リアルワールド (集英社文庫(日本))

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1638
レビュー : 245
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460100

感想・レビュー・書評

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  • 高校生特有の青臭かったり、悲観的で、大人を軽蔑するような気持ち。
    それをとっくに手放してしまった大人が読むと、なんとも言えない気持ちになる。
    結局は大きな社会の中のちっぽけな存在であり、何にも抗えないんだよな…と、なんだか高校生の時の感情が懐かしくなる。

    事件自体は大きく扱っておらず、とくにどんでん返しもない。
    最後はかなりスピーディに終わる。取り残された主人公の行く末が気になる。

  • うーん、、、全員病んでる。
    友人でもなんでもない、ましてや顔も知らない殺人犯に、携帯を新規契約して渡したり、のこのこ会いに行ったり。

    「理解不能」 だった。

    どの登場人物も魅力がなく、惹きつけられるものもなく。
    ただ、字面を追うだけの読書になってしまった。

    とくにテラウチの「あだー」という言葉使いと、「超哲学的人間で抽象的思考の持ち主」と自己陶酔している性格が、読んでいて疲れた。

  • 読んだことを後悔する風ではなかったけれど、闇が濃くて、気分が悪くなるようだった。特に母親殺しの男子高校生の章は彼にとっては当たり前のように語られる思考や逃亡中故の不潔さが強烈で気持ちが悪かった。一読しただけではわたしにはよくわからなかった遺書や手紙を通して、違う人間だから簡単には理解出来ないそれぞれの考えやその流れが人の中には詰まっていることを強く感じた。全体的に読んでいて心地好くはなかったけれど、それぞれの深いリアルがとても書き切られているように感じられた。

  • 何を選んでも絶対誰も救われなさそうでずっとヒヤヒヤしてた…闇が深すぎる

  • すごい話。
    隣の家の少年が母親を殺して出ていった。
    そんな少年に興味を覚えた四人の少女は、逃走中の少年とコンタクトを取る。
    ゲーム感覚の異常な展開に背筋が凍る。

    2018.3.6

  • 隣に住む同級生が、ある日母親殺しの犯人として逃亡。逃亡中に主人公の友人たちにコンタクトをとり、少しずつ交わっていく。

  • 登場人物は高校生ながら、いつものようにグロテスク。単純に見えて悩みが深い。他の選択肢なんて思いもつかない、それくらい世界が狭かったっけ、と自分の昔を振り返る。もう一回読みたい。

  • 完璧な自分を生きられないなら死ぬ。

  • 文庫版2006年初版。
    BOOKOFFで108円で購入し積んでいたもの。ハードカバーも古本で買っていたが、未読のまま。
    今回も、桐野毒に中てられた。

    母を殺したミミズについて、「取り返しのつくこと」と捉えるテラウチの心の闇の描写が素晴らしい。
    著者は、一歩間違えるとこうだった?

    物語は、高校3年生の山十四子の隣の少年(ミミズ)が母親を殺し逃走。その際、十四子が自転車に忘れていた携帯ごと盗んで逃走する。ミミズは、十四子の携帯のアドレスにあった友達、レズであることに悩んでいるユウザン、可憐で純情のふりをしながら実は遊んでいるキラリン、頭が良く自己中毒に罹っているテラウチに電話する。
    まず、十四子が警察からの取り調べに自分の自転車が使われたことを言わない。次に、ユウザンは別の形態を契約し、自分の自転車と一緒にミミズに渡す。キラリンはわざわざ逃亡中のミミズに高崎まで会いに行き、一緒に逃亡することになる。テラウチはミミズから犯行声明を書くことを頼まれるが、キラリンとミミズの行動の単純さが我慢ならず警察に二人の潜伏先を密告する。
    警察が近くに迫っていることを知ったミミズとキラリンは、タクシー強盗をして東京に戻ろうとするが、ミミズが誤ってタクシー運転手を殺してしまい、タクシーが対向車に激突しキラリンも死んでしまう。
    キラリンが死んだという知らせを十四子から聞いたテラウチは、キラリンたちが死んだことも理由の一つとして十四子に遺書を残して自殺してしまう。
    密かに、テラウチを慕っていたユウザンは、卒業を前に学校に来なくなる。
    こう書くと、絶望的な話だが、高校生の心情がよく書かれており、じぶんも若いころは自分を持て余していたなぁと思いながら読み、読後はちょっと切ない。

    テラウチ
    『私は大人が恐ろしくなった。病んだ心に手当てができると思いこんでいる、科学へのお目出度い信頼感を抱いている楽観に。そして、病んだ心を持つ子供に手当てをしなければならないと信じている大人の強迫観念に』
    『愛する親が信じられなくなっても受け入れる子供は、いつしか自分を信じられなくなる。見ろ、ミミズ。これが「取り返しの付かないこと」なのだ。母親を殺すことなんかじゃない』
    解説には、本当に取り返しの付かないことを「永久に終わらなくてずっと心の中に滞って、そのうち心が食べ尽くされてしまう怖ろしいこと」としているが、見つけ切らなかった。
    タイトルは、テラウチの遺書から『わたしはリアルワールドに旅立つ。だって、自分の死こそが超リアルの中になるほんとのリアルってもんだろ』

  • 少しずつ登場人物の本来の本質や過去をだしながら物語が進む流れが面白かった。自分が高校生の頃を思い出しながらあの頃と比較し、懐かしい感情や記憶が蘇る場面が多くあった。
    きらりんのゲイ友だちはある程度真相を知っているため最終的には警察にバレてしまうのではないか。個人的にはユウザンとトシはこのまま日常生活を続けながらも一生消えない深い記憶として苦しみ続けてほしい。最後までもやもやした息苦しさを残したい。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

「2016年 『猿の見る夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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