ファンタジスタ (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460360

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  • タイトルと表紙から感動系サッカー小説を期待して手に取ったら大火傷を食らうであろう、意欲的な実験作。表題作「ファンタジスタ」は、パラレルワールド的な日本で、フットボールの英雄が大統領選に立候補したという「お話」には収まらずに、ファシズムや全体主義、多数派の共闘といった暴力の現れを描いている。収録作それぞれが、人間が産み出した非人間的で強大な力と闘っているように感じた。フィクション故の鋭い視点が、現実に立ち向かっている。文章から、泥臭さと熱気が立ち込めてくるようで、本気で本を読んでいるんだ、と思わず実感してしまうような作品。

著者プロフィール

1965年、 アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、 早稲田大学卒業。2年半の新聞社勤務後、 メキシコに留学。97年 「最後の吐息」 で文藝賞を受賞しデビュー。2000年 「目覚めよと人魚は歌う」 で三島由紀夫賞、 03年 『ファンタジスタ』 で野間文芸新人賞、11年 『俺俺』 で大江健三郎賞、15年 『夜は終わらない』 で読売文学賞を受賞。『呪文』 『未来の記憶は蘭のなかで作られる』 など著書多数。

「2018年 『ナラ・レポート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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