南三陸日記 (集英社文庫)

  • 集英社 (2019年2月20日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784087458442

感想・レビュー・書評

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  • 本当は昨日(1/1)から能登に関する本を読みたかった。
    でも、大量の積読の中にも無く…
    昨日はいつもの有隣堂もお休み…

    そしたら思い出したんですよ。
    本書「南三陸日記」を年末に図書館でお借りしていたことを。

    今年の自分で勝手に決めた目標「ジャンルごちゃ混ぜでの併読」に向けて手にしてみました。
    因みに去年の目標は「366冊/年」でした^^;

    前段はこの辺りまでにして…


    では、改めて(´ρ`*)コホン
    いいですか?

    未読の方は【直ぐにポチれ!!】

    涙(><)
    涙(T^T)
    涙(>︿<。)
    涙(つ﹏<。)
    涙。・゚・(*ノД`*)・゚・。

    そう、涙・涙のルポタージュ(ó﹏ò。)ウゥゥ

    「南三陸日記」を読んで、深い感動と共に涙を流しました。
    この作品は、東日本大震災という未曾有の災害を背景に、人々の絆や希望を描いています。
    特に、最後の「十五歳の手紙」では胸が締め付けられるような感動を覚えました。
    たった4P、ここに全てが凝縮されていた気がします。
    作者の細やかな描写と、登場人物のリアルな感情表現が、まるで自分がその場にいるかのような錯覚を引き起こしました。

    震災直後の混乱と絶望の中で、人々がどのようにして希望を見出し、前向きに生きる姿勢を取り戻していく過程は、読者に大きな勇気を与えます。
    特に、困難な状況でも諦めずに前進する姿勢には、大いに励まされました。
    作品を通じて、私たちが日常生活で忘れがちな「絆」の大切さを再認識させられました。

    また、作品全体を通して感じたのは、作者の表現力の高さです。
    風景描写や感情表現が非常に緻密で、読者を物語の世界に引き込む力があります。
    特に、震災後の南三陸の風景描写は、現地の状況をリアルに伝えるだけでなく、その中で生きる人々の強さや優しさを感じさせます。

    この作品を読んで、自分自身の家族や友人との関係についても深く考えさせられました。
    震災という大きな悲劇を通じて、人々がどのようにして支え合い、助け合って生きていくのかを描いた「南三陸日記」は、私たちにとって非常に重要なメッセージを伝えています。

    最後に、この作品を通じて感じたことは、どんなに困難な状況でも希望を持ち続けることの大切さです。
    「南三陸日記」は、単なる震災の記録ではなく、人間の強さと絆を描いた感動的な物語です。
    この作品を読んで、私は改めて人間の持つ力と希望の大切さを実感しました。


    あの震災から間もなく丸14年。
    著者である三浦英之さんの作品、手にするのは「涙にも国籍はあるのでしょうか」以来の2冊目。
    「涙にも…」でも記しましたが、震災の記憶を風化させてはいけない。
    山本太郎議員が国会で総理に「能登を見捨てるな」と叫ぶ姿が脳裏に浮かんで来ました。

    東日本大震災は放射能の問題もあり、復興にはまだまだ時間がかかるでしょう。
    震災から1年しか経っていない能登もまた同じく、被災者向けの仮設住宅が大雨により被害を受けるといったニュースも流れました。

    私ごときに何かが出来る訳ではありませんが、せめて心だけでも、被災地に寄り添っていきたい。



    <あらすじ>
    東日本大震災直後に宮城県南三陸町に転勤した著者が、被災地での生活や被災者との交流を記録した日記形式のルポルタージュです。朝日新聞に連載され、大きな反響を呼びました。

    文庫版では、単行本とは異なる序章の構成や、8年ぶりに再訪した際のエピソード、当時は記せなかった物語が大幅に追加されています。震災の記憶を風化させないための重要な記録として、多くの読者に支持されています。



    本の概要
    震災から8年。
    ●『五色の虹 満州建国大学卒業生の戦後』 第13回開高健ノンフィクション賞。
    ●『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(共著:布施祐仁) 第18回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞受賞。
    ●『牙 アフリカ象の密輸問題を追って』 第25回小学館ノンフィクション大賞受賞。
    今、ノンフィクション界大注目のルポライターの原点。

    住んで、泣いて、記録した――。
    東日本大震災の直後に受けた内示の転勤先は宮城県南三陸町だった。
    瓦礫に埋もれた被災地で、傷ついた被災者に寄り添い、ともに過ごしながら取材をし続け、朝日新聞に連載された「南三陸日記」は大反響を呼んだ。
    文庫化に際し、単行本とは序章の構成を大きく変え、8年ぶりに訪れた「再訪」や、当時は記せなかった物語を大幅追加した決定版。
    気鋭のライターが描く珠玉の震災ルポルタージュ!

    “生きる”ということを考えるとき、何度も何度も読み直していた本が文庫になりました。いつでも読み返せるようこれからは、鞄にずっと入れておこうと思います。
    杉江由次さん(本の雑誌社)

    著者について
    三浦英之(ミウラヒデユキ)
    1974年、神奈川県生まれ。京都大学大学院卒業後、朝日新聞社に入社。東京社会部、南三陸駐在、アフリカ特派員などを経て、現在は福島総局員。
    2015年、『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で第13回開高健ノンフィクション賞を受賞。18年、『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(布施祐仁との共著)で
    第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞、「牙 アフリカゾウの密猟問題を追って」で第25回小学館ノンフィクション大賞を受賞。

    • ヒボさん
      マメムさん、こちらこそ今年もよろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

      ずっと気になっていた作品なんですが、何度泣かされたか…
      ぜひぜひ‪(っ...
      マメムさん、こちらこそ今年もよろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

      ずっと気になっていた作品なんですが、何度泣かされたか…
      ぜひぜひ‪(っ ॑꒳ ॑c)
      2025/01/03
    • かなさん
      ヒボさん、年明けてもう6日ですが…
      あけましておめでとうございます。
      今年もどうぞよろしくおねがいします。

      というか、年明けそうそ...
      ヒボさん、年明けてもう6日ですが…
      あけましておめでとうございます。
      今年もどうぞよろしくおねがいします。

      というか、年明けそうそう、「南三陸日記」を読まれるとは…
      さすがヒボさんっ!!
      そうなんです!
      『未読の方は【直ぐにポチれ!!】』作品なんです。
      本とコさんと、沢山の人に読んでほしいですね〜って話してたら
      チーニャさんが、賛同してくれて読んでくださったんですよ♪

      ヒボさんがレビューしてくださったので、
      この作品を手にしてくださる方が増えると思うと嬉しいです。
      2025/01/06
    • ヒボさん
      かなさん、改めて今年も宜しくお願いします(*´▽`*)

      いや、能登関連本を読もうと思ったんですが…
      持ってなかっただけです(笑)

      まぁ、...
      かなさん、改めて今年も宜しくお願いします(*´▽`*)

      いや、能登関連本を読もうと思ったんですが…
      持ってなかっただけです(笑)

      まぁ、よくぞ思い出した!とは思いましたけどね。
      泣けましたね…

      で、1人でも多くの方に手にして貰いたい1冊ですね(*^^*)
      私ごときに大した影響力はございませんので┏○ペコッ
      2025/01/06
  • 東日本大震災直後に被災地でもある南三陸町に赴任し、被災地の現状をコラムという形で1年間発信し続けた「南三陸日記」…。震災から8年経ち、文庫化されたのが今作品です。震災から12年経った今、この作品を手にできたことには感謝しかありません…。

    最初から読み切るまでずっと涙腺が緩みっぱなしでした…。何て言ったらいいのか、うまく言葉にできません…。それぞれのコラムには家族のストーリーがあって、大事な人を震災で奪われ、前の生活に戻りたい、なぜ今?なぜ自分たちがこんな思いをしなければならないのか…やり場のない悲しくも苦しい思いがつづられていました。でも、それだけではなく、生きているのだからと前を向いて、精一杯今を生きようとしている姿に感動しました!

    そんな中での被災者同士のつながりが心を癒やすエピソードには、心があたたかくなりました。そして、「みなさんからのあたたかい励まし」「たくさんのご支援ありがとうございます」「みんな元気です!!戸倉小学校」この垂れ幕がかかった小学校と児童、教職員の写真を見た時、ジーンときちゃいました…。結婚式を控えた身でありながら、最期まで住民に避難を呼びかけた女性もいました…。

    震災後1年経過しての卒業式、「今日という日は、もっと生きたかった人の今日でもある。」…この言葉は胸に刺さりました。震災から何年経とうとも忘れてはならないことだと思います。表紙の少女は今度中学生になるのかな…この作品を手にとったのはこの少女がとっても愛らしく思えたからという軽率な理由ですが、その笑顔の裏側に秘められたエピソードを思うと、そんな自分が恥ずかしくもなりました。ブクログのおかげでよい作品と出会えました。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      やった〜! 『南三陸日記』も佐々木朗希も泣ける〜!
      よかったよかった。読書になりません‥(笑)
      やった〜! 『南三陸日記』も佐々木朗希も泣ける〜!
      よかったよかった。読書になりません‥(笑)
      2023/03/11
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      勝ちましたね〰️!!凄い~(>_<)
      逆転してさらに凄かったですね~

      最後は10-2でしたね!!
      ほんと、凄すぎました!!
      佐々木選手も、...
      勝ちましたね〰️!!凄い~(>_<)
      逆転してさらに凄かったですね~

      最後は10-2でしたね!!
      ほんと、凄すぎました!!
      佐々木選手も、頑張って素晴らしかった〰️(泣)
      良かったです〰️!!
      嬉しいです~☆彡
      2023/03/11
    • かなさん
      NO Book & Coffee NO LIFEさん、
      チーニャさん、こんにちは!!
      昨日のWBCは本当に見応えありましたね♪
      本当に...
      NO Book & Coffee NO LIFEさん、
      チーニャさん、こんにちは!!
      昨日のWBCは本当に見応えありましたね♪
      本当に、いい形での試合運びで
      佐々木選手も代表選手みんなが頑張ってくれて、
      この嬉しさ、NO Book & Coffee NO LIFEさんと
      チーニャさんと共感できて、それも嬉しかったです(^^)
      ありがとうございます。
      2023/03/12
  • 本を読んでいても物語に感動して流す涙と
    事実を知って悲しくて流れてくる涙は全く違うんだと感じました。

    『南三陸日記』
    2011年3月11日 14時46分に地震が発生。
    その約30分後、太平洋沿岸部を津波が襲う。

    本書では被災後、宮城県南三陸町に記者が住み、そこで感じた日常の変化や人々の心の揺れを写真と共に伝えている。

    1行目にタイトルがあり
    2ページにわたる、お話を聞いた方の災害時の状況、今の生活、感じている事などの取材内容、
    その次のページに写真。
    写真は取材を受けたご本人、忘れ形見、津波、被災風景など…。

    取材した文章の中に記者の感想は、ほぼ無い。
    唯一、記者の強い思いが書かれているのは、
    『序章 津波までの30分』の中でのみ。

    『私たちが真っ先に取り組むべきこと。それは、あの『30分』に人々がどう動いたのかを克明に記録・検証することだと私は思う。それを新しい国や地域の仕組みにいかした上で後世にしっかり語り継いでいこう。(略)
    高齢者や障害者を災害からいかに守るのか。いざというときに正しく動ける知識と勇気を子どもたちにどう身につけさせるのか。
    (略)…できるだけ多くの記憶と言葉と映像を残そう。
    生き延びることができた私たちの、それが最大の使命だと感じる。


    知る事の大切さ、忘れない事の大切さ。
    心の奥深くにある気持ちを語られた方の思いを受け止めて、自分に出来る事を考え、行動に移す大切さを改めて考えさせられる。
    1時間程で読める本なので多くの方に読んで欲しいと思いました。

    これは、ブク友さん達と涙本について語り合っていた時に、kuma0504さんが、さっと現れて紹介してくださった本です。
    読んで本当に良かった。
    くまさん、ありがとうございました!

    • 松子さん
      くまさん、おはようございます(^^)

      ドキュメンタリーって色々な事が真っ直ぐに伝わってきますね!
      三浦さんの出発点だったんだぁ。
      私も三浦...
      くまさん、おはようございます(^^)

      ドキュメンタリーって色々な事が真っ直ぐに伝わってきますね!
      三浦さんの出発点だったんだぁ。
      私も三浦さんの作品、色々見てみようと思います。
      教えて頂きありがとうございました(^^)
      2022/07/13
    • aoi-soraさん
      まっちゃん、こんばんは。
      私もこの本、くまさんのレビューで読みたいな、って思ってたの。
      大切なことを知るために、読むべき本。
      って気が...
      まっちゃん、こんばんは。
      私もこの本、くまさんのレビューで読みたいな、って思ってたの。
      大切なことを知るために、読むべき本。
      って気がして。
      同じく、くまさんレビューで、「帰れない村」ってのもあったと思うんだけど、それも読みたい。
      2022/07/13
    • 松子さん
      あおちゃん、おつおつ♪ふたたび
      くまさんの『帰れない村』読んできたよ
      『大切なことを知るために、読むべき本。』
      1ミリも違わずに同じ気持ち!...
      あおちゃん、おつおつ♪ふたたび
      くまさんの『帰れない村』読んできたよ
      『大切なことを知るために、読むべき本。』
      1ミリも違わずに同じ気持ち!

      ほんとだね、これも読みたいね
      そして間違いなく、
      電車では読めないやつだね!(^^)
      2022/07/13
  • 最初から最後まで、泣き通した。私はいつも喫茶店やスーパーなどで本を読むから恥ずかしくてたまらない。この本ほど泣かされた事は、ちょっと記憶にない。

    作業用ジャンパーを母親に貸して、仕事場に戻ってしまった長男。命からがら撮った広報課職員の屋上に押し寄せる津波の写真。不登校児の変貌。「大したことはしていない」がれきの道をつくった男。骨組みだけになった防災対策庁舎の解体を決意する町長、記憶をどう未来に繋げるのかという課題。「コンビニって何だろう」鮮やかに一瞬だけ見せる地域の店の役割。毅然とした遺族の帰り際の一言「政府は子供たちに借金ばかり残さないで欲しい。次世代に残すのは、夢や希望であるべきだ」。新聞の自宅配達はないのに、子供たちがつくった戸倉小学校校舎いっぱいの大きさの「ありがとう」の垂れ幕。大船沢という地名、なみという母親の名前、津波を語り継ぐ活動、海から2キロの小学校で犠牲者ゼロ。

    私が栞を挟んだ記事だ。全ての記事に心動かされたのだが、それでも、単に御涙頂戴にはさせない、人間の事がひときわわかったり、未来につながる記事を選んでいたようだ。​『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』​で、この人のジャーナリストとしての問題意識には信頼感を持っていたが、それを改めて感じた。その彼の大きな曲がり角が、南三陸町だったことは間違いない。35行の新聞コラムは、最も取材と文章の実力が出る形態だと思う。著者は此処で1年間鍛えられた。ジャーナリストを目指す人は、この本をひとつの(あくまでも一つの)規範にすべきだと思う。

    シリーズのように書かれたエピソードがある。新婚1週間で夫を亡くした女性と、その2つの家族と、新しく生まれた娘。それらを読ませて貰って、改めて表紙の写真を見ると、この8年間の、南三陸総ての家族の祈りに似たものを感じて、やはり感無量になるのです。

    2019年3月12日読了

    • hs19501112さん
      素敵に本書を要約なさりましたね。
      作品を読みながらこれでもかというくらいに泣かされた後なのに、このレビューを読んで再び涙腺が弛んでしまいま...
      素敵に本書を要約なさりましたね。
      作品を読みながらこれでもかというくらいに泣かされた後なのに、このレビューを読んで再び涙腺が弛んでしまいました(恥)。
      2019/03/29
    • kuma0504さん
      ありがとうございます。
      ありがとうございます。
      2019/03/30
  • 三浦英之『南三陸日記』集英社文庫。

    朝日新聞に連載された『南三陸日記』の文庫化。文庫化にあたり『再訪 2018年秋』『文庫版のためのあとがき』を収録。

    泣いた。泣けた。涙が止まらない。涙無しには読めなかった……東日本大震災後の1年間に亘り宮城県南三陸町で被災した人びとの心を伝えたノンフィクションである。

    南三陸町は気仙沼市の南に位置し、歌津、志津川、神割崎など風光明媚な観光地を持つ、自然豊かな小さな町である。あの日、信じられない規模の津波が町を襲い、町を完膚無きまでに破壊尽くし、さらには多くの人びとをも飲み込んだ。犠牲になった人びと、奇跡的に生き延びた人びとに一体何の罪があったというのか……

    新聞コラムの僅か35行の文章と写真から、愛する人と死に別れても、一夜にして全てを失っても、再び立ち上がり、前に進み続ける健気な姿が伝わって来る。

  • 南三陸町の防災対策庁舎は保存され永遠に残る。地震から30分後の津波がたった30分でも何かしら出来た その為には記録と検証を残しておかないといけないと、それが一番大事なことと同時に大変な事。その想いが詰まった一冊なんだなぁ。志津川中の卒業式を必ずやると旧校舎に集まった20人、防災対策庁舎で最後までアナウンスした遠藤さん、水道復旧が1%で川で洗濯炊事する人々、もっともっとたくさんの人々の記録がある。ご遺体を見ていない自分には記録と検証を残しておくことを考えるだけしか出来ないのだろうか。

  • 祝文庫化!

    集英社
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-745844-2

    朝日新聞出版のPR(単行本・品切れ)
    朝日新聞南三陸駐在記者の人気連載コラム「南三陸日記」を単行本化。震災後に宮城県南三陸町に赴任し、被災地に住みついた記者が、そこで感じた日常の変化や人々の心の揺れなどを細やかに描く。秀逸な写真とのコラボレーションが胸を打つ。
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=13643

  • 単行本発売時から、ちょっと気になってはいた1冊。


    東北出身者なら、読まなければいけない1冊だろう。
    いや、日本人なら、かな。
    文庫化されてからでなく、刊行当時に読みたかったと後悔。

    (その当時には、まだ直視できない現実でもあったので…)




    筆者も作中で語っているように、"記録"がいかに大切かが身に染みた1冊だった。
    写真もしかり、
    事実の記録もしかり、
    執筆者のその時々の"想い"もしかり。

    最初の2~3編目から涙腺がおかしなことになり始め、読み終えるまでついにゆるみっ放しだった。
    電車の中で嗚咽の声が漏れそうになり焦ったくらい。

    (幸いにも家族親類友人知人に犠牲者は出なかった自分でさえ、東北出身というだけでここまで"くる"のだから、、、当事者の方々はもしかしたら、まだこの本を読むことができないかもしれないとも思ったら。)


    そんな中で、祖母が明治三陸沖地震の生き残りだという老人のエピソードが胸を打つ。

    記録、そして伝承。大切だよね……。
    この本が、きっとそういう"伝承"中の
    小さな欠片の一片になるれくらいに、広く多くの日本人に読んで欲しい。

    ★4つ、9ポイント半。
    2019.03.28.新。


    ※この本のレビューに書くにふさわしいか自信がないけど……


    ……


    ……


    ……



    ※うん、やっぱり、"記録"って大切よね。

    アニメ「ちびまる子ちゃん」に出てくる
    "タマちゃんのパパ"
    なみに、ことあるごとに娘にカメラを向けてきたこと、10年超。。。

    はじめはそれこそズバリそのまんま「タマちゃんのパパかいっ!」と周囲に突っ込まれていたけど(苦笑)、

    先日、親子三人でじっくり振り返ってみたら、、、、、、

    相方にも
    娘にも
    ちゃんと感謝されたし(^_^)v


    とてもいい時間を過ごすことができたもの。

  • 東日本大震災から10年。
    徐々に街の復興は進むものの、大切なものは、人々の心の中の復興でしょうか。

    本作は、朝日新聞社の三浦氏が、宮城県三陸町に住み込んで、毎週1回短いコラムを連載していたものをまとめたもの。
    新たに、2018年の『再訪』を加えて文庫化。

    なるべく感情を抑えた淡々とした文章に、白黒写真がマッチします。

    多くの一意の人々を写した写真の中で、特に、三階建ての防災対策庁舎の屋上で写した津波の激しさは、驚きとともに、胸を締め付けられます(58p)。

    最後の後書きにあった遠藤未希さんのエピソード。
    最後の最後まで、市民のために庁舎に残り、避難を呼びかけた女性職員。

    もう涙なくては、読めません。
    全ての方に、読んでいただきたい一冊です。

    【追記】
    表紙の可愛い小学生の女の子は、文中にも出て来るあの子なんですね。
    ぜひ、元気に育って欲しいと願います。

  • 電車内で読まなくて良かったと思う小説に出くわした経験はたまにあるが、これはもう事実だから、本当に最初の数ページで鳥肌が立ってしまい、涙が押さえられず、家の中なのにその後数日間、手に取れず続きを読めずにいた。
    もちろん、本書は全くお涙頂戴的に書かれているのではなく、本当に多くの人に読んで欲しいと思う「記録」だった。
    著者は現在は福島にいらっしゃる。
    そちらでの記録を、また本書のように書籍化してくれることを切に望む。

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