- 集英社 (2017年10月20日発売)
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感想 : 22件
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784087456448
作品紹介・あらすじ
異父兄との邂逅を描く「兄」、シルクロードへの旅にまつわる回想「星雲」など、著者が白秋のときを迎え、自身の半生と命を想う随筆集。単行本の14篇に新たに5篇を加え収録した完全版。(解説/行定勲)
感想・レビュー・書評
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文章が好き ぶっきらぼうなようで優しさや美しさを感じる宮本輝さんの作品が好きです。川三部作、田園発港行き自転車、森の中の海、大阪や富山という馴染みの場所が舞台なのも好きな理由の一つかも知れません。エッセイも楽しめました。
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先日単行本で読んだが未収録作品を読みたく早々に手に取る。うん、この未収録分は読まなければ。著者の子どもの頃の様々な体験の中でもまた特異な出来事が記されている(「トンネル長屋」)。またこの未収録分を読んで一層なぜ本作のタイトルに『いのち』とあるかがよりわかる。既読分も改めて堪能。知り合いの発行する無料配布誌に頁の制限もなく書いたとあって素の死の姿が出ていると思う。単行本に挿し挟まれていた加藤静允氏のイラストが履いてないのは残念。
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宮本輝さんのエッセイ集です。
宮本さんがさまざまな経験をされている事がわかる小説でしたが、なぜか、とても静かな気持ちで読める小説でした。落ち着いて静かに読みたい時におすすめの一冊です。 -
~2021.08.05
最後の「櫁柑山からの海」が好き。
子供のころの、今とは全く異なる、あの暑さを思い出した。 -
エッセイでありながら小説的でもあり、それらの境目を不思議な感覚で味わえる一冊でした。19編それぞれに描かれた生と死が様々な表情を見せてくれます。ほほえましかったり悲しかったり、切なかったりやさしかったり、ときには恐ろしかったり不気味だったり。
お気に入りは『パニック障害がもたらしたもの』です。私もパニック障害(と併発していたうつ病)に苦しんだ時期があり、共感したとともになにか救われたような気がしました。宮本輝さんが出会ったお医者さんがおっしゃっていたという「天才は、ほとんどこの病気を持っています」という言葉を鵜呑みにしようかなと思います。できる限りストレスを少なく、もっとシンプルに生きていきたいです。
解説の行定勲さんとの対談番組(「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」)も以前に拝見しました。むしろそこで初めて宮本輝さんを存じ上げ、そのときは「ゆるい雰囲気がなんとなくすてきな人だなあ」と感じただけなのですが、その後に短編集である『星々の悲しみ』を拝読して虜になりました。
この『いのちの姿 完全版』は、宮本輝さんの他の小説やエッセイをもっと楽しみたいなと思わせてくれる作品です。この一冊に出会えてよかった。 -
御茶ノ水丸善、定価
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2025.6.22. アマゾン注文分到着。特に、懸命に暮らす人々の情感を表現するのに長けた宮本輝さんだが、本書は小説ではなく、自伝的なエッセイ集である。ただし、小説を読んでいるようなサプライズ感や生き生きした登場人物を感じる事ができる。
最初は、京都の有名料亭「高台寺 和久傳」さんが年2回発行して10年間続いた雑誌『桑兪』に掲載された(07年~17年)。14年に<集英社>から発行され、文庫化に当たり5篇が追加された(17年第1刷~22年第7刷)。
先に触れたように小説のような仕掛けがある作品から、シルクロード旅行記を通して感じた自然や宇宙から人間の内面への思い、家族や知人を通じての人間らしさの表現や縁を感じた話、ご自身の病気をキッカケのひとつとして小説で生きる決意をした思い、小説の登場人物に取り上げきれなかった人物や書物への思い、一時期住んでいた個性的で愛すべき人物たちが住む「長屋」の話、歴史の考察などが描かれている。 -
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宮本輝さんをオススメされ、図書館で借りたものがエッセイ?的なものだった。ああしまったと思ったが、人となりがなんとなくわかるので、小説の方も読んでいきたいと興味が湧いた。
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エッセイをあまり読んだことがなく、難しそうと敬遠していたのだが、とても読み進めやすい内容であった。
本書の中で、見えない闇や本質に触れる描写があったが、自分が思っている以上に人には様々な事情があるし、背景がある。
人の事情や背景に触れたときに、自分が初めて感じられることがあるのではないかと思った。 -
宮本輝、初読み。文章が好き。
人にはそれぞれ事情がある、という言葉、これを読んで、めちゃくちゃ重みがあった。 -
いのちの姿の題名通りのエッセイだった。エッセイは軽い感じであまり読まないけれど、1つ1つに重みがある。
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カバーを失くしてしまった上、しばらく本棚にしまいこんでいた。
ポツリポツリと読んでる。
決して順調とは言えないのだけど、ゆったりとした静かな時間がこのエッセイには流れている。
気持ちが静かでクリアになる。
また再読してみたい。 -
自伝的随筆集。自分の人生を後から振り返ってみてもこんなにバラエティー豊かなエピソードは出てこない気がする。それともこれは小説家という職業の鋭い観察眼と類まれな筆力のなせるわざ?
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幼い頃の出来事をこんなにも鮮明に覚えているとは!特異な体験と思ったが、昭和30年代ならありえたのかな。
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筆者の育ちのルーツは大阪の堂島の外れ、大阪湾に注ぐ河口付近であると。今や一大テーマパークで賑わうあの辺りにも、たしかにその日暮らしを精一杯生き抜く貧しい人たちの姿があった。
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「小説は書き出し、随筆は最後の一行」と言われる。作家生活43年、著作も100冊を超える作家ともなると、この要諦を縦横に使い、随筆の形を借りた小説、あるいは小説の器の中に随筆を盛り込むといった芸当ができるんだなぁと陶然としながら読み了えた。あとがきにこんな文章を寄せている。「『これ以上書くと創作の領域に至る…』という、ぎりぎりの分水嶺あたりをうろつきながらエッセイというジャンルを超える企みを貫くことができた。」本書はまさしくこの一文に集約される。
異父兄の存在を知り、後年密かに兄を訪ねていく話、27歳の時に突如襲われたパニック症候群によりサラリーマンを辞め、小説家になろうと決意に至った話、シルクロードやドナウ河の長期に亘る取材の中での交流と邂逅…、これまでの人生の歩みで得た「経験値の引き出し」をひとつずつ開け、その中のエピソードにまた別のエピソード加えたり、掛けたりしながら小説に反映してきたことを語る。
秋の夜長、読書の愉しさを玩昧できる、もってこいの一冊。
著者プロフィール
宮本輝の作品
