おいしいコーヒーのいれ方 (8) 優しい秘密 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460476

作品紹介・あらすじ

「かれんと付き合ってるって本当?」花村のおばさんからきかれ、とっさに否定してしまった勝利。誰も傷つけたくなくて、ふたりの関係を守りたくて、ずっと秘密にしてきた。それが間違いだったのか。勝利へ思いをよせる星野りつ子の存在も、かれんには言えなくて。後ろめたいから言えない。言えないからますます後ろめたい。秘密は増殖する。悩み多きシリーズ8弾。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第八弾。テーマは秘密。かれんとの仲を花村の叔母さんにバレそうになるが、嘘でごまかしてしまう勝利。星野りつ子、積極的というか、我儘というか、嫌なヤツになってる。かれんは鴨川の老人ホームへの転職の話が進行中で、一軒家に一人暮らしの予定。

  • シリーズ8作目。
    勝利の好感度がどんどん下がっていく…星野りつ子を一人暮らしの部屋にあげ、お願いを聞いて背もたれになり腕を回すなんて…うーむ、それはアウト。八方美人だなぁ。嘘が嘘を呼び、どんどん深みにハマる勝利。なんか嫌な予感がする…
    花村のおばさんにかれんとのことがバレそうになった時は焦った。

    マスターの言葉メモ
    「一つでいいから、どんな時にも揺るがないものを持て。うまいと思うコーヒーの味でもいい。あるいは、手本にしたい誰かの背中でも、胸に響いた言葉でもいい。そういう、まわりの状況に左右されない自分だけの基準があれば、いざという時に方角を見失わずにすむ。ちょうど、どこからでも見える高い塔みたいなものさ。知らない場所で、たとえ進む道がわからなくなっても、そこへ立ち戻りさえすればまた一からやり直せる」

  • 恋愛って夢中になればなるほど視野が狭くなってしまうのだと感じた。ショーリが目指すマスターの大人びた余裕のある風格のそうゆう所の差じゃないのかな?
    それにしても星野がここまで悩んでいたとは、、次回はどうなっているのかな??

  • 今回はかなり星野りつことショーリに苛立った
    ストーカー気質であまのじゃくな星野リツコにも、優しさが仇となって嘘をつき続け、星野に中途半端に優しくしてしまうショーリにも。。
    ただ自分にも心当たりがあるような恋愛模様で、誰しも人に嫌われたくなくて中途半端な優しさを持ってしまうことはあるんだろうなぁ。と

  • 感想記録なし

  • 星野りつ子にものすごく共感したり、イライラしたりする。ある意味1番自分に近い感じの子なのかもしれない。

  • 星野が豹変してしまったようで驚いたけど彼女の真っ直ぐにショーリを思う気持ちを目の当たりにして、自分だったら星野を選んでしまうかもななんて思ったりした。

    介護福祉士の仕事に向けての準備が着々と進み、かれんのイキイキとした絵が脳裏に浮かんできてほっこりした。これから中距離恋愛になるからどんな展開が待ってるか楽しみ、早く次読みたい

  • 傷つけたくないという思いやり自体が、時として傷つけてしまうことってありますよね。その思いは誰にとっての想いなのか、立場によって変わってしまうことがあります。

    今回勝利とかれんはまさに、お互いを思うが故に本音が言えないようなそんな場面を多くて経験していたように感じました。

  • 星野ちゃんの想いが爆発!だけど誰しもが星野ちゃんの立場になりうると思う。その時どう動くか、そこがその人の真価なのかな。両想いでも片想いでも、「恋」に辛さはつきものですな。

  • かれんと勝利が付き合っていることが、どうしてかれんが花村家の本当のこどもではないということを知っていることになるのかがわからない。
    いとこ同士ですが付き合ってますでいいんじゃないの?
    男が年下では頼りないというのはあくまでも外野の意見であって(というか、誰にもまだ言われてないし)、ふたりがいいのならいいじゃないか。

    戸籍を観れば簡単にわかる秘密なんだもの、本来ならタイミングを見計らって親の方から話す案件。
    かれんがそこまで育ての親に気を遣うのなら、それは親の方が悪いんだよ。
    だからと言ってかれんが親を責めることはできないけれど。

    だけど秘密を守ることばかりに重点がいって、秘密を守るために傷つける人が増えるのなら、それはやっぱり間違いなんじゃないかな。
    私には勝利が誠実には思えない。
    いろんなところに気を遣っているけれど、結局誠実ではないと思う。

    星野りつ子に何を言われても、「君を好きになることはできない。これ以上つきまとわないでくれ」とはっきり拒絶すればすむ話。
    彼女を傷つけるとかつけないではなく、自分が悪者になるかならないかで行動しているんじゃないの?
    だから後ろめたいのでは?
    かれんに対して不誠実だという自覚があるのでは?

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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