とるにたらないものもの (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2623
レビュー : 229
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460391

作品紹介・あらすじ

とるにたらないけれど、欠かせないもの。気になるもの。愛おしいもの。忘れられないもの-。輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、子守歌、フレンチトースト、大笑い…etc.。そんな有形無形の身のまわりのもの60について、やわらかく、簡潔な言葉でつづられている。行間にひそむ想い、記憶。漂うユーモア。著者の日常と深層がほのみえる、たのしく、味わい深いエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り、日常に溶け込んで普段はわざわざ取り上げない“とるにたらないもの”60個について書かれたエッセイ。

    普段それとなく使っている物や見ている物について、考えようと思えば考えられるけれど、意識しない限りは何とも思わないことの方が多い。
    例えば今これを書いている私の目の前には白いテーブルがあって、その上にリモコンとグラスがあり、読み終えた本が何冊か積まれているけれど、それらについて深く考えることはない。
    そういう日常にある“とるにたらないもの”が、江國さんの紡ぐ言葉を通すととてもいとおしいもののように思えてくる。

    輪ゴム、塩、化粧おとし、など、何気なく使うものについて。そして、書斎の匂い、日がながくなること、など、暮らしていて感じることについて。いろいろ。
    江國さんの小説を読んでいて感じる郷愁のようなものとか瑞々しさは、きっとこういう風に日常に感受性を向けるところから来ているのだな、と思った。

    私ならば今思いつくのは、栞、キャンドルホルダー、牛乳石鹸、リネンウォーター、真夜中、夏の夕方、水色、紺色のペン、あたりかな。そう考えはじめると楽しい。

    あまり意識しすぎたら生活に支障を来すけれど(笑)目に映るものについて考えてみるのもたまには良い。
    日常を支えているもののほとんどが、“とるにたらないものもの”なのだから。そんなことを思わされた一冊。

  • 文字どおり、とるにたらないものが並べられていて、他愛もないことが書かれているのに、読んでいるとなぜかほっとする。
    普段の生活で見過ごしてしまいがちなことがどんどん溢れてくる。
    江國さんはきっと、どんな些細なことでも物語にしてしまうのだろう。
    彼女の小説の中の言葉が、特別素敵なものに思える理由がわかるような気がする。

  • 一つ一つがなんとなく共感できるものが多くてよかった
    身近にある"とるにたらないものもの"をこんな風に書き出せるのはすごいし、すてきだなあ

  • 江國香織さんが、愛しさをもって見ている世界を見させてもらったよう。

  • この人の言葉センスは本当に凄い。

  • 江國作品は、エッセイまでも江國色。カバーの雰囲気もあってますよね^_^

  • 江國さんとその周りの物たち
    日用品であったり食べ物だったり、空気や目に見えないものについて書かれたエッセイ

    ひとつひとつはすぐに読める
    レモンしぼり器の話がすき

  • もう何度読んだだろう。
    江國さんのエッセイを読んでいると、日常の些細な、当たり前なことがとくべつに見える。江國さんの言葉によって物事の輪郭が鮮やかになるというか、たとえば江國さんのエッセイを読んだ人はみんな「食べる」ということに真剣になってしまう、とおもう。
    このエッセイを読んだあとのわたしは、仕度と、石けんと、食器用のスポンジがとても好きになった。

    ドイツ語専攻の友達に、エバミルクのラベルを読んでもらったのも嬉しかった。

  • 全ての話が自分の感性に合った…、という訳では勿論無いのですが、にも関わらず書き手と「程良い」距離感をキープすることが出来、その心地良さも含め、読んでいてホッとした作品。

  • 江國さんが、日常の中で気になるものたちをつづるエッセイ。せっけんだったり運動靴だったり、日々の日の長さだったり、視点やつづられてることを読むと、江國さんの小説そのものといった感じでした。とても読みやすく、淡々としてるけれど、漂っている世界観が読んでいて心地よい作品でした。他のエッセイも読んでみたい。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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