笑酔亭梅寿謎解噺 1 ハナシがちがう! (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460742

作品紹介・あらすじ

上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 金髪トサカ頭で高校を中退したヤンキー・星祭竜二(ほしまつりりゅうじ)は
    見かねた高校の英語教師に連れられて、上方落語の大看板・笑酔亭梅寿
    (しょうすいていばいじゅ)のもとに無理やり弟子入りさせられてしまう――

    「俺、落語なんか嫌いやゆうたやろ。お笑いやったら漫才の方がまだましや。
    先生が、ぼこぼこにどついて無理やり連れてきたんやないけ。
    噺家なんかなるつもりないねん」 勝手に決めんなや......

    というところから始まるこのお話。も~面白かったです♪楽しかった~。^^

    さぁ...これからヤンキーあがりの竜二の噺家修業がはじまるよ~。
    いったいどうなるのでしょうねぇ....なんて、楽しみながら読んでいましたら
    あら。。なんだかミョーな事件が起きて....

    てっきり金髪ヤンキーくんの噺家修業話(だけ)なのかと思いきや
    日常のライトな謎解きミステリが絡められているというおまけつきでした。
    コミカルに絡められた日常の何気ない事件...とはいえ、殺人事件も
    誘拐事件も起きて、その謎解きがまたなんともおもしろ可笑しくて♪
    笑えました。

    「落語」はほんとは少し苦手(嫌いではないです)で、近寄り難い
    ところがあるのですけれど、北村薫さん著作の「円紫さんと私」
    シリーズを楽しませて頂いて以来、お近づきになってみたく
    ライトな初級編から少しずつ模索しています。

    ・たちきり線香  ・らくだ  ・時うどん  
    ・平林  ・住吉駕籠  ・子は鎹  ・千両みかん

    七つの古典落語のお題目を絡めたお話の初めには、月亭八天さん
    (現:月亭文都さん)の落語解説が付いています。
    上方落語と江戸落語の違いもゆるりと知れて楽しいです。

  • ひょんなことから
    落語家に弟子入りする事になった不良少年。
    初めは興味もなかった落語に少しずつのめり込んでいく。

    田中啓文がこんな本も書いていることに驚き。
    ホラーしか読んだことがなかったので。

    そこまで詳しくはないですが、落語、私は好きです。
    難しそうなイメージを持っていましたが、聞いてみると、意外とライトで面白い。
    これぞ娯楽という感じ。

    主人公の竜二も落語には詳しくないので、読み進めていくうちに一緒に落語を好きになっていく感覚。
    師匠もかなりはちゃめちゃな人ですが、私、こういう男の人は嫌いじゃない。
    締めるところは締めているし。

    解説にも書いてありましたが、ミステリと落語のなんと相性のいいことか。
    これは続きが気になるシリーズです。

    他の方もレビューで書かれていますが、表紙が少し残念。何だかイメージと違う。

  • 無理やり噺家の弟子にさせられた鶏冠頭の竜二。彼が、大酒飲みの師匠にどやされながらも古典落語に目覚める。その過程で、古典落語に関連のある事件が次から次へと起る。それを次々に解決していくミステリ。
    解説の桂文珍も書いていますが落語とミステリの取り合わせは絶妙です。
    月亭八天の古典落語の解説も面白い。
    ネタになっている落語を聞きたくなります。落語を知らない人にもおすすめの一冊です。続きがあるようですのでそれも読みたいですね。

  •  ミステリーの完成度、というより、総合的な完成度が高いと思う。
     このような書き方をすると堅苦しいキチキチとした小説のイメージになってしまうが、そんなんじゃなくって、キャラクターや話の流れが読んでいて心地よいのだ。
     主人公である竜二、彼はヤンキーでどうしようもない不良のように見えるが、酔っ払いで借金持ちのそれこそ酷い人間のように一見するとみることができない師匠の噺に引き込まれていき変化していく。そこにあるのは等身大の若者であり、誰しも抱えている悩みである。
     そんな彼の成長していく姿に、読者は共感できるのである。

  • 主人公の落語家になった経緯とか、
    ミステリの部分とか、正直イマイチだけど
    落語業界に屯する人々が楽しい。
    元気なジジイが出てくる話は嫌いではない。
    実際に近くにいたら嫌だけど。

    江戸前の落語はちょこちょこ聞いたりすることもありますが
    意外と上方の落語って知らないもんですねえ。


    ま、表紙はいかんよねえ。

  • 落語のネタをもとに、事件を解決していく流れが、新しい感じがして良かった。主人公を始め、登場人物が魅力的。
    でも表紙の絵が漫画チックでやだなぁ。小説には人物の絵はいらないと思う、
    登場人物を想像するのもまた楽しみであるので。

  • 金髪トサカ頭の竜二は高校を中退した後、無頼の日々に明け暮れていたが、元担任教師の奔走&懇願で上方落語大御所の笑酔亭梅寿の内弟子に。落語に全く興味のない彼は、果たしてどんな日々を送るのか!!


    ここのところ、落語に縁のない者がその面白さに目覚める、といった話が目に着く気がするのは、やはり落語ブームと言われて久しいからでしょうか。
    私は昔人間なので、落語はとても身近な娯楽で、寄席でもホールでも見るのはもちろん読むのも大好き。

    この竜二くんの物語は初めてだったのだけど人気のシリーズなんですね。(*^_^*)

    師匠の梅寿は、笑酔亭というだけあってなんとまぁ~~の飲み助だし、借金取りから逃げ回ったり、すぐに半端じゃない弟子たちへの鉄拳が見舞われたり、と、とんでもない人なのですが、そんな師匠の高座の面白さ、素晴らしさがきっちり伝わるところが実によかったです。
    何より嬉しいのは、その落語が上方のものである、というところですね。なかなか、上方落語に触れる機会のない地域に住んでいるもので、小気味のいい上方言葉で語られる噺が面白かったし、また、同じ題材を扱っている江戸の落語との違いがさりげなく物語の中に織り込んであるのも嬉しかった。

    で、竜二くんなのですが・・・
    第一巻目だから仕方ないのでしょうが、なんか、ふらふらしていて腰が定まらない。
    いや、仕方なくはないですね。だって、彼はのっけに師匠の「たちきり線香」を聞いて、まさに開眼!古典落語ってなんて面白いんだろう、と感激していたはずなのに、その後の言動になんか一貫性がない。まぁ、人間なんてそんな一つのきっかけで真人間になったり、その道一筋になったりするわけがない、と言われてしまえばそれまでなんだけど、それにしても、物語の進行上の都合で、落語家になんてなりたくない、とか、落語なんて好きじゃない、とか唐突に言いだすのはあまりよろしくないんじゃないかな、なんてね。

    ただ、実は竜二くん、自分では気づいていないけど、実はかなり落語の神様に可愛がられている人だったようで、落語が上手い!という嬉しいオプションが!!
    兄・姉弟子たち目線で語られる竜二くんの噺の面白さ、そして、二巻目以降は新作落語も出てきそう、という展開には期待したいです。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/537056

  • トサカ頭のヤンキー少年を更生させようと、元担任教師が送り込んだ先は上方落語の御大のもと。

    落語が好きなので楽しく読みはじめましたが、それぞれモデルがいるとおぼしき噺家たちに、酒癖の悪い奴が多すぎる。師匠なんてあまりにゲロゲロ吐くから、こっちまでオエッとなりかけてしまう(笑)。

    寄席や楽屋で起こる事件。元ヤンが意外な推理力を発揮して謎を解き明かす。これがまた同著者の食いしん坊お奉行様シリーズと同様に、わりとヘヴィーな事件。殺しまで起きますからね(笑)。

    この第1巻の終盤に、元ヤンがようやく落語の面白さに気づきます。第2巻以降はどうなることやら。もうちょいゲロ描写控えめでお願いしたい。(^^;

  • 落語とミステリの融合作。類似作品だと、北村薫氏の円紫師匠と私シリーズや、大倉崇裕氏のオチケンシリーズを思い浮かべますが、それらとは違った面白さでした。特に人情物は良かったですね。続編も買ってあるので、おいおい読み進めて行くつもりです。

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の剣士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、ジャズミステリ短編「落下する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。2002年『銀河帝国の弘法も筆の誤り』で第33回星雲賞日本短編部門、09年「渋い夢」で第62回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。近著に『臆病同心もののけ退治』『文豪宮本武蔵』「浮世奉行と三悪人』シリーズ、「警視庁陰陽寮オニマル」シリーズなど多数。

「2020年 『件 もの言う牛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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