蛇にピアス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 4756
レビュー : 686
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460483

作品紹介・あらすじ

「スプリットタンって知ってる?」そう言って、男は蛇のように二つに割れた舌を出した-。その男アマと同棲しながらサディストの彫り師シバとも関係をもつルイ。彼女は自らも舌にピアスを入れ、刺青を彫り、「身体改造」にはまっていく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望。今を生きる者たちの生の本質を鮮烈に描き、すばる文学賞と芥川賞を受賞した、金原ひとみの衝撃のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 鮮烈に描かれる無情な絶望感。生の希望や愛が痛々しい。

  • ルイの感情は誰にもわからない。ルイにしかわからない。人間の感情を全て言語化することなんてできない。愛に溺れ、痛みに溺れ、今この時を生きていた人間にとって、死という概念に遭遇した時、どんな感情になるかなんて言葉にできない。それでも人間は生きていく。

  • クラブで出会った顔面に沢山のピアスと龍の刺青モヒカンで真っ赤な髪をしている男、アマはスプリットタンだった。それに魅了されたルイは彼と付き合っているつもりはないけれどセックスをしてアマの知り合いであるシバに頼んで舌ピを開ける。
    そこで刺青にも興味を持ちシバとエッチをして複雑な模様を入れてもらうことになる。
    その後もアマと楽しく暮らしているルイ。しかしある日を境にアマは姿を消し遺体で見つかる。
    そこでルイはアマのことを知りアマのことを愛していたこと気づく。

    私の前からいなくなるくらいなら、私になれば良かったのに。

  • 「スプリットタンって知ってる?」という書き出しは、一生忘れることが無いと思う。

  • ちょっとグロいですが、流れとしてはまとまっていたかと思います。これを映画化しようと思ったのが凄すぎる。

  • 読んだ人や回数によって解釈の変わる話だと思った。
    スプリットタンや刺繍など、アンダーグラウンドの世界に憧れのような感情を抱いてしまう。
    自分ができないからこそ憧れる世界

    アマを殺したのはシバなのか、ルイは何を感じたのか、肝心なところが明かされず、こちらの解釈に任されているのが面白い。
    描かれた明確にわかることが全てじゃないと改めて感じた。

  • 「スプリットタンって知ってる?」
    そう言って、男は蛇のように二つに割れた舌を出した。その男アマと同棲しながらサディストの彫り師シバとも関係をもつルイ。
    彼女は自らも舌にピアスを入れ、刺青を彫り、「身体改造」にはまっていく。
    痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望。



    スプリットタン、タトゥー、ピアス、暴力、セックス。この小説の構成要素はいずれも僕が小説に必要としていないものばかり。
    いや、むしろ僕が好む作品とは対極にあると言ってもいいくらいだ。

    だからどう評価していいかわからない。

    登場人物たちの考えていることもさっぱりわからない。
    アンモラルの極致と言ってもいいような若者たちの行動や感情を理解できるほど僕は若くもない。
    (たぶん学生時代の僕にも無理だと思うが)

    簡単に他の男と寝るくせに、恋人の死に対しては食べることも寝ることもできなくなるほどに深く悲しんでいる。
    愛情という言葉がまるで相応しくないような付き合い方なのに、まるで古典的な文学作品のごとき純真ささえ見せる。
    それほど深く愛した男を殺したのかもしれない男を受け入れる。

    人間は驚くほど複雑で、その一方信じられないくらいに単純だったりもする。
    心というやつは本人さえも制御できないくらいに暴れたりすることがある。
    この小説は人間の、その一番難しい部分を描いているような気がする。
    だからこの作者は肝心な部分についてはほとんど心理描写をしていない。
    ルイの一人称で書かれている物語なのに、彼女のシバに対する想いや、アマに対する気持ちはほとんどわからない。
    登場人物たちの動きを、心理を、もしかしたら作者自身もコントロールしきれていないのではないかとそう感じた。
    作者が神になりきれていない物語が面白いだろうか? 作者が登場人物たちと同じレベルで寄り添っているような物語は……もしかしたら現代的なのかもしれないけれど、僕の好みには合わない。

    「蹴りたい背中」を読んだときよりもさらに「どうしてこの作品が芥川賞なのだろうか」という疑問は強くなった。
    十代の少女二人による同時受賞というインパクトを狙ったということもあるだろう。
    だが、それだけでこの伝統ある賞を得ることができるほど甘くはないはずだ。
    文章はもちろんしっかりしていて、何冊も著作があるのに小学生の作文みたいな文章しか書いていないプロの作家がたくさんいることを考えればその点は評価していいと思う。
    だけど……若い女の子が自分の思いつくままに若者の世界を何となく書いてみたというだけの物語に読める。
    そこで一番肝心なのはストーリー性や言葉の美しさ、描写の妙などではなく、読者が物語やキャラクターをどれだけ身近に感じるか、リアルであるかということらしい。
    もしかしたらこの物語はケータイ小説に近く、これこそが十代の少女たちのリアルなのかもしれない。
    だとしたら僕が楽しく読めないのは仕方がない。

    だけどそれだけじゃない何かがあるような気もするし、本当にこの作品を評価するのは難しい。
    ただひとつ言えるのは僕ならこの作品を芥川賞に選んだりはしないということだ。

  • 中学生の頃に読んで怖くて親に泣きついた記憶があります。
    今読むときっと違うんだろうけど当時は大人の世界を覗いたのが怖かったのかな。

  • 強烈すぎて感想が出てこない

  • 痛みを感じるときに生を感じる。沼。

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著者プロフィール

83年東京都生まれ。03年『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞、10年『トリップ・トラップ』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。

「2021年 『緊急事態下の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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