恋するソマリア (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.21
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本棚登録 : 219
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457513

作品紹介・あらすじ

現代と伝統が摩訶不思議に融合した内戦下のソマリア。彼の地の人や文化や伝統に魅入られた著者が命がけで飛び込んだソマリ世界見聞録。笑いあり感動ありのエンタメノンフ決定版!(解説/枝元なほみ)

感想・レビュー・書評

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  • まずい。まずいぞ!と思っている。恋をしてしまいそうだ。高野さんの本に。私はお気に入りの作家が出来ると、その人の作品を半分以上は読まないと気が済まなくなる。高野さんのホントの姿、素の人物を知りたい。出来ないけど、高野さんのような旅をしたい。ここに私の理想の旅がある。いや、そこまで美化しないと、ここまで入れ込んでいる自分を正当化出来ないのかもしれない。高野さんが魅力的だから好きなのか、好きだから魅力的に見えてしまうのか、それすらわからない。

    ​納豆の本​(「謎のアジア納豆」)と並んで、これで2冊目の高野本。集英社文庫だけで17冊も出ているのだから、そうでなくても読みたい本が山のようにあり、人生は短いのに、目の前にそんな風に積まれると、つい禁断の恋をしてしまいそうだ。でも、こう書いた時点で恋は始まっている。高野さんのソマリアへの恋のように。

    冷静に分析すると、高野本の魅力は(1)韓国台湾などアジアぶらぶら旅をしてきた私の旅スタイルと、規模こそ違え、似ている(2)素人人類学学者、素人考古学者の視点を持つ(3)常に庶民の視点を大切にする(4)よって政治的な立場は鮮明にしないが、結果リベラルになる。(5)何よりも「好奇心」を大切にする。というところだろうか。

    幾つか面白い箇所をピックアップ。
    ・初対面の人間に先ず氏族を聞くのは、韓国で私が先ず「出身地」を聞かれたのと似ている。いや、韓国以上にシステム化している。
    ・ソマリの知識人は、漱石のように「近代的自我」に悩まない。どこにいても氏族社会に生きていて、「自分とは何者か」と問わない。
    ・民族を何をもって「理解した」と見るか。人間社会を形つくる三大要素は「言語」「料理」「音楽(踊りを含む)」と思う。
    ・ソマリ人の男は詩を吟じないと好きな女の心を掴むことができなかった。女子が男子に歌い返すこともあった。←つまり、これだけ普遍性があれば、平安時代の習慣ではなく、弥生時代にあってもおかしくはない。
    ・ソマリ人が客を招待するときは、盛大なもてなしを用意しなくてはいけない。
    ・国を愛すれば愛するほど、政府と国民(の1部)から嫌われる。ここにも片想いがある。

    2018年7月読了

  • 高野さんの本はやはり面白い。

  • 最近はクレイジージャーニーでおなじみ高野秀行氏の、『謎の独立国家ソマリランド』に続く第二弾。前作で色々とお世話になった、地元TV局のワイヤップやハムディも登場する珍道中である。

    今回も北部のソマリランドや南部ソマリアへ渡航しているのだが、前作とは違い一般の家庭を訪問したり、TV局の職員にソマリアの家庭料理を習うなど、高野氏のソマリア愛がどんどん深まって行く様子が非常に面白かった。

    ソマリアといえば戦争と海賊のイメージしかなかったが、このシリーズ作品のおかげですっかり身近な存在になってしまった、今後もぜひ定期的にレポートしていただきたい。

  • 高野さんの冒険や取材はいつだって物語的。
    愛おしい少しずつ変わった人物達とアクシデントを通して、まさに恋したワガママな女のようにソマリアを語っていた。

  • ソマリアへの恋から生まれる体を張った取材力は圧巻。とにかく面白いのに、ソマリアに対する不幸な先入観が払拭される(もちろんそれもソマリアの事実ではあるが。)。人はこんなにも逞しくて強いのだと清々しい勇気をもらえる。

  • 謎の独立国家ソマリランドの続編。
    ソマリ語の通訳として府中刑務所に行くわ、ハムディはノルウェーに行くわ、相変わらず面白い。
    また、続編書くのかな。

  • これも待望の一冊!

    前作『謎の独立国家ソマリランド』の続編です。

    今作は、更にソマリランドにハマっていこうとする筆者の、お客様から脱しはじめたと言える、ソマリ人との密な交流と、やはりお客様だからこそ遭遇する危険、という二つの側面がある。

    家庭の顔や、前作で登場したワイヤッブやハムディのその後。
    また南部ソマリアの危険地帯に潜入という後半部分も非常に面白く読める。
    というのも、やっぱり書き手のキャラクターが絶妙で、命を賭しての場面と、便秘に苦しむ場面のダブルブッキングなんかは、もう笑うしかない。
    そして、そんな高野さんだから、きっとソマリランドはより魅力的に写るのだと思う。

    このシリーズが好きなので、嫌がらずソマリランドにハマっていって欲しいと願う、今日この頃。

  • 単行本で既読。

  • ソマリアというと内線やゲリラとかで怖い土地というイメージだけど、探検家の高野さんの目を通せばとても面白くて親しみのもてる素敵な国なんだって(国連から国とは認められていないけど)。
    確かに読んでいると日本や西側世界、先進国の常識はずれのぶっ飛びぶりが面白い。そしてそれで回ればいいじゃないって思えてくる。ちょっと窮屈さを感じる毎日のなかで読んだからなおさらそう思ったのかも。
    高野さんがつき合う現地の人たちもそれぞれマイペースで魅力的。特にハムディときたら。本当はすごく危険な地域でもあるのに、笑ったりけんかしたりしながらたくましく生きている。

  • ソマリアに恋した著者のソマリア旅行記第二弾は、第一弾の勢いを全く失っていない良作。
    前作に続きカートを食いまくるのかと思いきやそのようなシーンはほとんどなく、なんなら古巣にカートを持って行ったら古巣はすっかり近代的なオフィスになっていて1人寂しく床でカートを食べる、という状況。ソマリアの変化の速さは発展途上国につきものなのか。
    他方でソマリア人の濃密な個性に付き合わされる著者のドタバタ劇は後半で加速する。武装勢力に襲撃されるシーンなど映画も真っ青のてんやわんやぶり。いや実際にはすごい緊迫感なのだろうけど、緊迫感の中にもバカバカしさを探してしまうのが著者の目、ひいてはワセダマンの悪い癖、ではないだろうか。
    遊牧民の人はほんとに価値観が違うなーと感心する。

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