- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087457001
作品紹介・あらすじ
女子高校生・りなの信条は「やられたら、やり返す」。その彼女が夜道で何者かに背中を切りつけられる。りなは復讐を果たすため、犯人捜しをするが……。第28回小説すばる新人賞受賞作。(解説/池上冬樹)
感想・レビュー・書評
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ヒロインのキャラ設定が斬新で表紙のイラストがハマりすぎ。サスペンスものですがストーリーなんかどうでもいい、というか考えるほどのものではありません。とにかく、女子高生のヒロインが面白い。明るく優しいという性格じゃなく、明るいのは自分でチョイスした振る舞い方だし、自己中で心の中では母親や姉、周囲に毒を吐き続けます。でも、作品はライトでコミカルで疾走する文体が心地よい。周りは敵だらけに見える景色も思春期らしい景色なんでしょうね。
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星3.5
主人公が個性的
思春期の思い込みが激しい子と
一言で片づけてよいかは、
今回の物語後にどう変わるのか
(または変わらないのか)によるので、
想像するしかない。
変わらない方が物語として
面白いかもしれないけど、
どこかで破滅しそうなので、
個人的には目が覚めたと信じたい。 -
自分に害をなしたものにはきっちり復讐しないと気がすまない「復讐の申し子」(姉の言葉)・小峰りな。そんな彼女がある日、夜道で何者かに刺され…。ラメルノエリキサとはなにか? 犯人は? 物語の勢いにぐいぐい引き込まれた。
主人公の復讐癖にドキドキしつつ、ラストはどうなるかと思ったけど意外に後味は悪くなく、すっきりした読後感だった。 -
読みやすく、サクッと読めた。
登場人物たちの思春期特有の厨二病臭がぷんぷん -
渡辺優さんの小説。
「小説すばる新人賞」受賞作品です。
やられたらやり返す系JK、りなが飛び込む復讐劇。
とはいえ、全体的にポップで激しめのJ-POPが背景でガンガン鳴り響いている感じの軽快さで物語は進んでいきます。
主人公りなは思春期真っただ中で、しかも母親に対するコンプレックスに満ちあふれた、キャラの立った(?)JK。
姉は大人しい美少女という見た目に騙されてはいけない、一癖も二癖もある女性。本編ではあまり述べられていませんが、母親もきっと何か強烈な個性を持った人なんだろうなー、と思わせられます。
選考委員である宮部みゆきさんが主人公を気に入って惚れ込んだ、という話ですが、私はそれほどでした。どちらかというと、「なんだこの性格悪い美少女」って感じでした……。
青春小説だから、周囲が放っておかないほどの美少女ともなれば、と考えてみるのですが、明らかにキャラクターが小説というよりはラノベ・アニメ寄りなんですよね。そこが少し、個人的には引っかかるところでした。
お話の内容は復讐劇のつもりが追い詰められる場面があったり、最終的には主人公の新しい観点が開かれるところなど、面白かったです。
読了まではそれほど時間もかからず、さらっと読み終えることができました。
手加減抜きの毒強めJKがお好みの方は読んでみても良いかもしれません。 -
復讐することを心にきめている女の子のお話。いろいろと屈折しているし、社会的な正義や道徳とはずれているのだろうけれど、主人公の女の子含め皆憎めないところがある。読み終えた後、なぜか爽快な気持ちになる。
2019/3/14