- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087456448
作品紹介・あらすじ
異父兄との邂逅を描く「兄」、シルクロードへの旅にまつわる回想「星雲」など、著者が白秋のときを迎え、自身の半生と命を想う随筆集。単行本の14篇に新たに5篇を加え収録した完全版。(解説/行定勲)
感想・レビュー・書評
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先日単行本で読んだが未収録作品を読みたく早々に手に取る。うん、この未収録分は読まなければ。著者の子どもの頃の様々な体験の中でもまた特異な出来事が記されている(「トンネル長屋」)。またこの未収録分を読んで一層なぜ本作のタイトルに『いのち』とあるかがよりわかる。既読分も改めて堪能。知り合いの発行する無料配布誌に頁の制限もなく書いたとあって素の死の姿が出ていると思う。単行本に挿し挟まれていた加藤静允氏のイラストが履いてないのは残念。
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宮本輝さんのエッセイ集です。
宮本さんがさまざまな経験をされている事がわかる小説でしたが、なぜか、とても静かな気持ちで読める小説でした。落ち着いて静かに読みたい時におすすめの一冊です。 -
~2021.08.05
最後の「櫁柑山からの海」が好き。
子供のころの、今とは全く異なる、あの暑さを思い出した。 -
エッセイでありながら小説的でもあり、それらの境目を不思議な感覚で味わえる一冊でした。19編それぞれに描かれた生と死が様々な表情を見せてくれます。ほほえましかったり悲しかったり、切なかったりやさしかったり、ときには恐ろしかったり不気味だったり。
お気に入りは『パニック障害がもたらしたもの』です。私もパニック障害(と併発していたうつ病)に苦しんだ時期があり、共感したとともになにか救われたような気がしました。宮本輝さんが出会ったお医者さんがおっしゃっていたという「天才は、ほとんどこの病気を持っています」という言葉を鵜呑みにしようかなと思います。できる限りストレスを少なく、もっとシンプルに生きていきたいです。
解説の行定勲さんとの対談番組(「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」)も以前に拝見しました。むしろそこで初めて宮本輝さんを存じ上げ、そのときは「ゆるい雰囲気がなんとなくすてきな人だなあ」と感じただけなのですが、その後に短編集である『星々の悲しみ』を拝読して虜になりました。
この『いのちの姿 完全版』は、宮本輝さんの他の小説やエッセイをもっと楽しみたいなと思わせてくれる作品です。この一冊に出会えてよかった。 -
御茶ノ水丸善、定価
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宮本輝さんをオススメされ、図書館で借りたものがエッセイ?的なものだった。ああしまったと思ったが、人となりがなんとなくわかるので、小説の方も読んでいきたいと興味が湧いた。
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エッセイをあまり読んだことがなく、難しそうと敬遠していたのだが、とても読み進めやすい内容であった。
本書の中で、見えない闇や本質に触れる描写があったが、自分が思っている以上に人には様々な事情があるし、背景がある。
人の事情や背景に触れたときに、自分が初めて感じられることがあるのではないかと思った。