リアルワールド (集英社文庫(日本))

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460100

感想・レビュー・書評

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  • 2008.0122読了

    うざい。言葉にすれば、そんなちっぽけなことで自分の母親を殺すなんて、大人は皆、信じられないと言うだろう。でも、真実だ。この世はうざい。信じられないほどうざい。
    ――本書32ページより抜粋

    女子高生4人がいる。彼女らは互いをあだ名で呼ぶ。
    ホリニンナこと山中十四子
    キラリンこと東山きらり
    ユウザンこと貝原清美
    テラウチこと寺内和子

    ホリニンナの隣家の男子高校生が、金属バットで母親を撲殺することで、彼女たちの世界も変わっていく。
    この話の中心は「母親殺しの高校生」では、ない。

    リアルワールド、とはどこか。

    あだ名を作り、互いにそう呼び合っている彼女たちの世界は、つまり「バーチャル」だ。
    それぞれが抱える屈託や、懊悩なんかは隠され。
    「偽の名前」によって「作られた自分」で、上手く人間関係を築こうとしている。
    それが、母親殺しの高校生とそれぞれが関わり、興味を持ったり軽蔑したりする結果。


    それぞれがそれぞれの「リアル」な世界へと向かう。


    リアルワールド

    自身と向き合った世界であり、それは今ここにある「現実」であるとは限らない、世界。


    この中心にあるのは、「関係性」だ。
    人と人が関わることによって、「あだ名」で隠されていた「本名」が表れる。


    現代の「高校生」と、今の高校生の親世代の「高校生」は、「リアル」と「バーチャル」ほどにかけ離れ、また表裏一体なのだ。

  • エンターテイメントとしては良。設定が本当にリアルワールドかというと、かなりの疑問。空想遊び。

  • 初めて読んだ桐野夏生作品がグロテスクで、それが終わってる大人のドロドロだったから、こんな風な未来ある少年少女の消えてゆく希望も書けることに感動した。桐野夏生作品いっぱい読んでみよーっと。

  • 2013/9/22

  •  同じグループに所属するひとりの女子高生が、進学校に通う隣家のミミズに出会い、彼が母親を撲殺したことを知ることから物語ははじまる。その情報をグルーブ内で共有しつつ、彼女たちは世の中では理解できないトンデモ行動をとる。ミミズは彼女たちの力を借りて逃走に成功するかに見えた。彼女たちの非常識な遊びは最後にどんな結末を迎えるのだろう、それぞれの目線でユーモアを交えながらお話はすすむ。星4つ

  • みんないろいろよく考えています。

  • 時折ホリニンナという偽名を使うトシ。
    母親の死に負い目をもつ同性愛者のユウザン。
    裏表のある美少女のキラリン。
    哲学者のテラウチ。
    仲の良い女子高生の4人組。
    お互いに相手に言えない思いを抱え、その秘密は知られていないと思っている。
    自分だけの世界。
    そんな彼女たちの世界が、母親を殺し逃亡する少年ミミズに興味本位で関わる事によって明らかになり崩壊していく-。

    これを読んでいる時、パッと算数で習った円の図が浮かびました。
    いくつかの円が重なっていて、重なった部分は斜線で塗りつぶす。
    円は重ならない物もあるし、大きい円に取り込まれたものもある。
    円を個々の世界とみたて、社会を大きな円とみたてたなら、高校時代の円は社会からはみ出るくらいに大きかった。
    自分と自分の周りの限られた世界が世界の全てだった。
    だけど、社会に出て広い世界を知ると、自分という円はどんどん小さくなった。
    自分の意識の中での大きさは変わらないけれど・・・。
    円はほんの少し線のような重なりでも、重ならなくてもどこかで影響しあっている。
    そのひとつが社会という大きな円からドロップアウトしたり、完璧に消滅した時、ちょっとでも関わった人間の世界にも何らかの影響がある。
    その影響は個々の円が大きい時ほど、及ぼす影響も大きい。
    そんな事を思うお話でした。
    久しぶりに読んだけど、以前読んだ時より面白いと思いました。

  • 物語は女子高生のホリニンナ、テラウチ、ユウザン、キラリン…そして、母親を殺して逃走中の少年ミミズ、この五人の視点で描かれている。

    遊び半分でミミズの逃亡に関わってしまう四人。

    その先に待っている結末とは……?

    自分はきっとこう見られている。

    あいつはきっとこんな奴だろう。

    ところで自分って一体何なんだろう?

    結局何もわからないんだ。

    本当の事なんて自分以外わからない……いや、その考えすら正しいのかもわからない。

    読んでいくうちに重く胸に残る不思議な感覚。

    そして読み終わった後もまだそれは残っている。

    リアルワールド……か。

    確かに、リアルな世界がそこには広がっていたよ。

    評価は3.5つ星です☆

  • 感想?特になし。

    2012.11/13 読了。

  • 全然リアルじゃないな。

    「最近の女子高生」を軽く見すぎてる気がする。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

「2016年 『猿の見る夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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