第三の時効 (集英社文庫)

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レビュー : 631
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460193

感想・レビュー・書評

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  • 強烈な個性を持つ捜査1課の班長たち。イライラするほど激しい覇権争い。
    重厚で読み応えのある、これぞ警察小説!
    (でも、警察小説は苦手で感想もうまく書けなくて申し訳ないです)

    どの話もタイトルがうまい。

    「沈黙のアリバイ」
    沈黙…怖い。
    「第三の時効」
    第一の時効、第二の時効、第三の時効とは…。
    「囚人のジレンマ」
    囚人のジレンマに陥ったのは?
    「密室の抜け穴」
    密室の抜け穴はどこに?
    「ペルソナの微笑」
    微笑みの仮面を被っているのは。
    「モノクロームの反転」
    黒と白。ちぐはぐなパズル。

    1番面白かったのは「囚人のジレンマ」、『64』を思い出す。
    新聞記者たちとの熱い戦い。腹の探り合い。攻防。
    まだ発表していない事を聞いてきた新聞記者に対して、捜査一課長は瞬時に答えを出すさなければならない。
    誰が新聞記者に情報を流したのか捜査一課長は考える。
    捜査一課長は「囚人のジレンマ」に陥いってしまうのか?

  • これもまた会社の方にお借りした一冊。

    刑事もの。
    短編集は本当に苦手で、沢山借りた本の中でも、短編かぁ、、、と後回しにしていた。

    F県警強行犯シリーズものらしい。
    一班、朽木
    二班、楠見
    三班、村瀬
    それぞれ個性のある班長の嗅覚が事件解決へと導いていく。
    それぞれの個性も面白いのだが、そのプライドのぶつかり合いも見もの。

    短編嫌いの私でも、同じ県警の刑事の物語ということで、読みやすく感じた。

    一編一編も精緻に作られており、短編でもかなりの満足感を得られた。

  • 「第三の時効」
    どれも面白い。


    F県警強行犯シリーズ第1弾。高い評価を受けるのはごもっともな作品。恐らく警察小説が好きな人は、読了済率90%はあるんじゃなかろうか。どんでん返し、警察内の駆け引きが、ぐぐっと詰まった濃度が高い連作短編集である。読みながら、面白いな面白いなーとか、げげっ、こうきたのか!?とか、楠見エゲツないけど凄腕だな、とか感想がぽんぽん頭に浮かんできた。書評としては、以上、読んでみて下さい。であります。



    テクニカルな面では、複数の事件が同時に進行するいわゆるモジュラー型警察小説を採用している。日本では敬遠されるのは、卓越したストーリーテリングと巧緻プロットが要求されるからとのこと。横山秀夫はこの二つを兼ね備えている。だからこそ凄い。


    朽木、村瀬、楠見の主要キャラだけでなく、彼らの上司や部下も良く描かれている。特に「ペルソナの微笑」が印象深い。犯罪に利用された過去を持つ矢代が、抱える苦悩と刑事としての責務。男達の矜持だ。


    また、文庫に辺り随分加筆がされている。それ故に単行本読者でも楽しめる。この加筆により、ストーリーがぐっと深くなっているらしい。専門的なところは分からないが、朽木、村瀬、楠見と言う癖強キャラに負けない味があるのは、こう言うところの要素もあるのだろう。

  • 日ごろユルイ感じの本ばかり読んでいるから、たまにこういう本を読むと気持ちが引き締まる。
    駆け引きにドキドキして読んでると、あっという間に6編読み終わってる。
    章ごとにひとつの事件があるから短編みたいな感覚で読めて、読書の時間がなかなか取れない人にも読みやすい。
    中でも面白かったのは「ペルソナの微笑」。
    この章の主人公、矢代の怒りがとても悲しく表現されていて、印象的。

  • F県警所属の、3班の刑事達の個性とそれを活かしきったストーリー、渋い隠語。刑事物の白眉です。特に「囚人のジレンマ」。田畑課長目線で複数の事件を同時進行しながらも記者との心理戦かスリリングで先が気になります。元記者の経験からかリアルですね。刑事はこうも手柄を巡る争いをするものなのか。班長3人が活躍する関連作品が読みたくなります。

  • 時効完成を題材にした作品は沢山ある。「時効完成の数分前に逮捕」。たしかに面白い。
    しかしその設定には根本的な問題がある。時効完成の数分前に被疑者を逮捕できたとしても、その数分後、つまり時効完成の瞬間には釈放しなければならない。公訴時効というのは逮捕できる期限ではなく、起訴できる期限だからだ。期限までに起訴できなきゃ、つまり裁判が出来なきゃ、結局それは犯人の勝ちだろ...。
    そんな冷めた私が、思わずのけぞったのが表題作だ。私のように「時効モノ」に冷めた目線を向けている方にこそ、この作品は面白いと思う。
    他の短編も逸品揃い。お勧めしたい。

  • これはもう言葉ではなく、
    「現(うつつ)」そのもののようだ。

    警察小説っていうものへの偏見が吹っ飛んだ。
    どこまでも濃く・深い人間描写。
    話なんかどうでもよくすら思えてくる。
    ただただ、この人たちをもっと見たい。
    それくらい「人」に惹きこまれる本。

  • 各版の班長の性格と仕事の進め方が異なっているのが面白かった。実際の警察内部の競争心もリアル。

  • 警察小説短編集。
    それぞれ主人公が違うが、それぞれの話にも登場する。
    登場人物の人柄や考え方がストーリーの中でよく分かる。
    特に秀逸だったのは、タイトルにもなっている『第三の時効』。

  • 短編集だが一つ一つの完成度は恐ろしく高い。すっと世界に入ってしまえる導入の鮮やかさ、同じ警察にいながら反目し合う班長同士、問題だけは起こしてくれるなという所長、個性豊かな面々が難事件を解決していく。群像劇のテイストもあって個人的には楽しめたが、最近の若い人はこの程度でも「登場人物が多すぎて分からない」とか言うのかな。

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著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

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