水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

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レビュー : 313
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460865

作品紹介・あらすじ

十二世紀の中国、北宋末期。重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。その腐敗した政府を倒そうと、立ち上がった者たちがいた-。世直しへの強い志を胸に、漢たちは圧倒的な官軍に挑んでいく。地位を捨て、愛する者を失い、そして自らの命を懸けて闘う。彼らの熱き生きざまを刻む壮大な物語が、いま幕を開ける。第九回司馬遼太郎賞を受賞した世紀の傑作、待望の文庫版刊行開始。

感想・レビュー・書評

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  • 宋の時代,政府の圧制に立ち上がった漢たちが梁山泊に集まり,一つの国というようなものを樹立し,宋との決戦に挑む物語。フィクションではあるが,一応,宋の時代の36人の史実を元に脚色され,現在の108人の漢の物語になったらしい。北方水滸伝は,原本での辻褄が合わないような部分や,ファンタジーちっくな部分を,より現実的な描写に再構成している。敵対する宋軍側の考えにも,梁山泊側の考えにも,どちらにも正義があるように思える。
    宋側は現体制のまま政治を立て直して行こうとし,梁山泊側は一度宋をつぶし新しく国を作りかえると言うもの。普通の戦モノと違うのは,登場人物が軍人ばかりではなく,医師,鍛治,情報を伝達する飛脚,城壁等の石積みを作る職人など,様々な人間が登場するとことだ。
    北方水滸伝は,続編である楊令伝へと話が続く。
    ストーリーは面白いが,19巻ともなると,著者の人物描写が少しワンパターンとなるところ(次に何を言うかが想像がつく)や,登場人物の描写に終始するところ(司馬氏や宮城谷氏は,文書の所々に,自分の考えや地名の由来,雑学のようなものがちりばめられている),女性描写がしつこく,えぐいところなどが自分の趣向とは少し合わないので3つ星とした。決して面白くないわけではないが。。。
    全19巻

  • 朝日新聞の平成の30冊の中にこの本があったような気がしたので読み始めた
    大体この手の本は法螺話なんで、登場人物がかっこいいだけかと思ってたら、経済基盤を整える(塩の道をつくる)とこから話が始まるのすごい。ちょうど会計の歴史の本と並行して読んでるので、説得力あるのよね。お金が無いと、理想を掲げても人は動けないと思う。
    19巻もあるけど読み切りそう。
    最初三国志と間違えて読み始めて、時代違わないかとか思ってたのは内緒

  • ついに手を出してしまった水滸伝。

    三国志や楊家将のときもそうだったけど、やっぱり北方謙三の書く男ってかっこよすぎる。しかも多様性がある。これが一巻目とは思えないボリュームと密度にわくわくが止まらない。これだから読書はやめられない。
    二巻もわくわくしながら読むことにします。

  • 「南総里見八犬伝」を読了したことに調子に乗って、「水滸伝」に手を出しました。
    が、登場人物の多さと地理不案内に、相当手こずりました。
    先が思いやられます。

    事前に知っていたことといえば、梁山泊というところにならずものたちが集まって、世直しを画策する、ということ。
    そして曲亭馬琴によると、どうも最後は彼らが負けて終わるようであること。

    ところがこの北方版「水滸伝」は、原作とはちょいと違うようなのであります。
    原作と言っても誰か一人の作品ではなく民間伝承が元になっているので、描写に矛盾があったり、尻切れトンボの部分があったりするところを、北方健三は物語を解体し再構築することで、矛盾の解消をしたようなのです。
    それに伴って、登場人物たちにもそれぞれ人間的な魅力を加味したと。

    そして、物語の背景をはっきり作り込みます。
    政治的にも経済的にも詳細に。

    さらに新たな登場人物を作り出して、物語を動かしていきます。

    これらの改変によって、ようやく自然な物語として読むことができるようになったのだと。

    ということで、あえて北方版「水滸伝」を手にしましたが、全19巻。
    その続きの「楊令伝」17巻。
    さらにその後「岳飛伝」19巻。
    長い旅になりそうです。

    とりあえず一巻ではまだまだ仲間を集め中。
    苦労人の林冲の動向を気にしながら読み進めました。
    人気者の武松はまだ伝聞でしか登場せず。
    ほんと、先が長い…。

  • うっかり読み出してしまいました‥‥これ以上長編併読してどうするんだ、と思いましたが面白いのですぐに惹き込まれました。
    大量のキャラクターを一行で印象に残すよう描きだす筆力すごい。
    男同士の友情いいですね。
    淋中が拷問を受け妻が陵辱され自殺し、地下牢に幽閉されるすさまじい痛ましさ。性格変わっちゃってる。でも狂うこともなく生きることを選ぶ。これがすごい。
    鮑旭が王進先生と母上に教育され、それを思うところ涙が出ます。人は人と繋がってこそ人たる。

  • ついこの間、岩波少年文庫の水滸伝を読了した際、KiKi はその Review で「天罡(てんごう)三十六星」「地煞(ちさつ)七十二星」についてちょっと触れたわけだけど、この北方水滸第1巻の章立てがどうなっているかっていうとこんな感じになっています。

    天罡の星(北斗星)
    天孤の星
    天罪の星
    天雄の星
    地暴の星
    天微の星
    地囚の星
    地霊の星

    で、因みにこれを水滸伝で108人に割り当てられた星と豪傑の相関図で結び付けてみるとこ~んな感じです。

    天罡の星: 玉麒麟・盧俊義
    天孤の星: 花和尚・魯智深
    天罪の星: 短命二郎・阮小五
    天雄の星: 豹子頭・林冲
    地暴の星: 喪門神・鮑旭
    天微の星: 九紋竜・史進
    地囚の星: 旱地忽律・朱貴
    地霊の星: 神医・安道全

    必ずしも章のタイトルとそこで描かれる物語が全て一致しているわけではないけれど、まぁ、まぁ、この第1巻で登場する重要な人物とはほぼ一致している感じです。

      

    この第1巻で一際輝いているのは「豹子頭・林冲」なんじゃないでしょうか?  実際のところ KiKi は初読の際、この第1巻で一発で林冲にやられ、その後も林冲の文字を見る度に心踊らされたものでした。  そして、岩波少年文庫の「水滸伝」では単なるハチャメチャ暴れん坊に過ぎなかった「花和尚・魯智深」もこっちの物語ではやっぱりいい味出しています。

    再読なのでこの後王進先生がどんな風に物語に絡んでくるのかを知っちゃっているだけに、今回は王進先生にはあまり萌えなかった(苦笑)んだけど、初読の際には彼の生き様はどこかLothlórien_山小舎暮らしに通じるものがある(あっちの方がず~っとストイックだけど ^^;)だけに、かなり興味を持ったものでした。

    この「北方水滸」で KiKi が一番気に入っていたこと。  それは単に「志」「志」と連呼する戦闘で戦う男たちだけの物語ではなく、そんな反乱軍を支える糧道の話がこの第1巻にして既に表れているところ、そして武勇の人だけではなく戦が始まれば必ず必要になる「医者」と「薬師」を早々に登場させているところが挙げられます。

    「世直し」「反乱」「豪傑」「英雄」な~んていうのは、どんな物語にも、そしてゲームにだって当たり前のように出てくるプロットだけど、反乱軍を養うためには金も食料も必要だし、まして戦が始まれば怪我人も出てくれば死人も出てくる。  そういう周りを固める言わば「脇道」的な話がどれだけ出てくるかが物語のリアリティに貢献する部分は大きいと思うんですよね。  

    KiKi の大好きな上橋菜穂子さんの作品でも「食」に関する記述はものすご~く多いけど、この北方作品にもそれに近いもの(但しやっぱり男性のしかもハードボイルド作家の筆致だから「美味い! 美味い!」の連発でちょっと残念だけど)があるように感じます。  朱貴の店の「魚肉入り饅頭」とか「阮兄弟の鍋」なんかは是非食べてみたいものです。  (この先に登場するとある暴れん坊のお料理もね 笑)

    王進さんと言い、安道全先生と言い、薛永と言い、「○○バカ」みたいな人が出てくるのもなかなかに魅力的です。  現代社会で生き抜くためには「可もなく不可もなく」みたいなバランスの良い人間の方が良しとされる傾向が強いわけだけど、「○○バカ」と呼ばれるぐらいに突出した何かを持っている人間っていうのは自分の身近にいたら便利ではあっても時に鬱陶しかったりもするものだと思うけれど、やっぱり物語世界では魅力的にうつります。

    さて、物語はまだまだ始まったばかり。  全19巻で恐らく全108章のうちまだまだ最初の1冊です。  引き続き第2巻に読み進もうと思います。

  • 以前特集を見てから、ずっと読んでみたかった北方謙三さんの「水滸伝」
    思った以上に読みやすくて面白かった!
    男たちの思いと志に胸が熱くなる。
    人物も大層魅力的。

    なのに、女性の扱いだけがひどい気がするのは、私が女性だからなのでしょうか…。
    実際にひどい目にあっていることだけでなく、何というか…軽視?
    林冲の妻への愛は分かるのだけれど、でも何か…伝わるものが。
    それ以前に作者の愛とキャラクターへの愛と哀しみを感じられなかった気がして。
    正直、吐き気を押さえて読みました。
    ハードボイルド系のこういうところがすごく苦手なだけかもしれないけど…。

    今後ここまでひどいことなく物語が進んでくれることを祈る

  • 腐ってしまった世の中を変えるために立ち上がった男達の物語の第一巻。
    これから長く続くストーリーに向けて、とにかくゆっくり背景を理解しながら読んだ。
    こういった時代小説からは本当に学ぶことが・心動かされることが沢山あるので、二巻からもすごく楽しみ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「立ち上がった男達の物語」
      男を通したためだったり、見て見ぬ振りが出来ないためだったり。と理由は様々ですが「義」の物語ですね、、、(北方水滸...
      「立ち上がった男達の物語」
      男を通したためだったり、見て見ぬ振りが出来ないためだったり。と理由は様々ですが「義」の物語ですね、、、(北方水滸伝は、これから読みます)
      2013/04/10
  • 出てくる男が全員恰好いい!
    元気を出したい時のカンフル剤です。

  • 水滸伝を読むならぜひ北方水滸を!
    書き方は淡々としていますが、胸を打つものがあります。
    やっぱり、男の死に様ですよね!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「男の死に様ですよね!! 」
      随分と大昔に吉川英治のを読んだきりで、その後駒田信二訳でも読もうかと思っていたのですが手付かず、、、こんな風に...
      「男の死に様ですよね!! 」
      随分と大昔に吉川英治のを読んだきりで、その後駒田信二訳でも読もうかと思っていたのですが手付かず、、、こんな風に聞いたら「北方水滸」にしようかな。。。
      2013/01/18
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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全51巻)で菊池寛賞を受賞した。

「2019年 『魂の沃野(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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