お迎えに上がりました。 2 国土交通省国土政策局幽冥推進課 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457193

作品紹介・あらすじ

健全な国土開発の妨げとなる地縛霊を説得して成仏してもらうという幽冥推進課の業務にも慣れてきた夕霞。通勤途中、駅のコインロッカーで子供の地縛霊と出会い……? あやかしお仕事小説第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 夕霞の同僚の火車が夕霞のことを「この世の枠組みから弾かれた死者の思いや願いを、まるで自分のことのように捉え背負ってしまう。ペース配分なんぞ考えもしないあのバカは、いつだって全力疾走が過ぎる」とのたまうのだが、今回も生霊や地縛霊、お稲荷さんのために、目の下に隈を作りまくって、しゃかりきになって頑張るのだ。どれも感動的に終わるのがいいね。だが、その先輩の妖怪火車の命はあとわずかで尽きようとしているらしい。さて、悲しいことになって仕舞うね。ところで、お稲荷さんの姿として狐が出てきたけど、狐はお稲荷さんのお使いであって、お稲荷さん自身ではないよね。

  • 2018年3月集英社文庫刊。書下ろし。シリーズ2作目。ありふれた設定なので、2作目の展開を気にしていましたが、杞憂でした。よくできた展開で非常に面白いです。

  • 地縛霊さんを説得してあの世へ送る国土交通省臨時職員の女性が主人公のシリーズ2巻目。
    前巻でグッと来たけど今巻もまた泣きそうになった。

    今回は地縛霊だけでなく生き霊やお稲荷さんへと対象が広がってその分、物語にも広がりが出た。
    基本ハッピーエンドなエピソードの中で二話目の結末が心に刺さる。
    夕霞の対応が違っていたら親子は笑って別れられたのだろうか? うーん、難しいなあ。
    それでも悩んだ彼女が成長し前向きに歩み出せたのは良かった。

    さて気になるのはネコちゃんだけどきっと良い結末が待っていると信じている。

  • 神様の存在意義。
    それは神様自体、人々の願いによって存在しているということで、人々が神様を形作っていると言える。
    妖怪も同じね。
    じゃあ霊魂は?
    そんな神様や妖怪を作り出せる人々が、自分自身がこの世から離れても、その想いによって何らかの形で存在を残している状態ということか。
    葬送に対する恐れ、か。
    昔と形は違うけれど、恐れは持ってるんじゃないのかな。
    この巻に出てきたお母さんも、娘さんも、納得して大切な人の死を迎えたわけじゃないから、その形が失われてしまう葬送に対しては、恐れもあったのではないだろうか。
    大切な人が連れていかれてしまうという恐れが。
    その恐れではダメなのかな。

  • 主人公の夕霞はどんどん成長していっています。一巻の最後に不穏な空気を残していたので心配でしたが、今回も火車先輩が心配です。思いが少ないと消えてしまうという考え方は多いですが、やはり辛いものがありますね。日本古来のものをもう少しだけ大事に出来たらな…と思った二巻でした。

  • 心優しい主人公であるため自分から難しい案件に取り組もうとするが、なかなか1人では上手くいかずに精神的に辛くなるときもある。3人の職場仲間に助けられながら成長していく物語。

  • 幽霊に心を沿わせすぎて、反対の立場の人の気持ちがさっぱり想像できない夕霞ではありますが、誰かのために頑張れる一生懸命さが良いです。
    周りの上司のフォローも優しい。

  • 2作目もなかなかの力作。
    臨時職員とはいえ、3か月でここまで成長するのは、実際にはあり得ないような気もするけど、それを差し引いてもかなり胸にぐっときた。
    母子の重い話だけど一気読み。
    火車先輩、どうなっちゃう!?
    自作を読むのが辛い。

  • 意識的にだと思うけど、3編とも母子の話。火車先輩のこともあるから、次の巻は少し重い感じになるのかも。

  • 表紙の印象というのは大きくて、どれだけ物語の中で課長がイケメンイケメン言われていても、さわやかなメガネ男子くらいのイメージしかわかない。この方のイラスト自体はとても好みだけど

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著者プロフィール

竹林七草(たけばやし ななくさ)
1976年生。埼玉県在住。
うっかり社畜の姥皮をかぶったばかりに、すっかり脱げなくなってしまった兼業作家。
最近はもう少し執筆の時間を捻出する方法はないか、真剣に悩んでいる。
第六回小学館ライトノベル大賞 優秀賞受賞。
主な著書に『お迎えに上がりました。国土交通省国土政策局幽冥推進課』シリーズ(集英社文庫)、『ホラー作家八街七瀬の、伝奇小説事件簿』(集英社文庫)などがある。

「2021年 『ヒルコノメ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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