ZOO 1 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.64
  • (1086)
  • (1269)
  • (2345)
  • (177)
  • (49)
本棚登録 : 10697
レビュー : 1166
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460377

作品紹介・あらすじ

何なんだこれは!天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され…(「カザリとヨーコ」)、謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?(「SEVEN ROOMS」)など、本書「1」には映画化された5編をセレクト。文庫版特別付録として、漫画家・古屋兎丸氏との対談も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • H31.4.14 読了。

     SEVEN ROOMSは、死を待つ者の恐怖感でハラハラドキドキが止まらなかった。
     陽だまりの詩はアンドロイドを通して、他人に対しての愛などの感情や感覚について考えさせられた。
     「天才は深夜ラジオでつくられる」で伊集院光氏の深夜ラジオで生きる希望やダメな自分でも肯定してくれる人がいて勇気づけられたことが対談形式で掲載されており、とても得した気持ちになれた。また、当時の伊集院光氏の深夜ラジオを聞いてみたいと思った。

  • これは確かにジャンル分けできない。
    ホラーでもあるけれど、中にはほっこりする温かいものもあって、とにかく乙一ワールドにすっかり飲み込まれてしまいました。

    「カザリとヨーコ」
    一卵性双生児のカザリとヨーコ。
    でも母は双子を完全に差別して育ててきた。姉のヨーコは部屋もごはんも与えられず、台所の隅で妹の食べ残しで生きる日々。

    乙一さん、家族には全く救いを用意していなかったな。
    虐待されている現実をそのまま受け止めているヨーコが痛ましい。
    でも優しいおばあちゃんに出会えて、ヨーコにも幸せの兆しが見えたと思ったのに…。
    ところで二人に姉のヨーコはふつうの名前だけど、妹のカザリはどこからきているのかな…?お飾りのカザリ?

    「SEVEN ROOMS」
    気づいたらひとつの部屋に監禁されていた姉と弟。
    部屋の真ん中には溝があり、澱んだ水が左から右へと流れている。
    身体の小さな弟は、溝を通って左右の部屋へと行き、ほかにも監禁されている女性がいること、監禁されている女性たちの末路を知る…。

    他にも言及されている方がたくさんいるけれど、この話が一番衝撃的。
    そのまま次の話に進めない、くらくらしてしまうような読後感だった。
    私も弟を持つ身なので、姉の選択と決断が何だかすごく切なくもあり。
    私がこの姉のように行動できるとは思えないけれど、こういう緊急の場面になったらきっと、弟は助けないといけないと、母性ならぬ「姉性」が少なからず疼く気がする。
    はぁ、でも読んでるだけで背筋が凍るほど怖かった…
    ほんま乙一さん嫌やわ~~…。

    「陽だまりの詩」
    病原菌により人が死に、廃墟となった世界。
    ロボットの少女は、男の死をみとるためだけに作られた。しかし彼女には「死」というものがわからない。

    この話は、題名のごとく、5編の中でも陽だまりのような短編。
    彼女が死を理解し、男の死を受け止める、最後のシーンにじーん。
    短編集の最後に、乙一さんと、映画化の際に脚本やキャラデザをした古屋さんとの対談がある。
    対談を読んでからもう一度読むと、情景がさらにクリアに浮かび上がる。
    映画の1シーンを見たのだけど、イメージ通りですごいなぁと思いました。

    表題作の「ZOO」はちょっとイマイチだったなぁ。おかしい人の頭の中に入っちゃった感じ。

    さて、元気を出してZOO2に進まなければ。

    • 円軌道の外さん

      実は最近これの映画見ました(笑)


      「SEVEN ROOMS」の怖さと
      「陽だまりの詩」の完成度は
      なかなか見応えあります...

      実は最近これの映画見ました(笑)


      「SEVEN ROOMS」の怖さと
      「陽だまりの詩」の完成度は
      なかなか見応えありますよ(^O^)


      2012/12/05
    • マリモさん
      円軌道の外さん

      わぁぁ、映画ご覧になったんですねー!
      陽だまりの詩の世界観は、是非映画で観たいのですが、「SEVEN ROOMS」は映像化...
      円軌道の外さん

      わぁぁ、映画ご覧になったんですねー!
      陽だまりの詩の世界観は、是非映画で観たいのですが、「SEVEN ROOMS」は映像化すると怖さ倍増なんじゃないでしょうか。
      小説も、脳内で映像化しそうになるのを、必死で霞ませながら読みましたし。
      とはいえ、監禁部屋の薄暗さや、異様な匂いや、流れてくる死体や、ひたひた迫りくる恐怖や、、、
      この話を思い浮かべると、今でもクリアにイメージできてしまいます。

      怖いっ。
      2012/12/06
  • 別名、中田永一さんの作品は読んだ事ありましたが、乙一さん初読みになります。

    乙一なんて名前なので、勝手に甘いファンタジー系な作品を書く作家さんだとばかり想像してました。だって明らかにペンネームだし、乙という字から乙女という言葉しか連想できなくて…。浅はかではありますが(照)

    だけど、いい意味で裏切られびっくりです。

    映像化された5編を集めた短編集でしたが、どれもストーリーの完成度が高い!
    残酷でありながらスカッとするような、でも切ない読後感。好きです。

    余談ですが、乙一さんは’78年福岡生まれ。(わー、同い年で出身も同じ)
    そして久留米高専に在学しておられたとの事(きゃー、高専つながりじゃん。)
    と、勝手に親近感をもっちゃいました。

    カザリとヨーコ/SEVEN ROOM/SO-farそ・ふぁー/陽だまりの詩/ZOO

  • 陽だまりの詩がダントツで好きです。
    ゾゾっとする他の作品ももちろん大好きなんですが、こんな優しい物語アリですか??と思って泣けました。

  • カザリとヨーコとSEVEN ROOMSはページをめくるのが怖いって思いました。
    ドキドキとかではなく話が怖くてっではなくページをめくるのが怖い。
    いや、話自体も怖いんですが。
    でも、気になるからめくっちゃう。

    陽だまりの詩が切なくてとても好きです。


    余談ですが、初めて読むと思って手に取ったのですが、SEVEN ROOMSを読んでる最中に、これ読んだ事あるなあ…と気付きました。
    結末とかを覚えていた訳じゃないですが。
    すっかり忘れていましたが、そういえば昔乙一好きの友人に借りて読んだ事ありました。
    乙一の他の作品は読んだ記憶があるんですが、なんでこれは忘れていたのだろう…。

  • どれも非日常なのに、なぜか差し迫るリアリティがあった。seven roomは特に、自分も同じ目にあったら…と思いながら手に汗握った。決して読後感がいいわけではないのに、ついページをめくりたくなる本。

  • 相変わらず乙一さんの作品は、奇妙というか怖いというか。でも、読み始めると止まらない。短編集なのに、1つ終わっても次の話な読み進んでしまうので、困ります。映画にもなっているぽいのでみてみようかな。

  • 「SEVEN ROOMS」「カザリとヨーコ」で忍び寄るような、せまっくるような恐怖感にぞくぞくとしたかと思えば、「陽だまりの詩」ではガラリと変わって、安堵するような、切なくなるような。いろんな表情を見せる短編集。まさにZOO。

  • なんだこれは。
    私が文庫を買ったとき、帯にそう書いてありましたが、まさしくその通りの本であり、決してそうじゃないとも言える本です。

    ホラー短編集です。ホラーって言葉で簡単にまとめたくないけども。
    ホラーって言われると、幽霊とかオバケとか、目に見えない怖さがあると思います。
    ですがこの短編集、目に見えるから怖い。見えなければ、知らなければ、こんなに怖くなかったのに。知ってしまったからこそ怖い。そんなホラー小説は私にとって初めてで、ものすごく印象に残る話ばかりです。

    ちょっとグロテスクな内容が多いので、そこだけは注意です。

  • どっとする重い話あり。
    ぐっとくる情感あふれる話あり。
    ぞっとする話あり。

    バラエティに富んだ一冊。
    「陽だまりの詩」はアニメになっているそうだが
    実写で観たい作品。

全1166件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

ZOO 1 (集英社文庫)のその他の作品

乙一の作品

ZOO 1 (集英社文庫)に関連する談話室の質問

ZOO 1 (集英社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする