リーチ先生 (集英社文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458855

感想・レビュー・書評

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  • 読む前は陶芸に関して全く興味が湧かなかったが、このタイトルと、「好いものは好い。」という本の帯に書いてある表現に惹かれ、購入。
    知らないジャンルで、また、ページ数も500を超えているのにも関わらず、あっという間に読み終えてしまったほど、引き込まれる内容だった。
    印象に残ったのは、やはり「西洋であろうと、日本であろうと、好いものは、好い。」という台詞。
    作者が有名な人だから、この作品は素晴らしいだとか、つい、作品そのものでなく、人や文化を評価してしまいがちであるが、実はそうではない。作品そのものを正しく評価することが、大切なのだと感じた。
    また、「好い」と思ったものには、頭で理由を考えようとするが、ときには感覚的に捉えてみること、なんとなくいいな、と思えるセンスやオリジナリティを磨いていくことが重要である。
    それらが一言でギュッと詰まった、この表現は、シンプルで「好い」と思った。

  • なんだか満たされないなあ。

    美術史にその名を残す偉人たちを描くのに
    実在しない人物を狂言回しにする描き方は
    「ロマンシエ」も同じだったけど
    あっちは主人公がどーんと突き抜けた感じで
    それなりにフィクションとして楽しめたけど。

    この作品では…ただただリーチ先生に心酔する
    人物として描かれたカメちゃん…キャラクターの
    輪郭すらおぼろげなまま、不遇の工人として
    人生を終えてしまった。。

    その息子とリーチ先生との邂逅は少しだけ
    ドラマチックだけど、そのエピソードすら
    瞬間で終わってしまう。

    とうとうカメちゃんには一度もスポットライトは
    当たらないまま。いや、リーチ先生の付属物のまま
    終わってしまったような気がする。

    長い物語の中、ひたすらリーチ先生につき従うだけで
    その創作の目指すところも明らかにはならないし
    人間としても芸術家としても、その存在は
    曖昧模糊として…魅力を感じるところまでも
    たどりつけなかった。

    原田マハ氏の作品は大好きなのだけど、最近は
    少しトーンダウンしているような気がする。

    もっと氏の美意識が突き抜けて感じられる作品が
    読みたい。たとえば「#9」のような。


  • 内視鏡検査をやることになって洗浄液を飲んでる時と、下手したら入院しなければならないので、この分厚い本、その間に読むのに丁度良いかと思って持って出る。
    幸いポリープもなく、その日の内に帰れたので、次の日には混雑した眼科と薬局で読み進む。
    リーチと言えば、最近ではマイケルだけど、こちらは名前は聞いたことあってもどんな人だか知らなかったバーナード・リーチのお話。

    日本の美を学ぼうと単身来日した青年リーチと、芸術に憧れて彼の助手となった亀之介の半生、まあ“好い”お話だと思う。
    一方、あまり山谷がなく、勿論色んな事は起こるのだけど、あまり切羽詰まった苦労はなく、リーチとその周りの人々が良い人ばかりで、お金にも縁にも恵まれてサクサクと話が進むのが多少物足りず。
    日本に帰ってからの亀之介の流浪の旅路や、日英が袂を分かつ中で彼らの友情がどのように揉みくちゃにされていったのかも描かれないでは、何となく亀之介が浮かばれず。
    リーチと亀之介の息子の邂逅はなかなか泣けせるところがあったし、志を持った人同士の繋がりの美しさにはほだされたので、★★★★付けたが、気持ちは3.5といったあたり。

  • 原田マハさんの作品にしては珍しく、エネルギッシュな勢いは控えめ。
    心がほんのりあたたかかくなるような、リーチやカメちゃんと長い旅をしているような、そんな印象の小説。

    陶芸が芸術として魅力的に描かれているところはさすが!
    自分の手から形ある作品が生み出されるというのは、なんと素晴らしいことだろう。
    ただ、それを仕事として人生としてずっと積み重ねていくことは
    時に苦しくも寂しくもあるのだと思った。

    自分を見失いそうになったときでも、好いものは好いと言える心を持ち続けたい。

  • 戦争前のお話から入り、最初は読みにくい本だなという印象でした。なまりが強く、スラスラと読めず苦しく、挫折しかけました。しかし物語が進むに連れて面白い面白い!ほんのりと心温まる優しい物語でした。

  • カメちゃんは架空の人物だなんて、想像もしなかった。来日したリーチ先生のそばにずっと寄り添い続けた名もない陶工職人。まだインターネットも電話もない、あるのは手紙だけという時代に、日本に渡ってきたリーチ先生と、リーチ先生とともにイギリスに渡ったカメちゃん。架空だとしても、きっとこうやって、日本とイギリスの架け橋になりたいという熱い想いを持って、芸術の道を邁進した人たちがたしかにいたのだと思う。

  • リーチ先生の暖かさ、カメちゃんの素朴さ、その息子との出会いが心に染みるいいお話だった

  • 画家ではなく、バーナード・リーチを中心とした、いや、その助手であった人を中心とした、戦前戦後の陶芸家たちの冒険譚、とでも言えようか。楽しかった…私も一緒にリーチを見てきたようだ。

    好いものは、好い。
    何事も。

  • 素晴らしい!

  • またまあ。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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