派なことか!

    なんども登場する不思議な鳥、ぺりかん。
    本文に直接影響を及ぼすわけではないが、張り詰めた空気を和らげ、息をつかせる。
    さすが、愛の鳥。
    遠野といえば、のカッパも登場して「遠野物語」の世界にも触れられる。

    涼しくなったら、不来方城近くまで墓参りに行こうか。
    銀河鉄道より、少し派手な色の列車に乗って。

  • 八戸南部家→遠野のお家のことは知らなかった。
    マイナーな土地・家の小説は、知らないことが多くて面白く、ありがたい。
    史実に軸を置きつつ、人の感情の彩りがよかった。
    かたづのの語りであるとか、河童のみんなの話はファンタジー。
    歴史的な物語と、時折すっと入るファンタジーな挿話のバランスが良かった。

  • 記録

  • 中島京子「かたづの!」読了。重い歴史物の風格と、ユーモア、ファンタジーが混在する素晴らしい作品でした。中島さん、面白いなぁ…今、一番好きな作家さんです。☆四つ!

  • とても読みごたえのある作品だった。少し複雑な所があるので、また改めて読み直したい。

  • きっかけ:タイトルがずっと気になっていた。
    読み終わって、これがフィクションであることに驚く。
    そもそも人の言葉がわかる一本角のカモシカが語り部となって、一人の女性が戦国時代を生き抜く様を語ったり、河童が現れたりとかなりファンタジーなのだけど、そんなことを忘れて一気に読んでしまった。

  • 角の一人語りは、最後まで馴染めなかった。

  • 歴史ものはあまり得意ではないのだけれど、楽しく読めた。
    ファンタジー要素が濃いからかしら。

  • 「羚羊の角」を語り手に配し、遠野ゆかりの「河童」や絵から抜け出した「ぺりかん」やらも登場する、ファンタジー色の強い作品となっています。 ―― https://bookmeter.com/reviews/72976384

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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