- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087460483
感想・レビュー・書評
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『人間に命を与えるなんて、神は絶対サディストだ』
『ルイのためならお安いよ』
『欲の多い私はすぐに物を所有したがる。でも所有というのは悲しい。手に入れるという事は、自分の物であるという事が当たり前になるという事。手に入れる前の興奮や欲求はもうそこにはない。』
『毎日毎日、時間が早く過ぎる事を願っている。早く明日になったところで、何が解決するという訳でもないのに。』
『粉々になると、私はそれを口にふくんで、ビールで飲み干した。それは、ビールの味がした。アマの愛の証は、私の身体に溶け込み、私になった。』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すばらしかった。
ルイの心情のリアルな振れ幅、
これは本当に10代のぴりぴりととがったセンスでしか描けないと思う。
それにしてもこんなふうに忠実に書けてしまうところがすごい。
わたしは映画を先に見てしまったので、
キャストがもうそれにしか見えなかったけれど、
想像で彼らをもう一度キャスティングしながら読んでも、
とてもぞくぞくしてよかった。 -
前から気になっていた一冊。
裏の世界をみたような気がした。 -
映画を観たんで、どんなもんかと購入。正直、ページ数が少ないことに驚いた。
ルイの感情に引き込まれていき、十代の頃、すぐ近くにあったアウトサイドな世界に対する憧れと怖さをビンビン感じた。筆者の表現力と書き切らない素直さは抜群。 -
血を見ただけで卒倒しそうなのにピアスの描写だけで血の気が引く思いで読みました
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性と身体に淡々というか殺伐というか。尖った鋭い行動さというよりは膜を張ったみたいに朧な心の少女の話。
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こんなこと言ったら失礼かもしれませんが、やっぱり「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」はセットであることで、それぞれの良さや価値が増していると思います。
それぞれの主人公は趣味嗜好や表面上の性格は異なりますが、それでも根っこの部分で持っているサディスティックな感情やそれを体現する衝動には似たものを感じました。
周囲に馴染めないいわゆる普通の女の子も、スプリットタンを目指して舌ピを拡張し続ける女の子も、感じていることは同じこと。
文庫本の解説は村上龍が書いています、村上龍が解説を書いてるんだろうなって思いながら本編を読んでいました。 -
痛々しくて歪んでいる人達。作者があの年齢で描いたリアルな感じがおもしろかった。私はドSなシバさんが好き。
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イカれた10代の物語。ギャルの主人公が、スプリットタン(舌を蛇のように切って分ける)とタトゥーに興味をもつ。顔中ピアス、、体中タトゥーだらけのパンクな男2人としりあい、暮らしていく。私にはとてもおもしろい物語で、よかった!