とるにたらないものもの (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 4945
感想 : 319
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460391

感想・レビュー・書評

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  • 素敵なエピソードばかり。特に食前酒と食後酒は洒落てた。

  • めっちゃ好き!とかじゃなくて、なんとなく好きだなぁって思うものは言葉にしないとそのまま忘れてしまうから、それのどういうところに惹かれたか、とか自分がどういう感情になったか、とかを言葉にするのって大事だなと思った。

  • 大好きな江國さんのエッセイ集。まず本のタイトル名にすごく惹かれた。“何が好きですか、と訊かれて、まよわず、ケーキ、とこたえるような単純さで私は生きたい”好きな感性。

  • ★3.8
    久しぶりの江國さんエッセイ。
    題名の通り、とるにたらないものなんだけど、彼女がちょっと気になるものもののことたちが描かれている。
    彼女の視点がいつも好き。
    何度も言うけど、江國さんは、ずっと少女のままのところが残っていて、かわいらしいな、と思う。
    かわいい、じゃなくて、かわいらしい。
    (このニュアンス伝わってほしい…)

    あと、いつも新しい日本語に出会う。
    かそけき味。初めて知った言葉だし、使いたいなって思った。
    そして、好きときらい、気になる存在、それが意外と明確で、彼女の周りにあるものは、彼女から話しかけられて、命を持ってるかのようにも見える。


    -干しブドウの味
    美味しいワインは胃でなく身体に入る気がする。きちんと血肉になる実感もする。皮膚やまつ毛も、それを楽しく味わっている。

    「ハッカパイプ」というものを見つけて、何かしらと気になった。

  • 短編集でさくさく読みやすかったです。日常の些細なことに注目して表現されているのが素敵だなと思いました。個人的にはケーキのお話が好きです。

  • 江國さんは女という性を持って生まれてきたこと、女として生きていることの楽しさ、女ならではの歓びを感じながら生きてるんだろうな。
    言葉一つひとつに色気がある…。
    謎に包まれている作家の日常を覗き見している感じあって、やっぱりエッセイが好きだ。

    緑いろの信号、小さな鞄、レモンしぼり器、食前酒と食後酒、化粧おとし、押し葉押し花、結婚式、ピンク、フレンチトースト、りぼん、オーバー、砂糖

    お気に入り。

  • 身近なものへの郷愁や切なさ、儚さを感じます
    小さなこと、小さなときめき、妥協できないこと
    みんないくつか持っている想い

  •  江國香織さんの少女のような独特な視点とまっすぐな瞳で淡々と紡がれていくエッセイ。その瞳と言葉を通すだけで、日常の"とるにたらないものもの"がこの上なく魅力的に見えてしまう。特に印象に残ったのは"石けん"と"「けり」という言葉"。

  • さらさらと言葉を食べている感覚で読める本。
    特に好きだったところは、ケーキかな。
    ケーキがあるよって言われると、不思議と甘くて美味しいケーキを想像してしまうのは何でですかね?笑
    そんな日常のおや?っと気づいたことをツラツラ書いている感じです。職場からの帰路で読むのに丁度良かったです。

  • 20年ぶりに再読。かつての私は江國香織ワールドが大好きで、その少し気だるくて柔らかくて浮遊感のある独特な感性にとても憧れていた。
    再読しても、やっぱり素敵だし、変わらず惹かれるものがある。
    でも、今の私は、もっと堅固で質実なものを欲している。以前より心惹かれなかった。それが、20年で私が経てきた変化なのだろう。江國香織さんの世界にとても惹かれていた、若い頃の自分がなつかしい。

  • 一緒にぬり絵をしているような気持ちになります。

  • とるにたらない身のまわりのものについてのエッセイ。
    やっぱりアンニュイでおしゃれなんだけど、小説と違って、彼女はこういう人なんだと割り切れるからエッセイの方が読みやすい。
    小説だとどうしても登場人物のエキセントリックなところが鼻についてしまうけど。

    『砂糖』の中でも江國節は健在で、
    ”砂糖ははかない味がする。
    グラニュー糖や果糖、三温糖やざらめや黒砂糖はまた全然別だ。それぞれ個性があっておいしいと思うけれど、はかなくはない。”
    なんて文章を読むと、全く彼女らしいなと思ってしまう。

    が、その後に、砂糖壺へと話題は移り、買った後で移し替えるのは丁寧に生きている感じがする、などと書かれていると、白いキッチンのカウンターに置かれた砂糖壺が容易に脳裏に浮かんだりもしたのだけれど…。

    ”うちの台所にはそういうものはない。こぼれたり、中身が湿気で固まったりするのがいやだからで、それは勿論、日々きちんと手入れをしないからだ。道具というのはすべて、きちんと手入れをしない者には使いこなせない。砂糖だけじゃなく塩も醬油も、だから私は買ってきたパッケージのまま保存している。”

    あらら、江國さんでもそうなのね、と少し安心。
    とはいえ、おしゃれでアンニュイには生きられないけど、ちょっと丁寧には暮らしたいと思っているので、やっぱり私と江國香織のベクトルは真逆なんだなあと思った次第。

  • 江國香織らしい本
    日常が愛おしくなる、キラキラした言葉の表現
    寝る前に読みたい

  • 江國香織さんが、愛しさをもって見ている世界を見させてもらったよう。

  • この人の言葉センスは本当に凄い。

  • 江國作品は、エッセイまでも江國色。カバーの雰囲気もあってますよね^_^

  • 江國さんとその周りの物たち
    日用品であったり食べ物だったり、空気や目に見えないものについて書かれたエッセイ

    ひとつひとつはすぐに読める
    レモンしぼり器の話がすき

  • もう何度読んだだろう。
    江國さんのエッセイを読んでいると、日常の些細な、当たり前なことがとくべつに見える。江國さんの言葉によって物事の輪郭が鮮やかになるというか、たとえば江國さんのエッセイを読んだ人はみんな「食べる」ということに真剣になってしまう、とおもう。
    このエッセイを読んだあとのわたしは、仕度と、石けんと、食器用のスポンジがとても好きになった。

    ドイツ語専攻の友達に、エバミルクのラベルを読んでもらったのも嬉しかった。

  • 全ての話が自分の感性に合った…、という訳では勿論無いのですが、にも関わらず書き手と「程良い」距離感をキープすることが出来、その心地良さも含め、読んでいてホッとした作品。

  • 江國さんが、日常の中で気になるものたちをつづるエッセイ。せっけんだったり運動靴だったり、日々の日の長さだったり、視点やつづられてることを読むと、江國さんの小説そのものといった感じでした。とても読みやすく、淡々としてるけれど、漂っている世界観が読んでいて心地よい作品でした。他のエッセイも読んでみたい。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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