東京零年 (集英社文庫(日本))

  • 集英社 (2018年10月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (632ページ) / ISBN・EAN: 9784087457957

感想・レビュー・書評

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  • 2018年(発出2015年) 625ページ

    近未来の日本。そこは、権力が危険分子を監視し、抹殺する恐ろしい社会だったーー

    過去に反戦運動のリーダーだった父親を持つ24歳の永沢亜紀。父の浩介は脳出血で倒れ現在介護施設にいる。生活は苦しくとも懸命に働き父と母を支えている。父の浩介が介護施設でTVを見たあとに発作を起こした。浩介が発した「ゆあさ」という言葉。「湯浅」は過去に浩介が殺人の疑いをかけられた『死んだはずの人間』だった。一方、大学生の生田目健司は何不自由のない生活を送っている。父親は元検察官の生田目重治。亜紀と健司はある出来事をきっかけに出会い、健司は父の重治が公権力側の人間として永沢浩介を陥れ、そして湯浅の死に関わっていたことを知る。亜紀と健司はともに事件の真相を追うことに……

    分厚い本でしたが、さすが赤川次郎さん、とても読みやすかったです。ユーモアミステリーのイメージが強いのですが、このような社会派サスペンスを読むのは初めてです。気になったのが、登場人物の掘り下げ方が浅く、伏線を回収していないところです。他の方のレビューを読むと、多くの方が同じ感想を抱いているようですね。

    国家権力が、反権力運動や思想をコントロールするために、謀略、抹殺などを平気で行うところが恐ろしいですし、日本もいずれそのような国々と同じになってしまうかもしれません。明るい希望のある未来を期待したいですね。

  • ゙東京零年゙というタイトルが目を引き、吉川英治文学賞受賞ということで、<赤川次郎>さん初読み作品。 国家の敵と見做した犯人をでっち上げ、冤罪や死刑廃止を棚上げし、闇から闇へと葬ってしまう、恐るべき国家権力(検察)に、生死をかけて立ち向かう青春群像劇。 読み易さ抜群、スト-リ-展開に憤慨しながら、600ページ一気読みの、近未来社会派サスペンス+ハードボイルド・ミステリ-。

  • 高橋源一郎の飛ぶ教室に出演されていたのをきっかけに、40年ぶり。
    若い頃は、夢中で読みふけっていたことが懐かしい。

    今現在の活動、発信をしていることも知らなかった。
    そして、2015年発売のこの本を読む。
    8年進んだ現在や想像する未来に向けた続編を、是非今また書いて欲しいと切望する。

  • 30年前の小学生高学年〜中学生の頃に本当に赤川次郎に嵌って、100冊以上読んだのに、それっきりずっと読んでなかった。昨年くらいからまた小説を読み漁り始めて、本当に久しぶりに赤川次郎が読みたくなり、吉川英治文学賞受賞という比較的最近の作品があることを知り、早速読んでみた。

    500ページ以上の長編であるのに、相変わらずスラスラと読めるのはさすが赤川次郎。流れるように読めるとはまさにこのこと。

    赤川次郎作品に出てくる主役の女性の雰囲気もあまり変わらず、時々出てくるメールだPCだに30年の経過を感じるが、基本的にはあの頃と変わらず楽しめた。めくるめく、飽きずに進められるのだが、あれあれは伏線ではなかったのかとか、意外とあっさりな展開に、社会的な問題を扱ってるのでもう一捻り欲しかったな。

    そしてあの主役の2人は普通、恋に落ちないよなー。それは30年の経験による感想。いい意味でもそうでない意味でも、読み易すぎるんだな。社会派作品として読むよりは、いつもの赤川ミステリーとして読みましょう。

  • 中学生くらいの時に赤川次郎に激ハマりし、「杉原爽香シリーズ」と「花嫁シリーズ」を読みまくっていたのですが、3、4年ぶりに読みました。
    図書館をぶらついていたらたまたまこの本が目に飛び込んできて、見てみると「お!赤川次郎じゃん!」と思い、あらすじも面白そうだったので読むことにしました。(でも一番の決め手は、表紙や題名がかっこよかったから...笑)
    辞書くらいの分厚さで一瞬怯みましたが、スイスイと読むことができました。3日間で読み終わりました!
    シンプルで余計なものはなく、とてもスッキリとした文章で、分厚いからといって読まず嫌いするのはこれからもやめようと固く誓いました。
    でもだいぶ駆け足だったかなって感じです。
    健司とマリは付き合っていたはずなのに、別れ話をするなどのシーンはなく気付いたら亜紀と付き合ってたし、なんで湯浅が殺されたということになっていたのか、棚原しずかは何故いきなり姿をくらませたのか、などなど。これは伏線だと思っていた部分が、結局その後全く出てこずそれっきりだった、とか。まだモヤモヤした気持ちを持ったまま読み終えてしまいました。
    でもハッピーエンドだし、全てはうまくいったってことなのかな...?それとも読者の想像にかかっているということでしょうかね?
    権力って怖いなぁとしみじみ思いました。これはフィクションだけれど、それでも現実でもきっと同じようなことは裏で起きているはずだとも感じました。これからは、メディアの情報を鵜呑みにせず、自分で知る、見る、聞く力を養っていかないと思いました。

  • 文章もさほど多くなく、サクサク読める。
    最初は登場人物の関係性にゴチャつくかもしれないが、慣れればそんなもんです(笑)
    個人的には今回の選挙期間中、芸能事務所の闇営業等、この本と割とタイムリーな事が起こって読んでて面白かった。

  • ある事件で殺人罪で逮捕された事で永沢浩介と妻、娘の生活は一変した。しかし偶然映った男は十数年前に死んだはずの男湯浅だった。この事件に関わったいたと知った生田目重治の息子健司は運命のイタズラで知り合った永沢の娘亜紀と共に戦う。日本を良くしたいと言う気持ちは大切だが力で真実をねじ曲げるやり方は気に食わないです。二人には幸せな日々を過ごして欲しいです。

  • 吉川英治文学賞受賞作で、渾身の社会派サスペンスとの謳い文句に、数十年ぶりに赤川次郎作品を。
    著者の特徴である、情景描写が少なく会話主体の文体ゆえ、文庫本617頁の長編であるが、たちまち読み終えた。
    ストーリーは、市民は自由を奪われ、「暗黒の中世」とも呼ばれる警察国家が管理する近未来が舞台。
    そこでは要注意人物の顔はすべて登録され、監視カメラが張り巡らされ、マスコミに警察や検察の言うことに反抗する者はない。
    そんな兆候が萌し始めたことを危惧する著者が、現代日本人に警告する意図で、著したのだろう。
    同時に、若い人々に「あなたの未来は変えられる」と呼びかける希望の物語という、著者の思いがあるからか、あまりシリアス感は感じられなかった。

  • 初めて赤川次郎の小説を読みました。内容に重厚感がなく、あまり細かい設定や描写説明がないので、すらすら読めます。
    決してつまらないわけでは無いのですが、ワクワク感もドキドキ感もない話でした。

    現実社会の話ではないということを知らずに読んだため、終始現実離れ感を持って読むことになったのも残念な点。
    ただ、そうでなくても突っ込みどころは多くありました。

    可もなく不可もなし。

  • 時代背景は近未来かそれとも現代か?
    支配され、操られる世の中。一部特権階級を守るために人命さえ粗末に扱われる。
    今に通じる部分が多い気がして恐怖を感じた。
    テーマは重いけれど、軽く読めるのは赤川作品らしさだろうね。

  • 謀略に満ちた世界を若い主人公達がかいくぐって行く様はまあまあ面白かったけど…色々説明不足で終始モヤモヤが晴れなかった。

    ・物語に描かれる舞台がどんな世界なのか 反戦デモがどうのこうのとあったので昭和中期の話かと思ったら、どうも現代日本らしい。でも、元検事のおっさん筆頭に強大な公権力が人々を露骨に踏みにじり市民を欺くような、ちょっと現実世界とは様子が違う。(いや現実にも起こってることだよ! って言いたいのか?) 何故そんな世界になったのか、その世界で人々はどう生きているのかなどは説明されない。

    ・黒幕っぽい元検事のおっさんはどんな立ち位置なのか 未だ日本社会のフィクサーとして君臨してるっぽいけど、何故そこまでの権力を持ってるのか。国民にどう認知されてるのか。話の終盤で「国民に挨拶がしたい」と、まるで国王の如くテレビ中継の会見をセッティングさせるけどあんた何様なんだ?

    ・喜多村元刑事は何者なのか 序盤で物語のキーマンを探し出すのに活躍するが、彼の過去や主人公たちとの関係性がほとんど示されぬまま何となくフェードアウトしてしまった。なんで本職を辞してるのに手弁当でここまで事件に執着するの?

    ・悪役の息子と被害者の娘が偶然出会って恋に落ちるとか、随分ご都合主義だな。まあ百歩譲って物語に必要な展開だったとしても、二人が素直過ぎて人間的な葛藤とか成長が見られず。あんたらそれでいいのかよ。

    ・主人公の女と父ちゃんが罠にはめられたシーンは酷かった。知らずに乗ったタクシーが、気づいたら無人運転になってて海に突っ込んだ! なんだよそのB級映画みたいなチープな演出!! せっかく人間のいやらしや、不気味さで凄みのある恐怖を演出してきたのに、急にテクニカルな裏付けに乏しい物理的な恐怖が挿入されて興ざめだった。

    なんかオチの悪者達の処理も凄く雑だったし。話の壮大さとか展開は悪くないけど、ディテールが雑過ぎて物足りない。

  • 面白かった!
    自分的再ブームが来そう(^^)
    相変わらずの人物設定なんだけど,映像を見ているような文章に「変わらないなぁ」と嬉しくなった.

  • 要注意人物などが徹底的に監視され、国のために抹消される。一見、民主主義だが実は管理された社会を描いた近未来小説。
    600ページを超える超長編だが、文字数が案外少ないので、さくさくと読み終えた。

  • 社会小説にしては軽い。

  • ひどい。こんなに荒唐無稽でいいの? とあるページで「そんなわけねえだろ!」と思わず突っ込んだ。2012年ごろからの雑誌連載だったようだが、携帯電話の呼称がすべて「ケータイ」なのもすごく違和感あった。俺たしか2010年冬にはiPhone4にしてて、それでも遅い方だった記憶ある。そのころ「スマホ」と呼んでたかは疑問あるが。

  • 某政権時代のような、、、、、
    実際この国でありそうな話で面白くて一気読みした

  • 吉川英治文学賞受賞ということで手にしたが、会話による進行は変わらず、重たいテーマが散漫に感じた。果たしてディストピィアを目指したのか。

  • 500ページの長編だけど会話も多くてスラスラ読めた。国家権力の闇をめぐるサスペンスで面白かったけど、伏線が多い割に回収されないので「あのエピソードは何だったんだろう…」と消化不良になってしまった部分があったり。

  • 社会活動家。思想とかが難しいし、設定が分かりにくい割に展開が早い。恋愛模様はありえない。共感出来ない点が多かった。ただ、文体は読みやすいし、先が気になってそこそこ面白い。亡くなる人が少なくて助かるのはホッとした。

  • 著者が時々書く反権力・社会派小説。『プロメテウスの乙女』の方が好みだったがこちらもなかなか。長い物語だったがあっという間に読み終えた。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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