左目に映る星 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457872

作品紹介・あらすじ

小学生の同級生で「完璧な存在」だった吉住君を想い、誰のことも愛せないと孤独を感じている早季子。ある日、吉住君と共通点を持つ男性・宮内の存在を知り……。すばる文学賞受賞作。(解説/沢田史郎)

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、オンラインで行われる会議に出席したことがあるでしょうか?

    2020年春に突如世界を襲ったコロナ禍。あれから二年以上の年月が流れても私たちの生活はそれ以前の状況に戻る気配がありません。ある出来事に起因する大きな変化をもって新しい日常に慣れていく、私たちがこの世を生きるにはそれもやむを得ないことなのかもしれません。

    さて、そんな私たちの新しい日常で欠かせないもの、それがオンライン上で行われる会議です。かつては会議室という一つの物理的な場に拘束されていた私たちの日常がある意味で解き放たれました。コロナ禍なくしては決して訪れることなどなかったはずのある意味でコロナ禍による恩恵の一つだと言えると思います。そんな会議に出るようになって私は日々不思議な体験をしています。それが、目の前の画面に映った自分自身の顔を毎日一定時間にわたって見ることが増えたということです。人の話を聞いている自分の姿、そして自分が発言している姿、自分のことのはずなのに、自分が所有する自分の顔なのに、こんなにも長い時間自分の顔をまじまじと見る機会が訪れたのはある意味で衝撃です。

    そんな中で、心穏やかでない自分がここにいることに気づきます。画面に映る自分の顔、そんな顔を見れば見るほどに顔の左右が不均衡であることが気になりだしました。眉にはじまり、目、鼻、口、そして耳までもが微妙に形や傾きが異なるそれらを見てなんとも言えない違和感に包まれる私。

    『人間の顔も一見左右対称のようですが、実際に左右のパーツやバランスが完全に、百パーセント同じという人はいません』。

    そんな言葉に、なるほどと、自分の顔でそれが事実であることを確認する毎日がそこにあります。一方で、外見がそうであれば、内面だって同じことが言えるのだと思います。例えば目の内部です。

    『角膜や水晶体がまったく歪んでいない人もいないんです』。

    これまた、なるほどと納得せざるを得ない現実がそこにあります。

    さて、ここにそんな目の内部構造が左右で違うことに起因する目の見え方の差異に気づいた一人の女性が主人公となる物語があります。『左右の目の見え方が違うこと』によって『ものごとの考え方』がそこに起因すると考えるその女性。それは、そんな女性が左右の見え方の違いによって『人は孤独に生きるしかない』と考えるその先に、『孤独』に拘り続けてきた自らの生き方に気づく物語です。
    
    『どうした?ゴミでも入った?』と、『上半身を起こして顔を覗き込んだ』兼子に『大丈夫です』と答えたのは『右目を閉じてい』た主人公の神田早希子(かんだ さきこ)。そんな早希子に『こういうこともよくするの?』と兼子は訊きます。それに、『合コンで知り合った人とその日のうちにホテルに行ってセックスするってことですか?』とストレートに返す早希子は、『あなたが初めてです、と言って欲しかったのだろう』と『内心で大いに嘆息し』ます。そして、兼子は『ときどき右目を閉じるの、癖?』、『改めたほうがいいよ、人と話をするときには。大人なんだからさ。すっごく感じが悪い』と『吐き捨てるように言って』部屋を後にしました。そんな翌日『高校時代からの友人』の美貴から電話を受け合コンに誘われた早希子。『ま、予定もないし、いいよ』と受けた早希子に『早季ちゃんが刹那的にしか男の人と付き合わないのって、日向くんと別れたことに理由があるわけではないんだよね?』と美貴は訊きます。それに、『日向くんとの別れは、ちゃんと完結してる』と返す早希子は、『二十歳から二十三歳までの三年間、交際をした』日向のことを思い出します。約束に遅れたことをきっかけに『早季子は俺のこと、そんなに好きじゃないんだよ』『早季子の一番って、たぶん俺じゃない』と二人の間に亀裂が入りそれまでとなった日向との関係。そんな早希子は『自分は一体、一日に何度吉住のことを思うのか』と一人の別の男性のことを思います。『吉住を思うことは、九九や自転車と同じだった』という早希子は、『孤独との付き合い方も、右目を瞑る癖も、すべて吉住からもらった』とさえ思います。そしてしばらく後、別の合コンの場に誘われた早希子は、『カラコン』の話題になった際に自身の左目に乱視がある話をします。それに、『俺の同期にも同じような奴がいる』と語り出した男。そんな男に早希子は、『その人を紹介してもらえませんか?』といきなり詰め寄り『私の携帯電話の番号とメールアドレスです』と連絡先を託しました。突然のことに驚く周囲をよそに『お願いします。どうしてもその人と話をしたいんです』と懇願する早希子に『そいつ宮内っていうんだけど』と言う男は『どうなるかは知らないよ?』と言いつつも連絡先を受け取ってくれました。『目に自分と同じ症状を持つ人と話をしてみた』いと思う早希子ですが、週が明けて数日経っても何の連絡もないのに落胆します。そんな中、『ririko-miyauchiというアドレスからのメールを受信した』早希子は、『奇声を上げながらそのメールを開』きます。そんな早希子がメールの相手である宮内との関わりを始めたその先に『人間は通常孤独で、一人ではないと感じられるときが異常なのだ』と信じて生きてきた心に変化が起きる物語が描かれていきます。

    第37回すばる文学賞を「アナザープラネット」というタイトルで受賞したこの作品。出版されるにあたって、本編を印象深く彩っている『左目』を前面に出し、「左目に映る星」と改題されて刊行されています。そんな物語の冒頭は『平均的なセックスであったと思うのに、どうだったか、と最後に尋ねられた』ことに『暗澹たる気持ちにな』る早希子の姿が描かれるところから始まります。『セックス』を終えた直後の場面から物語を始める作品と言えば村山由佳さん「ダブルファンタジー」が思い浮かびますが、本を開いたばかりのタイミングには、『セックス』直後という場面は間違いなく強いインパクトをもって迫ってきます。これは、読者に気持ちの準備ができていない(笑)中に、唐突に濡れ場から始まるということもありますが、それ以上に『セックス』という”行為”の起承転結の中の”結”という、一連の動作の終わりから始まるということの違和感もあるように思います。一方で、村山さんの作品では、主人公の奈都が『官能』の快楽の世界に身を委ねていく様がこれでもかと描かれていくのに対して、奥田さんの作品では、”行為”そのものというよりも、そんな場面で、主人公の早希子が見せる一つの”仕草”に光が当たります。

    『右目の瞼を下ろすと、天井の染みが弱く二重にぶれた』。

    濡れ場シーンの中に短く記されるこの一文だけだと全くピンときませんが、この片目を閉じる早希子の癖、そしてその元となる早希子の目の症状がこの物語の印象を決定的にしていきます。それが、『不同視』と呼ばれる『左右の目の見え方に大きな違いがある』早希子の症状です。『初めて左目の近視と乱視を自覚したのは、幼稚園のときだった』という幼き日の『ウインク』に始まる症状の自覚の先の今を生きる早希子。そんな早希子は、合コンの席で話題に出た『片目にだけ近視と乱視が入ってい』るという宮内という男性に関心を抱き、関わりを持つようになります。一方で、そんな早希子は、かつて小学校時代に出会った一人の男子・吉住のことを強く意識する今を生きていました。そんな吉住もやはり、『僕ね、左目にだけ、弱い近視と乱視が入ってるんだ』と本人が語る通り、『不同視』の症状がありました。物語は、『不同視』という目の症状に起因する早希子の感情・感覚の世界に深く入っていきます。それこそが、かつて吉住が早希子に語った『景色がぼんやりするのが面白くて、ときどき左目だけでものを見るんだ』という行為に共感を覚える早希子の物語です。冒頭の”行為”の後に早希子がとった行動を描写した一文に繋がるこの行為。そこに見える世界こそ、表紙に描かれるぼんやりとぼやけた情景の世界でもあります。

    “すばる文学賞”という”純文学”を讃える賞を受賞した作品らしく、上記した『不同視』の感覚に入っていくこの作品は、一方で、『福岡のみなさーん、こんにちは、リリコです』という挨拶とともに舞台に立つアイドル・リリコの追っかけをする宮内と、そんな彼の行動に戸惑いながらも同伴を続ける早希子の姿が描かれていきます。『目まぐるしく点滅するライトや、爆音のように弾けるメロディ、アイドルたちの放つ記号化された魅力、男たちの熱い咆哮』がたっぷりとした熱量を感じる中に描かれていく様は、一方で、”純文学”という言葉からは遠い印象も受けます。この辺りは、芥川賞を受賞した宇佐見りんさんの「推し燃ゆ」に近い印象も受けました。

    そして、そんな舞台を背景に物語が問いかけるのが、

    『人間は通常孤独で、一人ではないと感じられるときが異常なのだ』。

    そんな風に早希子が語る人の有り様を問う物語です。この言葉の根源にかつて同じ時を過ごした吉住のことを想う早希子は、『吉住くんは、私を構築してくれた』とさえ思います。『孤独との付き合い方も、右目を瞑る癖も、すべて吉住からもらった』と吉住との想い出に強い印象を抱き続ける早希子。そんな早希子は『私が好きな吉住くんは、もう現実にはいない』という今を思い、言わば過去に囚われ、今に立ちすくみ、未来に一歩も歩み出せずに生きている、そんな存在として描かれていきます。そんな早希子の閉じた思いは幾つかの印象的な言葉として放たれます。

    ・『人は自分の身体を通過したものごととしか生きられない』。

    ・『形のあるものは必ず変化するから嫌だ。気に入ったときの状態でい続けてくれれば、なんの問題もなく、ずっと大切にするのに』。

    ・『確固としてそこにあると思っていたものたちは、単に目を通じて見えているだけの存在で、だから目が違えば、簡単に別の姿に変わりうる』。

    このあたりの表現が上記したアイドルの追っかけシーンのポップな描写と絶妙に対になって物語に独特な色合いを生んでいきます。そんな中で、早希子がこだわる『孤独』について、物語は執拗にその正体を、もしくは、彼女が思う『孤独』の姿を描いていきます。そんな物語には、『もう現実にはいない』という吉住のまさかの意味合い、そして冒頭のあまり大きな意味がなさそうにも思えるセックスシーンを見事に意味付けしていく絶妙な構成が光る物語が描かれていました。

    『人はみんな一人ぼっちで、寂しいのは当たり前のことなんだよ』。

    そんな風に語られる『孤独』というもののあり方、その正体を突き詰めてもいくこの作品。そこには、『不同視』という自らの目の症状に強いこだわりの感情を抱きながら、それを意識した過去に囚われた一人の女性の姿が描かれていました。そんな彼女が出会った一人の男性との関わり合いの中で小さくても大きな発見をする中に、一つの幸せに向かう女性の姿を垣間見るこの作品。

    とても繊細で乱暴に扱うと壊れてしまいそうな優しい感覚世界が展開する物語。そんな物語を絶妙に描く奥田亜希子さんの表現の上手さにも魅せられた作品でした。

  • 孤独
    孤独ぶる
    左目
    コンタクトレンズ
    偶像と虚像

    図書館から借りた本

  • 26歳の早季子は、小学生の頃に恋したマセガキ吉住君の「身体の中で、人はみんな一人なんだよ」という中二病セリフに感化されて以来、孤独ぶった投げやりな人生を送っている。どうせ理解しあえないからと、恋人も含めた人間関係をドライに消化している。

    その上、久しぶりに再会した吉住君の内面も変わってしまっていたものだから、悲劇のヒロインぶりに一層の拍車がかかる。
    「私はたぶん、この世界の誰とも付き合えない」なんて言っちゃう。

    しかしこれは達観しているのではなくて、理解しあえないという現実を直視させられることが怖いだけなんだよな。
    実際、宮内に異星人のような別の世界の人間として扱われることに嫌悪感を示しているわけだし。
    吉住君の変化に関してもそう。
    相手の虚像を実像だと思い込んで、勝手に期待して裏切られた気になっている。

    その気持ちはよくわかる。
    自分が信頼を寄せていた人が変わってしまった(ように見える)ことにショックを受けてしまう気持ちもわかる。

    でも、相手のことを100%理解することはできないからといって、理解しようとすることをやめたら、1%も理解することはできない。
    それどころか、人間関係においては、自分からとった距離以上に相手からも離れられてしまうものだ。
    「私はたぶん、この世界の誰とも付き合えない」なんてセリフを聞かされた友人はきっと「何言ってんだこいつwww」て思ってる。

    相手のことを理解していけば、裏切られたと思うことは減るんじゃないだろうか。
    相手の変化は価値観の変化ではなくて、物事への向き合い方が変わっただけだったなんて言うことにも気づくかもしれない。
    寂しがり屋なら、寂しさから離れようとか寂しさを受け入れようとかする前に、積極的に人間関係を構築していったほうがいい。

  • 奥田亜希子、二冊目。
    以下、ネタバレ注意。



    26歳の早季子には、小学生のまま時を止めた想いびと、吉住くん以上に好きになれる人がいない。
    そのことを認識してからは、割り切った関係しか築けなかったのだが、早季子と同じ乱視を持つ男性の話を聞き、吉住くんに近い匂いを感じる。

    しかし、その男性は、吉住くんどころか、リリコというアイドルのために休日を費やす、真性のオタクなのであった。

    早季子にとっては吉住くん、宮内さんにとってはリリコは、偶像崇拝の対象だ。
    当の吉住くんが変わってしまっても、リリコが実は不倫していても、そのこととは無関係に、あの日あの時の彼、彼女が二人の心を占めている。
    また、そのことだけが、二人を繋ぐ脆い橋にもなっている。

    でも、そんな二人を見ていても、なぜか否定的な気持ちにはならない。
    二人は、現実世界をシャットアウトしているわけではないからだと思う。
    そこでは誰にも分かってもらえないことを分かりながら、ただひたすら分かってもらえる世界に足を浸すことが、いじらしいからだ。

    ちょっと厨二病というか、アオいんですね。

    なので、お互いが「分からなくてもいい」相手になってゆく後半は、早季子の年齢から考えると、「りぼん」かと思うくらい甘酸っぱい(笑)
    そこに元カレが登場して、というお決まりパターンまで踏襲するわけだけど、そこは26歳設定だからか、割と生々しい。

    「俺のコト一番好きじゃねーんだろー」とキレて、勢いで別れて、まもなく別の彼女と結婚するくせに、早季子に付き纏っては許せない元カレ。
    この人と結婚しなくて正解だと思います。

    子供時代を抜けきれなかった男女の、青春小説と思って読んで欲しい。

  • 好き!「勝手にふるえてろ」然り、学生時代の恋愛って神格化してしまう。それが叶わないものだとしたらなおさら。虚像なんだけどね。宮内にも早季子にも苛立ったところはあるけど、それを上回る可愛さ。あ〜わかるわかる。宮内、可愛い〜!宮内〜!!!

  • オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。

    この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。

    僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。

    だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を巡っている。少なくとも、早希子は合コンでたくさん出会いの機会があるだけマシなのではないかとさえ思う。

    ただ、この本の中にある「不一致」というキーワードはとても参考になった。

    どうしても人と話したり関係を築く時に、共通点や何か自分と似ている部分を探してしまい、その一致具合で親近感を覚えてしまう。けど、逆に「不一致」が心地よかったり、愛おしさが芽生えたりするなら、それが本当に通い合っているのではないかとも思う。

    すごく新鮮な感覚だった。あとは、この文庫の解説がとてもわかりやすく、要点を捉えてて面白かった。良い本でした。

    自分に自信がなかったり、迷いがある人は読んでみると良いかもしれません。

  • 主人公の神田早季子は都内の文具メーカーで仕事をしている26歳。小学校の同級生で大好きだった吉住君のことが忘れられずに、その時の刷り込みで孤独を抱えて生きています。他人に恋愛感情が持てずに、合コンで出会った男とその時だけの関係を結ぶこともあります。ある合コンの時に、吉住君と同じ片目を瞑る癖をもつ人の話が出て、紹介してもらいます。その同じ癖をもつ宮内は、女性アイドルを追っかける、早季子とは全く違う人でした。宮内と話をするために、福岡でのライブに同行し、なぜか度々アイドルイベントに同行するようになります。その度に、宮内と自分との違いを感じます。
    早季子と3年間付き合った元カレは嫌なやつなので触れませんが、特に後半、甘くて幸せな感じが、心を満たしてくれます。

  • 子供の頃に世界の見方を教えてくれた人。その人に救われたこと。そして大人になっても忘れられないこと。同じように見てくれた人はその人だけ。なかなかうまく馴染めない世界で自分を守る方法。世界の見え方は人それぞれで、でもそれが相手に伝わらないもどかしさ。人と違うこと、感じ方の差。同じ場面で笑えなくても、泣けなくても、だからこそ楽しいってことがあるはず。全てが同じなら一人と同じなのかもしれない。同じじゃないから孤独も感じるけれど一人じゃないと感じることもできる。そして世界は広がる。

  • 帯タイトルは、
    「私はたぶん、この世界の
     誰とも付き合えない」

    私はいつもブックカバーをつけて読んで、
    読み終わったあとに装丁を改めて見るんですが、
    夜景がぼけてキラキラしているのも、読み終わったあとに見ると、なんとも言えない気持ちに。

    20代って、気持ちが不安で、毛羽立ってるときって、すごく多かったなあ、と思う。
    30代の今もそうなんですが、でも、なにかちょっと違う。
    その隔たりも感じた一冊。
    たぶん20代前半で読んでた刺さってたのかなあ。

    ただ、学校生活も会社も一定程度の協調や同調は必要で、そこから誰か一人と深く繋がって…って行為は私にとっても奇跡に近いかもしれない。

    「違い」に敏感で、勝手に押し付けて、勝手に落ち込んで、自分の気持ちしか見えなくなっちゃう。

    「違い」を喜べて、発見して、愛しさに変えられる力が自分にはあるのか。
    そんな関係を築くことができるのか。

    早季子は、このあと、どう切り開いていくのかな。

  • 人は自分と似ている人か正反対の人を好きになると聞くが、正反対の人を好きになった早紀子にとても共感した話だった。早紀子と宮内は、あの合コンがなければ決して交わることのない2人だったし何もかもが異なっていた。私も、自分とは全く違った人を好きになりがちだから、宮内に惹かれた早紀子の気持ちはよくわかった。
    短い話でとても読みやすかった。
    最後の日向はあんなことを言うためにわざわざ跡をつけてきたのかと思うと、かなり気持ち悪いと思った。

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著者プロフィール

1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒。2013年『左目に映る星』で第37回すばる文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』『ファミリー・レス』『五つ星をつけてよ』『リバース&リバース』『青春のジョーカー』『魔法がとけたあとも』がある。

「2021年 『求めよ、さらば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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