となり町戦争 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 5069
レビュー : 799
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461053

作品紹介・あらすじ

ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた…。見えない戦争を描き、第17回小説すばる新人賞を受賞した傑作。文庫版だけの特別書き下ろしサイドストーリーを収録。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争と誰もがもつ日常の関係を主題に考えさせられる小説。
    肌感覚を伴わないとなり町との戦争だが、だかららこそ見えない感じられない恐怖に無関心で無責任に日々暮らすことを問題視している。ザワザワと心が騒めく印象深い読書だった。

  • 別章まで読むと、戦争という明らかに無くなった方がよいとされているものだけでなく、人間がより高度な社会を形成する時には必ず良い面と悪い面の両方が出てくるのであって、私達はその中に生きているのだということについても改めて意識を向けさせられる "目に見えない戦争"とは、実際の戦争を指すと同時に、日常の中でははっきりと感じることのない社会の悪目のことを比喩してもいるのではないだろうか 作中で、ある種の明確な答えが示されるわけではないので、読後ももやもやした感じが残るのだが、色々と考えるきっかけになる本だと思う

  • となり町との戦争って?
    まずはその内容が知りたくてどんどん読めた。
    なんとなく消化不良。きっとそれが筆者の意図でもある気がする。
    読むごとに考えそのときの自分の考えを持てたらそれでたぶん正解。


  • 突然始まった「目に見えない戦争」に巻き込まれる主人公

    役所からは事務的に淡々と
    偵察業務の辞令が来たり
    広報紙で戦死者数が知らされる。
    数字で伝わってきても実感がわかない、体感できない戦争
    戦争は公共事業で、殺人が戦争行為の場合は、犯罪にならないなど、事象をルール化したり、請負業者がいたりと三崎ワールドが展開される。
    戦争によって感情を殺してしまった人、日常と戦争の区別がつかなくなった人などが出てきて、これまた自分だったら、と考えさせられる。

    「となり町戦争」とは
    ニュースで見る事件事故の様なものを指していると思う。実感のわかない。
    自分に置き換えても日々に忙殺されてテレビで見ても忘れていく事件、事故
    のことを考えてしまう。

    この本の事も忘れてしまうだろうか…

    戦争を感じて「痛み」を得る主人公の描写に
    伊藤計劃さんの「虐殺器官」を思い起こした。

    • ikedazuさん
      未だにこんな感想書いてる時点で、やっぱり実感がわかない。生活に追われてるんだなと言うことは実感した。
      未だにこんな感想書いてる時点で、やっぱり実感がわかない。生活に追われてるんだなと言うことは実感した。
      2018/08/07
  • 読み友さんが三崎さんを読まれていて、久しぶりに再読しました。
    ぼんやりとした筋しか覚えていませんでしたが、こんなに静かなお話だったのだと思いました。今回も引き込まれて読みました。
    主人公にとって、見えないまま始まり、見えないまま終わった、舞坂町と森見町の戦争。地域振興の為に協力して戦争を遂行する…勝ち負けではなく、事業として。
    なんとなく、テレビの向こうで起きている戦争と同じように感じました。
    でも、別章の香西さんの弟のような視点は持っていなきゃいけないなと思いました。「戦争と日常とを切り離して考えてしまうのは、とても危険なことだと僕は思う。今の自分のこの一歩が、果たしてどちらに向かっているのかを自覚しないまま生きることになるからね」。なかなか今の生活では難しいと思いますが、忘れないでいたい。
    これからも、何度でも読みます。

  • となり町との戦争が始まる--
    実感も湧かないまま主人公・北原は役所からの通知により、偵察業務を行うこととなる。
    目に見えてはなんらいつもと変わらない風景ながら、広報誌に載る戦死者の数だけが間違いなく戦争状態にあるのだと感じさせてくれていた。

    地域振興としての戦争。というのが、全くない話ではないかもしれないな、ということが絶妙に気持ち悪かった。

  • 2016/07/11読了。
    何年も前に買ったのに、全然読んでなかった本。

    セリフが、聞こえてくるような書き方。
    映像化に向いてるのかなと思った。
    たまに、すごく気合の入った文章がある感じ。

    こんな風にいつの間にか始まっていて、
    一般人には反対することも思い付かないことってあるのかもしれないな。
    誰か偉い人の意志があれば、
    静かに少しずつ、
    人の死が絡むようなことも受け入れてしまうのが大衆なのかな。

    切ない話。

  • 設定はとても面白いし、文体も表現も好きな部類に入る…が、なぜか途中で飽きてしまい、後半は義務で読んだたけになってしまいました。
    思っていたより、暗くて難しい展開になったからかも。後、主人公の恋愛が主軸だったからかもしれません。
    私の好きなSFは、椎名誠のような、ほとんど色恋沙汰がない、どんなに絶望的な状況でもなぜかコミカルになってしまうようなものなので、この作家さんの雰囲気が馴染めなかったのかもしれません。

  • 「すべてを失うことはすべてを得ることに等しい」

  • すごく風刺の効いてる作品だと思う。僕らは目を背け過ぎて、何に目を背けてたのかもわからなくなってしまったのかな

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